#7 魔王 超越の存在 A
シークに召喚された守護精霊『ルカ』から、ナギの所有しているタレンター(鬼才)、クリエイションマジックには、最悪の欠点があると告げられる。
ー最悪の欠点とは一体ー。
「確かに、クリエイションマジック自体だったら普通に『拾』の強さに該当するよな。…じゃあ、なんで 漆 なんだ…?」
するとルカは後ろを指さして、
「勇者セトウチ君は、詳しいと思うよぉ〜?何せ、あたしよりも経験豊富だからね。」
「…なんで元魔王よりも勇者の方が経験豊富なんだ?」
どうやらルカは、魔王になって間もなく当時の勇者、『ラズ』に無差別に倒されてしまったらしい。
そして今の主であり実の妹、妹?!?!
ルカって、シークの姉だったのか?!?!
「ちょっとー、聞いてるー?」
ルカは不満げに話す。
「悪い、少し気が逸れてたな。」
「もー。じゃあ続けるね、この勇者セトウチ君が教えてくれるよー!」
そう言って後ろを指さすけど……
「僕の剣……が、これか…ら、何を頼りに…」
セトウチさん、駄目そう…
これで本当に勇者なのか?
「少々、申し訳なくなってきたかもです。」
シークはそう言うと、
「クリエイションマテリアル。スチール・マグノリア。」
すると、なにやら空中で物質の生成がまるでテトリスみたいに行われている。
シーク、何者だよ!!
シークは続けて、
「メイクマテリアル。ソード」
恐らくシークの頭の中にある設計図通りに剣が組み立てられている。
「妹に、追い抜かれた……」
ルカは絶望している。
「あぁ…!俺の剣…だ……!!シーク様!!」
セトウチは涙を流して喜んでいる。感動的…とはお世辞にも言えないな。
「それじゃあセトウチ。クリエマジックのこと、ナギ様に教えなさい。」
シークも少し根に持ってるのかな。セトウチに対して少し辛辣だな…
「あ、あぁ、取り乱したな。あぁと、ワンドリさんの件、本当にすまなかった。どうか。」
セトウチは礼儀正しく頭を下げる。そこはやっぱ日本人なんだな。でもワンドリを1回殺したからな…
「そうだな、クリエマジックの最大の弱点…まず、ナギは、この世界で一番強い、いや言い換えよう。この世界を支配しているのは誰だと思う?」
ふとセトウチは、そんなことを聞いてくる。
そんなの、魔王…じゃないのか?
「魔王……?」
「だと思うのも無理はないよな。だがあくまで魔王ってのは、 ”魔族の中での王” っていう認識であってほしい。」
「その上がいるのか……?!」
「ご名答。」
その衝撃の真実に戸惑っている暇もなく、セトウチはまた話し出す。
「魔王を超越した凶悪な存在。それは、」
「なになにー?アルファ眷族の話してんのー?うちだけ仲間はずれとかありえなくなーい…」
何者かが割って話してきた…が、寝てしまった。
「ごめんねー、お話の邪魔しちゃったかな?」
するとまた何者かが申し訳なさそうに声をかけてきた。
「えぇと、この人たちは……?」
僕は急に登場人物が増えたことにより、かなり混乱している。
するとシークは、
「こーら。お客様がいらしたのだから部屋でじっとしてなさいっていったよね?」
「ごめん、シーク。」
どうやら、寝てしまった子は『レヲン』といい、申し訳なさそうにしてた子は『ノア』と言うらしい。年齢は、2人とも僕と同じくらい…か?それにしても美男美女だな。
「後で紹介するから、部屋に戻っていなさい。」
「分かった。ごめんね。」
ノアはレヲンを引きずって部屋から出ていった。まるでお母さんだ…
「あ、あぁ、じゃあ続きを話すぞ。」
僕も覚悟を決める。
「アルファ眷族。この世に終焉をもたらす存在。アルファというのは、アルファベットから取られていて、AからZまで存在する……はず。」
「多すぎないか?!あまりにも?!…それに確証じゃないってことは、まだ足元も掴めてないってことか。恐ろしいにも程があるな。」
「それに…現段階で存在が確認されているのは、”W”、”Y”、”B”、”M” 。」
「こんなの放っておけないな…」
「そう簡単な話ではないぞ。そして、恐らく最も脅威である存在、”AX²”。彼らが恐れられいている理由は、呪いを使ってくること、再生速度が上位魔族であるヴァンパイアのおよそ250倍。」
僕は、この世界に言葉を失った。
…
…
…
「…チッ」
【*T/M眷属】小話
レヲンとノアは、小さい頃に転生してきて路頭に迷っていた所をワンドリが拾ってきて育ててくれたとか。2人はシークとワンドリのことが大好きだそう。
城には、他にも数人住んでいる人がいます。
故に、ナギと繋がりのある人がいるかも…?
話に応じての重要登場人物に『』を付けます。
素直に ”良い” ”悪い” と思ったら是非、ポイントや感想、アドバイス等してくれるとより成長できると思います!
それではまた次回。 【* T/M眷属】