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目覚め


だから俺は時空間魔法が使えるって言いたいのか?

たしか、適性ってだけでもちろん会得魔法にはなかったし使い方も分からない。

風魔法とか、水魔法は想像力でなんとか魔力から変換できたけど、それは想像しやすいからであって

時空間魔法とか詳細何も分からないんだけど。


すると赤髪の彼が手を広げて立ち上がり 

楽しそうに話し始めた。


「ファアルが創造した魔法の難しい所は

適性を実際に魔法として使うところだ。

水晶から見れるステータスは確かに有能だが

人間のまだ3割程度の情報しか詳しく出力できないのが現状だ。


実際、存在するほとんどの魔法は、ステータスの適性に出力されなくとも全ての魔力を持つ生物が会得できる。まあ持ち前の才能にも左右されるが。」


それって結構世界的に重要な事言ってるよね。

その事は他の人達知ってるの?


「俺が始祖の人間であり、魔法の誕生を知っているからだ。そもそも数千年の時をここで過ごしているから適性に囚われている事を他の人は知らないな」


彼は実に慈悲深さを感じさせるように胸に手をおき、

目をふせたように見えた。しかしその瞳にやどるものは固定概念に囚われる他の人類に対する慈悲ではなく、喜びを得ているように感じた。

まるで彼の大切で美しい魔法が他の生物に多く

知れ渡っていないことを喜ぶように。

もちろん認識は阻害されていて分からないのだが。


「時空間魔法の会得をしようと必死になる必要はない。ステータスとはいえ適性に出たかぎりお前この先嫌でも会得する運命だから。会得した時またここにアロ、お前の意識を呼ぶ」


そうクソ赤髪は告げて手を俺の顔に被せた。

彼の指によって開かれた瞼が閉じられた。

もちろん現実の俺は寝ているはずなのに、瞼閉じると表現するのはなんとも変な感覚だ。





目を覚ますと朝だった。

体の疲れは取れているものの、精神的には

寝たという感覚がなく、マッチしなくて不快だった。


テントの外に這い出て頭を出すと、セレーナとプセーマが話し込んでいるのを見つけた。

盗み聞きは悪いが耳をすまして聞く


「プセーマなんで、ここにいるの?あの可愛い子はララエルに間違いないみたいだけど...」

「セレーナ様。僕はララエル様に仕えることにしました。もう僕は自分に正直にいたい」

「それってエルフの国を裏切るの?

そもそもララエルをエルフの国に向かわせるなんて...」


あれこいつらって知り合いだったのか。

プセーマに関してはセレーナ様って呼んでるし。


「ユリウスさんを治療するためにエルフの国に向かうしかないんです。しかしエルフの国の国境を抜けるには厳しい調査が必要でエルフの国に面識がありかつ正当な理由が必要です。なのでララエル様がお身をお張りになられて...!」

プセーマがそんな事知っていると言わんばかりに

勢いよく言葉をまくし立てた。

「でもそれじゃララエルは無事ですまないでしょ!

貴方も巻き添えになって殺される前に

本来の任務を遂行しちゃえばまだ2人とも苦しまずに死ぬ事にならないわ!」


二人とも息をはあはあと肩を上げ下げしている。

プセーマは傷ついたように顔を強張らせて俯いた。

そして小さく呟いた。

「僕もわかんないですよ。最善なんて」

「...なるようになるよ。私は知らないから」

セレーナがその言葉に息をつまらせて気まずくなったのか顔をこちらに向けた。あれ俺の方向だな。

テストから顔を出して様子を見ていた俺とセレーナの目があった。まずい。


「アロ...」



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