プセーマとララエル 2
プセーマさんの話を聞いて俺は心底悩んでいた。
何故なら思ったより深刻だったからだ。
プセーマさんが完全なる悪者だったら
俺が1発みぞおちを殴るで良いと思っていた。
うん。それより助けてくれ!と涙目で見つめてくるのだこの男は。俺はお人好しじゃないからな。
前方に歩いていたララエル達が振り向いて此方をみている。先に行ってくれと手を振っておいた。
長くなりそうだからな。
しかし本気でエルフの国の王に俺がどうこう出来ると思っているのか?!ユリウスを助けるためにもエルフの国に向かうのは必然だけどさ。
「ララエルちゃんに言ってみたら?
俺だけじゃどうすれば良いか分かんないし」
俺がそう告げるとプセーマさんは目を伏せた。
彼の眉がしかめられた。
「もし僕がずっとララエル様の命を狙っていただなんて知られたらララエル様はきっと僕を失望するに決まっています。ララエル様が初めてなんです。僕に人の暖かさを教えてくれたんです。そんなの...」
プセーマさんが焦ったように言い切った後歯を食いしばったのが見えた。
彼の鋭い魔力が俺の肌をくすぐった。
その様子を見て俺は少し怖くなった。この男はララエルにとてつもなく執着しているのだから。
しかし俺達はユリウスの為にエルフの国に向かわなければならない。
プセーマの話を聞く限り彼女は王家のエルフなのだろう。出会った時に人間には見えないという魔力回路を見れていた時点で察してはいたが。
エルフの国にララエルが王家のエルフとして
向かう時点で王には国内にララエルが生きたまま
戻ってきたと連絡が行くだろう。
先手攻撃も出来ないのだ。
対峙するならその時だろう。
「プセーマさんはどうしたいんだ?」
「僕は、ララエル様にずっと仕えていたいです。
それ以外何もいらないです。失うものがないですから」
プセーマさんの糸目が細く開かれた。
ハイライトがない。しかしどこか幸せそうである。
この男は世界とララエルならララエルを取るのだろうきっと。
しかし俺もとんでもない事に巻き込まれたもんだ。
ララエルの命が狙われているのは
王位を脅かす危険があるからだろうか?
だが俺にとってもララエルは気に入ってるし
ユリウスと知り合いらしいし、死なれたら困る。
いっそララエルをエルフの王にしてしまえば良いのでは?しかし何故ララエルはエルフを嫌っていたのだろうか。
考えば考える程問題がでてきて俺は考えるのを
後にした。
「とりあえずさララエルには
お前が刺客な事黙っとくよ。エルフの王については
考えとく。話してくれてありがとうな。夕飯食べに行こうぜ」
俺がそう告げるとプセーマは驚いた後に嬉しそうにした後、いつものポーカーフェイスに戻った。彼は出会った時と同じにこやかな笑みで応じたようだ。
怖いな二重人格かよ。
もはや俺が悪者になっかな。俺の仲間を殺そうとするなんてさ。第2の人生はそんな感じでも案外楽しそうだけど。
俺達はララエルとユリウスが待つ拠点に歩き出した。




