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こんな世界いらない


俺は未だ図書館の中でうずくまっていた。


愛の呪いだとかいうものが、俺には付いたらしい。


しかし、実感がない。

手を握り開いてみたり、口頭で「愛の呪い」なんて

言ってみたりしたが、なんもない。


仕方がないので、このよく分からない図書館からさっさと、おいとましようと思う。

立ち上がって重たい扉を押した。


しかしおかしいのが、次出た所が記憶にあるはずの

以前の場所ではなかった。


扉を開いた先は衛兵達の居酒屋のような場所だった。

薄汚れているが、綺麗な彫刻壁を見る限り城内である。

丸机と椅子が散らばって立たされており、

それに座った約50人程のエルフの衛兵が、賑やかに

酒や飯を楽しんでいた。


図書館の重たい扉が、俺の後ろで音を立てて閉じると

その扉は、先ほどの風格をなくしており、ごくごく一般的な開扉となっていた。


幸いにも衛兵達は互いの話に夢中で俺には気づいていなかった。


正面奥には大きな、細かい粒子で作られた変な青白く光る空間があった。

それが点滅し、モニターのようになり、

知っている顔2人を写し出した。


衛兵らが盛り上がりをみせた。


その瞬間俺は、衛兵の足や机を避け、履いながらそのモニターにこっそり近づき、凝視した。


そこにはララエルと、プセーマが居たからである。



王はプセーマとララエルを見て再び口を開いた。

「しかしプセーマお前には失望したぞ。

よもや朕を裏切り逃げ切られるとでも思っていたのか?」


プセーマは伏し目がちのその目を大きく開け王を睨みつけた。


「黙れ外道が!」

「プセーマ!」


ララエルが自身を庇うようにして立ち上がったプセーマを諭した。

プセーマは魔法の弓矢を創造し王に向けて狙いを定めた。彼の惑う思いはもうすでに、ララエルのみになっていたのだから。


王は壇下にいる哀れな裏切り者と、死んだと思っていた我が妹を見て、微笑んだ。


「今更どうしようというのだ。

朕を殺すか?その後は?国民にはどう説明する?」


「黙れ!我が主ララエル様こそ真の王に相応しい!」

「プセーマ!!」


ララエルの怒声が響きプセーマがララエルを見た。

ララエルはプセーマが自身のために身を張る理由が分からなかった。妾を今殺して目的を果たし、自由になっても良いのに。

プセーマは冷たい表情のままララエルを横目で見た。


「ララエル様。貴方を認めないこの世界など必要ないのです。」


プセーマが禍々しく渦を巻く魔力の結晶となった矢を王に向けて打った。

その速さは音速をも超える。


王の髪が激しく風に揺れた。

時が止まったように見えた。

その矢を誰かが人差し指と中指で摘んだのだ。


「...?!」


プセーマとララエルが息を呑んだ。

そこには、プセーマの矢を王から防いだ始祖のエルフ ミトラと、ミトラの片手に抱きかかえられた魔女セレーナが居たからだ。




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