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一方俺は



体が思うように動かなかった。

幸いにも意識を失っていていたのは数分のようだ。


ララエル達はどうなったんだろう。

俺が助けに行けたなら。人のことを助けるなんて言えるような立場じゃないけど。


その時机の下にいた俺に足をぶつけて衛兵の1人が俺を覗きこんだ。

俺とそいつは目が合った。

衛兵は1度顔を上に戻し、また再度覗いて俺を見た。


「し、死んでる!」


そしてそう叫んだ。失礼なヤツである。

しかし酒場は更に盛り上がりをみせており、彼の声は周りには届いていなかった。

この状態で大量の衛兵達に俺の存在がバレたら命の危機である。一安心だ。

その時、その衛兵が立ち上がり何処かへと歩いていった。

声を発しようとしたが体全体が麻痺しているように動かない。瞼も閉じれないようだ。

前世では、ドライアイだったのでこれはキツいな。


しかし何故急に意識が?

ミトラとララエル達はどうなったのだろうか。

俺はここに寝そべっているだけで何も力になれていない。


しかし、この世界の人とは違って、前世でラノベとかアニメとか見ていたおかげで、想像力は人一倍あるわけで無詠唱で可能な魔法がある。


そもそも詠唱なんてどうやって学ぶか分からないからな。セレーナみたいに空間魔法が使えれば、あいつらの所に行けるのに。

時空間魔法が使えるようになるってクソ赤髪は俺に言ってたけど、さっきやった時は何も出来なかったし進展なかったからな。どちらも同じ空間系魔法なんだけど。


俺このまま何も出来ずにさっきの衛兵に見つかって終わるのか?

魔法も理解出来ないし戦闘もし足りないし

何故か体は動かないし、他の衛兵にも見つかるかもしれないから時間も有限なのに。

そもそもなんで俺だけテレポート先が俺1人だったわけ?こんな大きい城の中で仲間を探すとか面倒臭い事俺だってしたくないわけで!



その時、賛美を歌うように優しく強かなハミングが聞こえた。そして俺が話した、いや正確には俺の声で響いた。

『空間魔法さえ使えれば』


思わず振り向こうと反射的に体を動かそうとしたが

未だ床と離れられない。耳元で囁かれたように聞こえたがすぐ近くに人がいる気配はない。

ジワジワと鈍い頭痛が走った。





先程場を離れたエルフの衛兵が仲間を連れ戻ってきた。2人の衛兵を連れていて、彼らに不審者がいたと状況を伝えてきたのだ。

「ほんとだって!さっき机の下に、人がいたんだ!」

1人の衛兵が机の下を覗こうとし、椅子をどけたが

机の下にはアロの姿はなかった。


酒を飲みすぎたのだと1人の衛兵が彼の肩を叩いたのだった。



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