第41話 体育祭の種目決め
そんな会話をした次の日。
クラスで体育祭の競技出場決めを行った。
1人1つは最低でも出ないといけないらしい。
人が多いからね。時間もかつかつになるだろうし仕方ない。
体育祭が好きな奴が「もっと出たかったなぁ」って言っていたよ。
厳正なるじゃんけんの結果、俺が出ることになったのは。
「どうしてこんなことに」
「頑張れよ」ニヤニヤ
とニヤニヤ笑っている親友を殴りたいという衝動を隠しつつ、俺は自分が出る競技を黒板に書きだされたので見る。
・・・夢ならどれだけよかったのだろうか。
<二人三脚>・・・・・・・・香田
まさかの二人三脚での出場が決まるのだった。
「・・・ポジティブに考えれば、借り物競争のほうが恥ずかしいかもな」
「それはそうだよ」
「・・・団競技とかはあるのか?」
「騎馬戦だってさ。男子女子別々で」
「女子も騎馬戦やるのかよ」
「安全性とかのルールは去年を流用することになるらしい」
「なるほどね・・・」
そんなことはどうでもいい。それよりも。
「学年対抗リレーに俺の名前があるのはバグかな?」
「すまない香田。50m走の上位6人で決めた結果だ」
そう。俺は学年対抗リレーへの参加も決まった。
4月に行われたスポーツテストのデータを参考にした結果らしい。
それは・・・諦めるしかないか。
「兄貴も絶対出るだろうな」
「比べられるかもな」
「だから出たくなかったけど・・言われたからには頑張るしかないか」
それよりも・・・二人三脚のペアは誰・・・に・・・えっ?
「・・・よろしくね。香田君」
「・・・うん、よろしく。瀬戸川さん」
何と・・俺の相方は瀬戸川さんになった。
「瀬戸川さんも二人三脚なんだ」
「じゃんけんの結果と一緒に出る人と話し合った結果よ」
「それで俺なの?」
「私の足の速さに釣り合っているのが香田君だけよ」
「・・・否定できねえ」
俺以外の2人は足が速いってわけじゃない。
もし瀬戸川さんと一緒になったとき、絶対息が合わないだろうし、
あったとしても絶対遅いだろうな。
「やるからには・・・分かっているわよね」
「お・・おぅ。圧だけはやめてね」
「それは・・・無理な相談ね」
「・・・無理なんかい」
「私はこう見えて・・・負けず嫌いなのよ」
「・・・分かるけども」
これはプレッシャーが半端ないな。
それに・・・
「・・・香田が瀬戸川さんとだと」
「くそ羨ましい」
「俺と変わってくれよ」
「お前、香田より足遅いだろ?」
「グハッ!?・・・それはめっちゃ効いた」
っと他の男子からの嫉妬の視線が刺さる刺さる。
うん、マジで逃げたいよ。
「頑張れよ。タツ」
「・・・後で覚えとけよ」
「低い声で言うな。怖すぎるだろ」
後でこいつはシバイてやる。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なるほど。香田さんとスズ姉さんが二人三脚ですか」
「厳正なるじゃんけんの結果よ」
「プラスで足の速さで決まった感じだな」
放課後のバイトでそのことを雫ちゃんに話していた。
「お父さん!!」
「仕事の時はマスターって呼んでほしいんだけどなんだい?」
「スズ姉さんたちの体育祭見に行こうよ!!」
「そうだね・・・私はここがあるから無理かもね」
「むぅ」
「けど・・・雫はクラスメートと行ってもいいんじゃないか?」
「・・・そっか!!ちょっと誘ってみよう」
とルンルンしているようだけども、君はその次の週で体育祭じゃなかったか?
「雫も次の週は体育祭でしょ?」
「私たちは1学期の時からいろいろ準備しているから大丈夫だよ」
「マジか・・・」
「絶対応援行くからね。友達も一緒に」
それは・・・俺としては勘弁してもらいたい。
瀬戸川さんも・・・若干いやそうな顔をしているのが分かる。
「香田君」
「なんだい?」
「私の代わりに断ってほしいのだけど?」
「あんな満面な笑顔の雫ちゃんにかい?」
「・・・そうよね」
「プラス思考で考えれば?例えば・・・瀬戸川さんのお姉さんが来るよりはましって感じで」
「それはそうね」
凄い切り返しの速さ。
どんだけお姉さんのこと嫌っているんだよ。
色々、1学期で経験したからわかるけれども。
「体育祭・・・何も起きなければいいのだけど」
「何かが起きる・・・ってそんなことないって言えねえ」
「あなたのお兄さんがいるからかしら?」
「それもある。それに・・・」
兄貴は体育祭で活躍するのは間違いなしだからな。
俺は肩身が狭い思いをするのも確定だろうしな。
「・・・兄貴と同じ高校じゃなければなぁ」
「それはもう諦めるしかないわよ」
「ですよね」
諦める・・・本当にいい言葉だよ。
この一言で俺の気分が楽になるのだから。




