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時と空間



移動先だが、ひらけた場所が望ましい。

どこに転移すれば良いのか。


荒野地帯である。

空間魔法と強く念じた際に荒野地帯を想像した。

ここならみんなを巻き込まないだろう。

魔法で埋め尽くされた白い光が和らいでくる。


光の中から華奢な手が俺を掴みに来た。

目が慣れてくる。ミトラだった。


咄嗟に避ける。


「ミトラ!おい!目を覚ませ!」


声をはりあげて語りかけた。無駄足のように思える。

このまま死んだら元も子もないのだ。カッコつけて俺に任せろ!なんて行動をしたものだからプライド的にもくるのだ。


俺の呼びかけにミトラは何の反応も示さずに

淡々と攻撃を仕掛けてきている。

くそ!王道展開はないようだ。


その時ミトラが俺から一定の距離を取った。

混乱する間もなく彼女が片腕をゆっくり回した。

いや正確には素早いのだが時が遅くなったようにゆっくりに見えた。


ミトラの背中を軸にして、魔力の塊が衝動波を放ちながらまるで翼のようにかたどった。


「終極時魔法 慈悲の瞑想」


ミトラがその唇を動かした時、時間が止まった。

いや止まったように見えたのか?

次の瞬間にはミトラが目の前に居て、その翼の一つ一つの羽が俺を貫いて____いなかった。

しかしそれは今や俺を蜂の巣にしようと迫る。

あと1秒で。


「空間魔法!!」


逃げなければ!体が震える。恐怖である。

咄嗟に空間魔法を発動させた。

間に合わない。


今度こそミトラの魔法が俺を貫いた。

その時、世界の時と空間が混ざり合った。





風が荒れ、岩ばかりの荒野地帯に1人のエルフがいる。

彼女は目標を殺した。乾燥した地に、その溜まり血がある。ひび割れた隙間に血が流れる。

彼女はやり遂げたはずだ。その人間が忽然と姿を消したことを除けば完璧である。

彼女は周囲一帯、荒野地帯全てを覆うほどに神経を尖らせる。亜麻色の髪がエネルギーに煽られて乱れる。

目標はいない。いなかった。


少しの間、ぼうっと空を見つめた後、踵を返して彼女は"主人がいる"エルフの国に向けて歩み出した。







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