第45話 世間は広いようで狭いんだよな
綱引きが終わった後、2年男子の徒競走があった後、女子の玉入れが行われた。
結果は・・・全体で2位。
さっきから2位と3位を行ったり来たりしている気がしてならないな。
「なんか・・・1位が取れないよな」
「・・・そうだよな」
その後にそれぞれの団による応援ダンスが行われた。
めっちゃノリノリで踊っている人もいれば、
適当に踊っている人もいる。・・・それは減点対象らしい。
こういうパフォーマンスも得点になるからこそ、どの団も一生懸命やるのだが、
めんどくさいや恥ずかしいやらで流す人はちらほらいるんだと。
「・・・俺たちは一生懸命やったがな」
「めっちゃノリノリだったな。マサは」
「あの人と離れることができたからな。その喜びを思いっきり表現したぜ」
「・・・それは表現といっていいのかね?」
応援ダンスが終わった後、昼食になる。
それぞれ教室に戻って弁当を食べる。
こういう行事では食堂はお休みなんだよね。
「あっ!!龍也さん!!」
「うん?雫ちゃん」
バイト先の喫茶店のマスターの娘さんである雫ちゃんが来ていた。
友達ときたみたいだな。後ろにいたよ。
「友達と来たんだね」
「お父さんもお母さんも仕事なので・・・それにしても」
「うん?」
「龍也さんとスズ姉さんの二人三脚・・めっちゃ速かったですよね」
「・・・練習でも同じ感じだったけどね」
「私も見ててびっくりしました」
「私もです」
と雫ちゃんの友達2人からも言われたら、やっぱり速かったんだなと実感できる。
「そうか・・・雫ちゃんは瀬戸川さんに会ったの?」
「これから教室に行く予定ですけど・・どこか分からなくて」
「俺たち一緒の教室だし、行くか?」
ということで雫ちゃんたちと5人で行動した。
マサが雫ちゃんの友達2人と話していたんだが
「政宗さんの障害物競走凄かったですよ」
「見てて爽快でした」
「ありがと」
なんか・・・キャバクラにきた若いお客みたいだな。
「そういえば・・・雫ちゃんは3人で来たの?」
「・・・後1人いるんですけど、途中ではぐれちゃって」
「それは大丈夫なの?」
「はい。スズ姉さんにさっき連絡したら、合流していたみたいで」
まさかの瀬戸川さんが回収していたのか。
っていうよりも・・・
「瀬戸川さんに連絡して、そのまま来てもらったほうが?」
「スズ姉さんの疲れを増やすマネはしたくないんです」
「俺は増やしていいんかい!?」
なんか・・・この子、俺のこと舐めているんじゃないかと時々思う俺なのであった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
教室に着いた俺たちを待っていたのは瀬戸川さんと雫ちゃんの友・・・達
ってマジかよ。
「雫ちゃん~~~って龍也お兄ちゃん!?」
「雫ちゃんの友達は・・・風花だったのか」
「・・・龍也さんは風花ちゃんのお兄ちゃんだったの!?」
うん、世間は広いようで狭い。
同じ中学とは聞いていたけど・・・まさか友達だったとは。
「龍也お兄ちゃんと雫ちゃんは知り合いなの?」
「雫は知っているよね?私の家が喫茶店ってことを」
「そうだけど」
「そこでバイトとして働いているんだよ」
「そうだったんだ・・・・」
「お前の隣にいる瀬戸川さんの紹介でな」
「そうだったんだ!?」
とめっちゃ驚いていた。
そうだよね・・・自分の兄のバイト先が友達の親のお店だなんて。
「風花は兄貴のところにも行ったのか?」
「まだ行っていないけど・・・正直行こうと思っていないよ」
「それは・・・どうしてだ?」
「実は・・・一回行ったのよ」
「行ったんだ・・・それで」
「・・・あなたのお兄さんのところに女子がいっぱい集まっていたのよね」
「「あぁ~~~」」
「「「??」」」
雫ちゃんたちは?が出ているけど、俺とマサは知っているからな。
「中学時代もあったなそれ」
「バレンタインだけどな。手作りの弁当を食べてもらいたいんだろうな」
「「「なるほど!!」」」
納得したよ。
兄貴へのアピールなんだろうけどな。あの人、大丈夫なのかね?
「それで、比較的人が絶対来ない俺のところにきたってわけか」
「それはひねくれすぎじゃないかしら?」
「こういう奴だよ」
「後・・・美優ちゃんにもあったよ」
「それで?」
「・・・凄い謝られた」
「・・・なんで風花に謝っているんだよ」
アイツの情緒はどうしたんだろうな。
俺は球技大会のアレから一度も話していないし分からん。
「・・・美優ちゃんとは仲直りはできないんだよね」
「そうだな・・・仲直りは難しいや。あいつと俺はすれ違って拗れたままだしな」
「それは・・・」
「・・・今の俺にはあいつと話しても、打算とかで話しているんじゃって思っちゃうからな」
「・・・そう・・だよね」
「もともと、俺とアイツは幼馴染っていうよりは当時の俺がアイツに依存していただけだっただと思う。兄貴と比べられ続けて、心のよりどころになっていたからな」
「・・・・うん」
「依存を俺が辞めただけで会って、依存していなかったら多分この形に落ち着いていたんだと思うぞ」
「・・・分かった」
うん、昼食前に話す内容じゃないよなこれは。
周りの人たちも黙って聞いているみたいだし・・・
さっさと昼食食べようぜ!?




