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頑張ることを諦めた俺を気に入ったのは学年で一番クールなあの子!?  作者: ドラゴロイド


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第22話 球技大会結果は

「それで勝ったんですか?」


「いや、あの後逆転されて負けたよ」


「・・・そこは勝つところじゃないんですか?」


「無理無理」




球技大会の次の日の夕方、俺はバイトしていた。


本来は昨日がシフトだったが、球技大会で疲れるのは確定していたため、


今週だけ金曜日にシフトを変えてもらっていたのだ。


ちなみに、瀬戸川さんは休みだ。彼女は基本は土日しかシフトを入れていないんだよね。




「実際、どうだったんですか?」


「どうって何が?雫ちゃん」


「ゴールを決めた後の試合の展開ですよ」


「あぁ~~~」




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「ドンマイ。タツ」


「1点取っただけ健闘したほうだろ」




俺がゴールを決めて流れにの・・・れなかったんだよね。


あの後、先輩たちの猛攻で1-3であえなく敗退したのだ。




「結果は3位・・・十分いい方だろ?」


「サッカー部がいないクラスだからな・・・十分すぎるんじゃね?」


「けど・・・やっぱり勝ちたかったって思っちゃうんだよね」


「いや、あのゴールは普通にかっこよかったぞ。めっちゃ褒めていたからな」


「・・・『恭平君の弟だからできてあたりまえなんじゃない』ってか?」


「・・・そんな感じ」




分かっていたけど、俺自身は評価されないんだよな。




「流石は恭平の弟君かな」


「あんたは?」


「俺は櫻島怜二。3年のサッカー部キャプテンだ」


「どうも」


「君は恭平と違って、パスや味方のサポートに特化しているんだね」


「・・・だから何ですか?」


「別に文句を言いに来たんじゃないよ・・・サッカー部に入っては欲しいと思ったんだがね」


「嫌ですよ・・・絶対兄貴と比べられるじゃないですか」


「・・・そうか。本当に嫌なのかい?」


「サッカーは中学で卒業するって決めたんで」




って感じで会話を終了させ、教室に戻るのだった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




「いろんな人が弟だからそういうプレーができて当然だよねって決めつけるんだからな。あれは結構きついんだよ」


「お兄さんと比べられるのはきついですね」


「それは分かるな」


「マスター?」


「お父さんも?」


「そう。私の兄・・・涼香ちゃんのお父さんなんだけどね。とんでもなく優秀な人でずっと比べられていたよ」


「マスターにもそんな過去が」


「自分を見てくれる人がいないのは・・・本当にきついからね」




マスターもまさかのこちら側だったとは。


気持ちの共感をしてくれる人がいたとは思ってもみなかった。




「お父さんはどうやって耐えたの?」


「耐えたっていうよりは、兄とは違う道に進むことで明確にしたよね。


自分は自分、兄は兄って感じにね」


「なるほど」




それは・・・ありっちゃありかもしれないな。


今度こっそり聞いてみるか。それ次第で自分も考えよう。




・・・気にしていないって言っても、色んな所で言われたらいやでも気にする。




「はぁ~~~」


「今度は溜息ですか?」


「それがね・・・俺たちのクラスって球技大会の4種目のうち3種目で入賞したもんだからめっちゃ騒がれてね」


「確かに・・・上級生より上の順位にいる下級生のクラスは騒がれますよね」


「だから、めっちゃ人が見に来るんだよね」




俺たちは客寄せパンダかな?って思うぐらい人がくるんだよ。


しかも・・・




「俺の場合、兄貴がクラス優勝して目立っちゃったから、同級生で俺が弟というのも今回ので広まったから、ファンレターを渡してほしいって来るのがね」


「それは・・・地獄ですね」


「何で俺が兄貴の手紙を貰わないといけないんだよ本当に」




マジで嫌。それぐらい自分で渡せよ。


何で俺を挟もうとするの。そんなに俺って頼みやすい顔をしているのかな?




「いっそ嫌われ者のほうがマシな気が」


「それだと余計お兄さんと比べられますよ」


「デスヨネ」




どうにもこうにもならない現状に辟易する。


どうにかならない?本当にさ。




「いらっしゃいませ!!それじゃあ行ってきます」


「はいよ」


「香田君」


「はい?」


「確かに今は大変かもしれない。けど、いつかは自分だけを見てくれる人も現れるのを待つしかないよ。私にとって妻のような人にね?」


「奥さんがそうなんですか?」


「あぁ。言われたよ。『お兄さんはお兄さん。あなたはあなた。私が好きなのは頑張っているあなたの姿なのよ』ってね」




めっちゃいい奥さんだ。


俺もそう言ってくれる人に出会えるのかな?




「出会えますかね?今の俺に」


「なら腐らないことだ。兄がいるから、どうでもいいやって頑張ることを諦めたら何も残らなくなるからね。そうなると、誰も見てくれなくなっちゃうからさ」


「・・・そうですか」




人生の先輩からの金言に俺も頑張ることを諦めているけど、


またどこかで再起できたらいいな。



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― 新着の感想 ―
予想通りの展開ですねw
何でも真っ直ぐ進まない時もあると思います。 前を向くきっかけは劇的なものもあれば、少しずつ上向きになることもあります。 どうなるか、楽しみにしています。
頑張るの定義によるかな、と思うけど。 一般的には今の状態が普通に頑張ってるのであって、かつては無理してただけでああいうのは頑張るのと違う。 余計な雑音を気にせず打ち込めるものがまだない、というのは間違…
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