第26話 瀬戸川さんの確執
カリカリカリ・・・・
と期末テストに向けて勉強会をしていたところに現れたのが、
俺の姉と瀬戸川さんのお姉さんだ。
まさかの展開に驚きはしたが、あんまり気にしないようにしたかったのだが、
「・・・おい、タツ」
「なんだマサ?」
「この空気何とかしろよ」
「無茶言うな。俺だって気まずいんだぞ」
そう、瀬戸川さんの雰囲気がめっちゃ怖い。
なんか後ろからゴゴゴ!!と聞こえてくるかのようだ。
高橋さんも気まずい表情をしているし、雫ちゃんに至っては涙目だ。
ちなみに姉たちは俺たちが座っている席の少し離れた位置にいる。
さすがに勉強をしている俺たちに話しかけるようなことはしないみたいだ。
「・・・まさか俺の姉と瀬戸川さんのお姉さんが同じ大学でしかも友人だったとは」
「だな。俺もびっくりした・・・ってか俺はお前の姉も初めましてだったからめっちゃ美人でびっくりしたんだが」
「そういえばマサも姉とは初対面だったな」
俺が家に友人を呼ぶことをしなかったし、基本外で遊ぶことが多かったからな。
仕方ないちゃ仕方ない。
「とりあえず・・・今は勉強集中」
「わかってるって」
ということで期末テスト対策の勉強会は進んでいくのだった。
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「今日はここまでにしようか」
「・・・そうね。3人は」
「「「チ~~~ン」」」
「完全に燃え尽きているな」
「明日もやる以上、ここでバテるのはいただけないわね」
「「「そんなぁ~~~」」」
「・・・赤点取ったら、夏休みの期間補習を受けるんだぞ。そっちのほうが絶対いやだろ?」
「・・・それもそうだな」
「・・・頑張るしかないかぁ~~~」
「・・・は~~~い」
・・・そういえば、
「姉たちはいないんだ?」
「15分前ぐらいに帰ったよ・・・お疲れの癒しにジュース」
「ありがとうございます。マスター」
「声をかけようとしていたみたいだけど、みんなそれぞれ集中していたからね。邪魔しないようにこっそり帰っていったよ」
「・・・そうなんですね」
瀬戸川さんは少し浮かない顔をしていた。
お姉さんと一体何があったんだろうか?
「俺は高橋さんを送るから、タツは瀬戸川さんを頼むな」
「わかった」
「別に1人で帰れるけど」
「駄目だよスズちゃん。女子1人で帰るのは一番危険だからね」
ということでマサが高橋さんを
俺が瀬戸川さんを送ることになった。
「・・・」
「・・・」
終始無言である。
俺としては女子と2人きりってあんまりないから。めっちゃ緊張している。
「・・・幸田君はお姉さんと仲がいいの?」
「よくはない。あの人も兄貴側の人間だったからな」
「そう・・・嫌いなの?」
「嫌いっていうよりは・・・なんだろ?」
「・・・私が聞いているんだけど?」
「・・・昔は兄貴と一緒だよ。めっちゃ尊敬していた。
けど、追いつくことができなくて、俺に絶望を与えた人だからな」
「そう・・・私は嫌いよ」
と瀬戸川さんは言った後、
「少しだけ聞いてくれる?」
と俺に姉妹の確執を話すのだった。
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私にとって姉さんはあこがれだった。
勉強もできて運動もできて、何もかもが完ぺきな人だった。
だからこそ、大好きな姉さんの隣に立てる妹を目指していたんだけど、
それは無理だった。
この人の1歩が私にとっては10歩進まないと追いつけないこと。
姉さんに追いついたと思ったら一気に離されること。
そしてとどめが
『涼香。あなたは私に追いつくことはできないわよ』
『な・・・なんでそんなことを言うの?』
『そんなにあなたが頑張っても私の隣に立つことができないわ』
『・・・やってみなければわからない』
『わかるわよ。私より劣っているあなたが』
と本人から言われてね。そこからあこがれだった人が一気に憎悪の対象になった。
今となっては一番大嫌いな人であり、そこからはあまり話すことがなくなった。
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「って感じかな?」
「・・・・・」
「入学式であなたが自己紹介をしたとき笑ったでしょ?」
「そういえばあったね」
「自己紹介を聞いたとき、この人私に似ているのかもって思っちゃってついつい笑っちゃったのよね」
「それはなんとなくわかる気がする」
自分と同じ兄弟との関係がこじれている人がいるとは思わないだろうしな。
それにしても・・・ここまで似ているとは思わないんだが?
「今でも憎悪の対象なんだ」
「そうね・・・あの人は私にとって最大の敵なのだから」
うん、めっちゃ目が怖いよ。




