空間魔法
クソ赤髪が、世界を壊してくれと発言したのを最後に俺は考えるのを辞めていた。
俺を転生させ禁忌を犯した極悪人が、世界をぶち壊してくれといかにも悪党のようなセリフを吐いたからだ。このままじゃ俺悪役側じゃん。
「俺が閉じ込められてるこの別次元の世界を壊せって意味だよ。要はこの牢獄という名の1つの世界をお前に消してもらいたいんだ」
クソ赤髪が俺をビシリと指でさした。
相変わらず思考を勝手に読まれるのは不快である。
クソ赤髪がまた俺の思考を読んだのかニヤリと笑った。
それより、この空間って単なる異世界の牢屋じゃなくて存在が別次元の世界だったのか。安心したよ。
俺に向けられたクソ赤髪の白い人差し指を見ながら俺は考えた。
そもそも俺が1つの世界を壊せると思ってんのか?と。
「お前はいわゆるイレギュラーでこの世界に囚われない別の魂を持つ存在。
だからお前はこの牢獄に出入りできるし俺と意思疎通がとれる」
よってお前は、この空間魔法にとって大きな穴なんだ。そう奴は後の言葉を俺に述べた。
そして俺はイレギュラーと呼ばれて厨二心が疼いていた。ここにきてやっと主人公っぽくなってきたな。
「もちろんこの世には魔断という魔法自体を抹消する伝説級の術も存在するが、この空間魔法を創った奴より魔力が大きくないとダメなんだ」
おいおい待てよ!魔断ってララエルが使ってたやつだよな。伝説級って相当凄そうだけど。
俺の中の幼女ララエルちゃんが急に怖いイメージになったがこれはしまっておこう...。
「へえ、エルフかな?魔断を使える奴がまだいたなんてな。
それで、この空間魔法創った奴の心当たりなんだが
俺と互角...いやすまん。魔力はそれ以上だ。
要は世界トップクラスだから魔断は不可能ってわけ」
クソ赤髪の様子がとても悔しそうに見えたが
なんだよそれ。いったいどんな奴なんだよ。
俺そんな奴の魔法を壊したなんてバレたら絶対ダメなやつだよね。やっぱこの話は白紙に戻すか。
そう考えを改めると焦ったように奴が口を開いた。
「いや待て!お前には手伝って貰うだけで
実際にやるのは俺だから!な!」
いつの間にか目の前に移動してきたクソ赤髪に両肩を
手でぽんぽんと叩かれた。諭されているみたいで複雑である。
咄嗟にクソ赤髪の手を掴み俺の肩から離した。
だから具体的に何をすれば良いの俺は?
「お前には時空間魔法を使ってもらう。
ステータスとか見る機会なかったか?」
時空って俺たしか適性に書いてあったな。
時空間魔法でこの空間を壊せるって言いたいのか?
それならお前にもできるんじゃねえの?
「時空の適性は、別世界同士の次元を渡った事がある存在と、出生や遺伝にのみ依存するからな。」




