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俺は誰なのか


俺の異世界ライフが、どうたらこうたら言える状況ではなかったのを思い出す。


こいつは道を歩き出していた。

行く宛もない俺なのでついて行く事にした俺は

彼について行っても良いかと聞いた。

彼は快く了承してくれた。

なんでこいつはその剣を持っているのか。

クソ赤髪を知っているか。とかまあ聞きたいしな。


そういえば名前を聞いていなかった。

彼の隣で歩きながら話しかけた。


「君、名前なに?」


「自分ですか。ユリウス・エレクレトス。

この道に続く【果ての村アイアス】出身の

しがない冒険者ですよ」


ユリウスは振り向いてご丁寧に俺に挨拶をしてくれた。俺らはアイアスに向かっているようだ。

そしてやはりユリウスは冒険者だった。


「というか、あなたこの辺りの住人じゃないですよね。子供...に見えますけど、」


「あ〜、えーっと、俺ははぐれた感じかな?

仲間と。」


俺は子供に見えるのか。

まあ身長がたしかに前世より小さい気がする。

そしてもちろん仲間なんていない。

しかし異世界転生したんだ!

なんて馬鹿正直に言えるはずない。実際、クソ赤髪と話最中にはぐれたみたいなものだし間違ってはいないはず。クソ赤髪を利用させて貰おう。


「仲間...冒険者ですかね?

自分の行き先アイアスにたしか冒険者商会あったので

パーティーメンバー達に連絡できると思いますよ。」


「へえ。連絡なんて出来るのか。」

まあパーティーメンバーなんていないので、

俺には不要である。


「そういえば貴方は名前あるんですか?」


ユリウスだけ自己紹介していた事に気づき

俺も自己紹介をしようと思う。


「俺は__」


と前世の名を言おうとしたのだが名前が分からなかった。ずっと使ってきた名前なのにだ。

自分の名前がごっそり記憶から消えている感じがした。思わず立ち止まってしまった。


「大丈夫ですか?!」


ユリウスが突然血の気がなくなった俺を見てだろうか

焦った顔で声をかけた。

俺は俺である事は確かなのに俺の名前が分からなかった。俺は誰なんだろう。


何に対してなのか分からない静かに目を覚ました恐怖心と混乱が俺の思考を止めた。

ただただ怖いのだ。忘れるという事が。

そしてこの世界で本当の俺を知っている存在が

自分自身しか居ないのがやけに孤独を感じさせた。


深呼吸をし息を吐いて空を仰ぐと視界に雲一つない空が映った。

俺は今絶望しているというのに前世でも異世界でも

変わらず空は美しかった。それが俺を落ち着かせた。

太陽がやけに眩しく目がチカチカし冷静になる。


そーいや転生した時もこんな風にベッド輝いてたな。

そうだなどうせなら俺が俺に名付けでもしよう。

クソ赤髪に会った時にまた詰め寄ればいいだろう。


朦朧とした頭で考えのは、とある神の名前だった。

簡単に略称してから俺は自身の名を決めた。


「俺はアロ」


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