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最古の魔法図書



酸素が足りなくて呼吸が乱れていた。

はっはっ、と息を吐きながら周りを見渡す。

廊下は俺の生成魔法で最初の美しい姿を崩れさせていた。

「ひっ」


床と壁に飛び散る血を見て俺は声を出した。

火事場の馬鹿力というものだろうか。

俺はこの世界に来て2人、エルフを殺めたらしい。

勝ったのか。敵を殺れて良かった、

俺の邪魔をする奴はみんな敵なのだから。

かたかたと震える両手を固く握り、言い聞かせた。


集中していて痛みを忘れていたのか、

安心してから、頬、肩、足の切り傷が痛んだ。


服を破いて傷口を覆おう。

クソ赤髪、ヴァルナが着けてくれたのだろうシルクの素材の緩いワンピースのような服を下から破いた。


ここでおかしかったのが

この服は半袖で、俺は衛兵に右肩を切られたので

服も切られているのが正しいが、この服を通り越して、俺の皮膚に傷を付けられていたのだ。

さらに、この服、血や汚れが一切ついていない。


もしや、めっちゃ高価なやつなんじゃね?と心配が頭をよぎったが感染でもしたら困るので

躊躇いなく服の切れ端を傷口に巻き縛った。


ふと前に向き直ると廊下に大きな扉があるのを見つけた。

ミトラの部屋の扉ほど豪華ではないが、

風格を感じさせる。


扉は俺のせいで傷がついていた。

扉の先には光が漏れており、暖かい。

軽く扉を押すと、簡単に開いた。


中は大きな図書館のようになっていた。

俺が出てきた場所さえも本棚の1部で、

後ろに回り込んでも何も無い。

城とこの空間が別々のようである。


上を見上げるとどこまでも高く伸びる本棚がいくつもそびえ立っている。

1番大きな本棚を中心に螺旋状に数々の本棚が並んでいた。

ずっと先が見えないせいでクラクラする。


フラフラと中心にそびえ立つ本棚に近づいた。

なんとなく分厚い本を手に取った。


「おっも!う〜わ、こんな分厚い本だれが読むんだよ」

ずっしりとした重さを感じながら、ページを開くと、

見たことない文字の羅列がある。

「うわ」


瞬きをすると文字が読めるようになっていた。

見間違いかと混乱していると本が輝きだした。


思わず本を落として後ろに下がる。


本から数々の輝く文字が生み出され俺に一直線に向かってきた。

危機を感じた俺は元の場所に戻ろうと走るが

沢山の文字でつたのように伸びた光り輝くそれは何本も生み出され俺の足や手に絡みついた。


「ッ!くそ!離せ!」

行動ができない。

しばらく文字が吐き出されると全て終えたのか本から吐き出されていた文字が止まって

光の文字が俺の頭目がけて飛んできた。


「あっあ」


かの本から生み出された全ての文字は

アロの額に脳にスルスルと入り込む。


絡みついた文字も連なってリボンのようにアロの額に吸い込まれていった。


「っ、は は は」


アロに起こったのは膨大な情報処理である。

頭を抱えてアロはうずくまった。

その時頭で知覚する。


《束縛魔法 愛された存在 を習得》

《愛の呪い が常時発動》


鈍痛が消え俺は手を離して前に投げられた本を見た。


「...真っ白だな」


重たい本はページが真っ白になっていた。




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