第15話 サッカーの練習と期待を背負わせるんじゃないよ!?
放課後。
俺はグラウンドで球技大会のサッカーの練習を行った。
グラウンドについては全体で全クラスが使えるわけではないのと、
他の部活動の邪魔になるので、くじ引きをして決めたそうだ。
クラスでの練習はちなみにこの1回しかないんだと。
後は自主練とかで気合入っている連中はやってくるらしい。
・・・俺にとってはどうでもいいけどね。
ただ、他の男子は違うんだよねぇ~~~。
「絶対に・・・瀬戸川さんにいいところを見せるぞ!!」
「「「「「オォォォーーーーー!!」」」」」
「気合入りすぎじゃねえか?」
「仕方ないと思うよ」
「委員長」
「男は単純な生き物だからね」
「君も男だろ?」
「僕はスポーツが苦手だからね。迷惑かけないように頑張りたいんだよ。
香田君は?」
「俺は・・・正直どうでもいい」
掛け声をかけている男どもをしり目に俺が話している相手はこのクラスの委員長である牧田 勇樹だ。
ひょろっとしているが、やるときはやる男であり頼もしい男なのだ。
「どうでもいいんだ」
「俺としては兄貴のせいでどんなに頑張っても「恭平君の弟」として見られるからな。期待するだけ無駄だ」
「・・・苦労しているんだね」
「同情してくれるだけありがたいよ。他の奴らはバカにしたりする連中ばかりだったからな」
中学時代はマジで地獄だったよ。
何やっても兄貴と比べられるんだから。
本当に嫌になる。
「香田も委員長もこっち来て練習するぞ」
「分かった」「うん」
というわけで始まるのだが・・・
「俺たちのクラスってサッカー部はいないんだよな」
「そうだね」
「他のクラスに入るんだけどな」
「そこはしゃあないよ。中学でサッカーやっていたのが4人か」
「ポジションどうする?」
とまずポジションを話し合った結果、経験者ってことで俺はミッドフィルダーになった。しかもボランチかよ。
兄貴とポジションが被らなかっただけましか。あの人はフォワードで、ガンガンゴールを取りに突っ込んでくる人だからな。
その結果、俺も中学時代はフォワードをやらされたからな。本当に嫌だったのに顧問の先生にも聞いてもらえなかったからね。最悪だったよ。
「まずは軽くポジションごとでボールを蹴りあって」
ってことで他のミッドフィルダーのメンツとボールをパスしあった。
ちなみにフォーメーションは基本の4-4-2だ。
お互いにパスを出しつつ、少しずつ距離を離しながら蹴りあってみたが、俺以外のメンバーがそこまで強いパスができないことが分かった。
「これは・・・結構きついか?」
「またどうしてなんだ?」
「サッカーって相手の陣地に切り込む必要があるんだが、そうなるとパスがどうしても強くなるんだよ。相手にボールを渡さないで仲間につなぐから」
「ふむふむ」
「他のメンバーがパスが弱かったらどうなると思う?」
「・・・相手に取られてカウンターってことか!?」
「そうなるな」
う~~~ん、これはマジでヤバい。
ガチ目に勝ちたいって思うメンツも多いが、俺ともう一人の経験者がディフェンダーなんだが、酷使されるかもな。
「そこは・・・香田にお願いするわ」
「俺任せかよ」
「正直、俺たちじゃあ予選も勝てないかもしれないことは分かっているんだけどよ。やるからには全力でやりたいんだよ」
「負けると分かっていても、ただ負けるのを見るだけとか一番嫌だしな」
「そっか・・・」
じゃあどうするべきか。
ならば・・・
「端の2人はとにかく前に行くことを意識してほしい。今回の大会はオフサイドとかそんなもんないからな。相手の裏をかくことに集中してほしい」
「オッケー」「任せろ」
「委員長は守備の方に意識してほしい」
「守備で良いの?」
「委員長がボールを持ったら、経験者はカモだと突っ込んで奪いに来る可能性があるから、攻撃するよりも守備の方を意識してほしい。ボールを奪ったらフリーなら俺に、無理なら、2人のスペースに向かって蹴ってほしい。時間稼ぎにもなるからな」
「分かったよ」
役割はこれぐらいだな。後はこれが上手くハマればって感じだけど・・・
「・・・どうした?」
「意外と香田がやる気だったからな。びっくりしてよ」
「やりたくないって言ってたからな」
「・・・お前らが全力で勝ちに行きたいって言ったからな。ここで俺1人が手を抜くわけにはいかないだろ」
「「・・・へぇ~~~」」
「なんだよ気持ち悪いな」
生温かい目で俺を見るんじゃない!!
「色々指示てしてくれた香田の期待に応えるためにも頑張るぞ!!」
「おぅ!!」
「香田君。期待を背負わしたね」
「別にそんなつもりはなかったんだが・・・それに俺にもプレッシャーが」
俺に期待しないでくれよ。出来損ないの弟によ。
けど・・・ここまで来たらやるしかないよな。
後、兄貴がいるクラスと当たらないことを祈ろう。
真面目に・・・




