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閑話 ララエルの思案 《ララエルside》




朝起きると魔女とプセーマとアロが何やら話し合っているのを見た。

妾は知っている。プセーマが妾の国またはエルフと何らかの関係があるという事。今思えば出会った時から察しが着いていた。


妾はエルフの国の第4王女として産まれた。

母は難産で妾が産まれると同時に息絶えた。

妾は忌み子として兄弟から嫌われていた。

さらに関係を悪化させたのは妾の瞳だった。


エルフの王になる条件は誰よりも強い力を持っている事。もちろん努力や才能もあるが、昔から王家のエルフは金色の瞳をしていて、魔力が強く多いほど金色が強くなり黄金のような輝きを増す。

これは才能や努力で変化はしない。

兄上は歴代でも強い輝きの持ち主だったが、

妾は数百年ぶりに誕生した、始祖のエルフミトラと同じ黄金色の瞳の持ち主だった。


時期王として育てられた兄上の元に現れた奇跡はさぞ彼を苦しめただろう。


そんな彼は妾が周りとの信頼を築けていない内に

早く王になろうと盲目的になったのか

自身の父親を殺めた。

妾はその様子を見てしまった。

それを良いことに妾に罪を被せたのだ。


無論妾に味方は居らず、王族は死刑にできないので

追放という形になった。兄上は妾に国外の果ての荒れた地域一帯を与えた。


妾は極悪人を晒すという兄上の命令で手錠をかけられ国を回った。国民は妾に石やゴミを投げつけた。声は潰れて身なりも薄汚れてしまった。


その日の夜、国から出ようと国境に向けて

城の敷地内を歩いていた。

すると妾と同じ黄金色の瞳を持つエルフが歩いてきた。風が舞ったが彼女のヴェールも髪も服も揺れなかった。その存在は彼女がミトラだと確信するのに十分だった。

「君は無罪だろう?私は知ってるよ」

彼女は妾の耳元に囁いた。

「ミ...トラ...実在し...」

声を振り絞り名を呼ぶと彼女が妾の喉に人差し指を置く。すると喉の痛みが消えてすっと軽くなった。

「私がこの呪縛から解放されて傍にいてやれたらいいのに」

彼女は悲しそうに笑うと霧のように消えた。


その後はひたすら走り続けた。

ミトラという存在を目の当たりにした妾は興奮状態にあり疲れを感じなかった。果ての地域の中心部アイアスに着くと村人達がボロボロの妾を見て驚いたのか看病してくれた。

感銘を受けた妾は、地域を魔生からひたすら守り、人間に様々な知識を与えた。

アイアスは見事な発展を果たし地域一帯も豊かな土地になった。妾は【地を治める者】の称号を得た。


そうして数年が経とうとしていた。

そんなある日プセーマに出会った。

彼の連れてる使者はフードをしていたが目をこらすとエルフの耳をしていた。

妾が荒れ果てた地域で何もできず死に果てると考えていた兄上の予想が外れたので彼をよこしたのだろうか。

しかし何故だろう。


妾は彼の目的が気になって

少しの間戯れようかと彼を部下に引き入れた。

彼の魔法の才能は素晴らしく様々な分野において有能だった。彼と過ごして月日がたった頃には

お互い目的を忘れたのか、お互いが頼りになる存在になったように思う。


しかしララエルはとっくに彼の目的に気づいていた。彼女も何故彼を仲間に入れたのか分からなかった。

気分か、はたまたララエルは死にたかったのか。


「きっとプセーマは妾を殺める為に来たんじゃろうな」

ララエルはふとそう呟いたがそれを聞くものは誰もおらず、その言葉はかき消された。




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