ステータス異常
ララエルが生み出されたステータスを見て
顔を歪めた。あ、やっぱりヤバいんすかね?
「お主、実験でも過去にされていたのか?」
ララエルが形の良い唇を開き俺に問う。
実験ですか?いや身に覚えはないな。そんなに
俺のステータスはイレギュラーなのか悪い意味で。
ララエルが指をさした。
指された箇所は、【魔力】【称号】【種族】である。
「情報改ざんは普通はありえぬ。魔力には己の全てが刻まれる。よって情報を弄るのは禁忌また不可能じゃ」
DNAみたいな感じか。
「そしてアロには称号がない。普通全ての生命は生まれ落ちた瞬間称号が神から与えられるものじゃ」
あれ。俺には称号見えるんだけど。
次元を渡る者と、始祖の加護...なんかかっこいいじゃん。俺の中坊の時に封じた厨二病魂が疼く。
「俺には称号見えるんだけど、じ」
「いや言わんで良い。他人に見えないという事は
魔力の持ち主、お主自身が制限をかけているのじゃ」
ララエルが言葉を遮った。
え?俺が?別に隠そうと思ってないんだけどな。
「別に制限とかかけてないんだけど」
「無意識下じゃ。
隠した方がアロに都合のいいモノなんじゃろう」
ララエルが少し悔しそうにしながら言葉を紡いだ。
こうゆう無意識下による隠蔽はたまにあるのだと
ララエルは説明した。本能が自分自身を守るためにするとかなんとか。難しいな。
だが俺は俺が大好きなので、俺が無意識下で
している事ならば正しいのだろう。うん。
「種族もじゃ!普通は【人間】とか【エルフ】とかになるものなんじゃが、アロは【美少女】っていう別単位の種族になっておるぞ」
なんじゃ種族美少女ってふざけているのか!とセリフを吐いてキレ気味にララエルが頭を抱えてぐるぐると、その場を歩き回っている。
美少女って女だよな?でも俺性別が、無ってなってるよね?解せぬ。
性別については最初に息子がまっさらになった時点で
察しがついていたのだが。
勝手に憶測するのならば、俺は男体で、意識も男だったのに転生でむりやり美少女って種族になったから混ざりあった...反発した...とか有り得る?
だがこの転生体もクソ赤髪の仕業だろうなうん。
理不尽すぎる。やっぱ腹立ってきたわ。
その時ララエルが水晶が吐き出した光を手で振り消し、水晶を手に掴んだ。
どうやら俺の戦闘力はだいたい把握した模様で
理不尽なステータスも半ば考えるのを辞めたようだ。
「...行くぞ」
俺はいつの間にかララエルに手をとられていた。
そのままララエルに手を引かれ個室を出る。
受付に戻ると受付のメガネお兄さんとまた出くわした。お疲れ様です とララエルがメガネお兄さんに言葉をかけられた後、ララエルがゴトリと水晶をカウンターに置いた。
ユリウスの元に戻ると、ララエルの部下が軽く会釈をしてきた。その時ララエルがピクリと片眉をあげて
ちらりと出口を見た。何かあったのか?
部下さんがユリウスを背負ったのを確認した後、俺らは冒険者商会を出た。
この間、ララエルは無言であった。
冒険者商会を出るとララエルの黒フードの部下達が数名荷物を背負って並んでいた。
部下達の前に黒いタキシードを着た黒髪の人間が立っている。こいつもララエルの配下だろうか。長い黒髪を後ろにまとめて結んでいる。髪がはらりと前に落ちて、こちらを向き綺麗なお辞儀をしてきた。
「ララエル様。エルフの国への旅のご準備を済ませました」
「プセーマか...助かる」
ララエルの表情がうかないように見えるのは
俺の気にしすぎだろうか。
プセーマと呼ばれた奴に目を向けると、目が合った。
そして綺麗な笑みを向けられた。
「ララエル様。我らも同行致します」




