表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
*転生先が魔王城な眷属さん 【*T/M眷属】  作者: 白珠シロ
第弐章*夢ノ牢獄・転生²編
21/23

#21 悪夢を見ていた p

この事象の元凶であるD(ドゥリマー)を倒せていないのに、僕の仲間は目を覚ましたんだ。


そして不運な事に、僕らの二乗転生してしまった現状、これはかなりまずい状況らしく…


ナギらは城の中で、休憩かつ戦略を練り始める。

「ナギさん、澪さん、お疲れ様です。どぞ。」


ノアは僕らにココアを差し出してくる。今の僕らを労わってくれているのだろう。向こうでだって大変だったのに、気を遣わせてしまって本当に申し訳ない。


「ナギ氏と澪氏に。」


今度はニハルが、いつかの新聞的なものを見開いて差し出して来た。新聞の割には…紙の質が良すぎるな…って、そんな事考えている場合じゃない。ってか、この新聞どこの文字で書かれてるんだ?…日本語や英語、ましてやアラビア語なんかが混ざったりしていて、よく分からない。けど、何故か読めるんだ。


《ナギ君、私読めないんだけど。…ここの話はナギ君に全部って訳じゃないけど、任せていいかな。》


《任せて!》


そして身体の主導権が入れ替わる

《ナギ>澪》


◇ ◇ ◇


「…歴史上二度目の不束二乗転生……?」


「そうです。楽に聞いてもらっても宜しいのですが、実は過去にも二乗転生と言う実例はあったのです。」


「っいやいや、楽に聞ける訳ないだろっ!滅茶苦茶に重要な事だぞ……」


僕はついツッコミを入れてしまった。

状況が混乱している中で、どうにも黙っていられなく反射的に口を出してしまうんだ。

しかし、どんなに必死に取り繕っても相手のペースに巻き込まれてしまう自分がいる。


「それは…新聞見て分かるけどさ、不束って…」


「新聞……と言うものを見たのか知りませんが、不束と言うのはですね、融合が上手くいかずに従来の形から大きく変形してしまったという事例です。」


「原型が保てなかったのか…となると、僕らもそうなっていた可能性はあったんだよな?」


「はい。本当に運が良かったとしか。」


僕も少しおかしいと思っている部分はあったんだ。例えば、手とか……妙に小さいなって。


《それはぁ…私の手が受け継がれたんじゃない?所々どちらかの特徴が入り交じってるのよ。》


澪は若干恥ずかしそうな口調でそう言う。


……ゴメンナサイ。


「てことは、こんなにも完璧に近い融合は実質 ”初” ってことか……しかも身体の主導権まで入れ替えることが出来るし。」


「故に、このことが公にでもなってしまったら、”転生者狩り”がどう動くかなんて計り知れませんよ。」


ニハルはさっきに増して深刻そうな顔をする。

彼らには迷惑ばかりかけてしまっている。僕がこの屋敷に来たせいで、ルカやノア、レヲンやニハルにも計り知れない程の苦労をさせてしまった。それなのに僕はこんな事態を招いてまた苦労させて………


……もうこれ以上迷惑ばかりかけていられない。


「えっと…ナギ氏?転生者狩りというのはすなわち、」

「僕達は、此処を去ることにするよ。」


ニハルが話し始めた刹那、僕はそう言って―


《……!》


「もうこれ以上、皆に迷惑はかけたくないから。何故夢牢獄から出れたのか、Dの処遇だったりの事件の解決は出来なかったけど……」


「ナギ君…?急にどうしたのさ。ナギ君?顔色が尋常な程に悪いけど……」


ルカは心配そうにこちらの顔を伺ってくれた。

そんな顔しないでくれ。こちらまで申し訳なくなってくる。


《……っ!!》

……

《…ギ君!!》

……

……

《ナギ君!!!》


……急に耳に音が入ってきた。ここ数分の情報を、たった今理解した。何だ?この感覚。気味が悪い。


《ナギ君……やっぱり、全部一人で解決しようとして。一人で全て背負って。ストレスの限界が来てしまったのよ。ごめんなさい……私も結局口だけで、何も出来てなかった。ナギ君のこと、一つも助けてあげてなかった。このままだとナギ君の行動が裏目に出てしまうから、私に任せて暫く……休んで。》


そして澪は、ナギと体の主導権を入れ替え、ナギの思考やタレンターを無理矢理途絶させた。


「僕は、皆に無理させたくな────


◆ ◆ ◆

《澪≫ナギ》

◇ ◇ ◇


「澪氏…?ナギ氏は……」


「……精神的にも限界だったみたい。だから少しの間は、ナギ君の思考も停止させたわ。」


するとルカは見開いて、

「いやいや、澪ちゃんも平然ととんでもないこと言ってるからね?!」


◇ ◇ ◇


「それじゃあ、今度はあたし達のことについて話すね。」


小さなテーブルを挟んで、私とルカ、そしてニハルの三人で情報交換を始めた。ノアとレヲンはと言うと、ベッドの上で二人して寝ていた。二人の寝顔は、いくら大きな疲れでも一瞬で癒してくれるような、そんな可愛さ、愛おしさだ。


「多分これは、ナギ君が一番知りたかった事だろうから後で教えてあげてね。」


◆ ◆ ◆


ナギ君が殺されて、消滅していってる姿を見て、あたし達は呆然としてしまった。


「ナギ………君…?」


何も、夢の中で死ぬと、現実世界での意識も消え二度と起きれなくなると言う、言い伝えがあったからなの。


レヲンや、ノアちゃんは特に引きつった顔で涙も流す余裕のない程に落ち込んでいたんだ。


「ノア氏、…空気が読めなくて本当にすまないが、Dの現在を教えてくれ。」


「……うん。」


するとノアは、両手の親指、人差し指で四角形を作りその中に監視の刻印を刻んだDの現在地が投影される。

……

……

……

「…あたし達が映ってる……何で………?」


そこには、動揺しているルカ達の姿が映っていたのだ。


「この付近にいるという事だ…警戒しろ。」


しかし、ノアの監視下に置いたDの様子は、何か変だったの。まるで、仲間の誰かの視界を乗っ取っているような……


◇ ◇ ◇


「………この中にいるってことなの……?」


私は急に背筋が凍った。…そもそも、仲間の誰かが乗っ取られているなら、何で皆警戒してないのよ…今。


刹那私は、とてつもない悪夢を知ることになる。


『自分からぁ手の内を明かすんはぁあ、かなり命知らずな行為だがぁな。人間ってぇ馬鹿だよなぁあ!簡単にぃ人を信用しちまうんは食物連鎖の底辺のぉ証だぜぇえ。』


ナギ君の仲間だと思った人達は、形相を変えて私を取り囲んできたんだ。


「D………?」


『聞かなくてもぉ何回も会ってりゃあ分かるだろぉ?』


仲間の化けの皮を被っていたDは皆、私の知っている醜い姿に変貌して、一人ずつ順番に喋る。


『『『『早くこの退屈をぶっ壊してくれよぉお…』』』』


そして、Dは痺れを切らした。

この時まで、私は何を言っているのか全く理解出来なかった。


『こんばんは、頭の悪い二乗転生者さん。』


気づいたら目の前に、ナギ君が立っていたんだ。何でナギ君が立ってるの?幻覚……?


「、ナギ君………?」


『あぁそうかい。君にはナギ君って子が見えるのか…!……どうしたんだい?…あぁ、俺の人形が君に迷惑をかけてしまったかな?彼らの無礼、僕が代わりに謝罪するよ。すまない。』


「…お前、何者だ。」


私が鋭い眼差しでそう訊くとその男は、


『だーかーら。君がその”ナギ君”って子に見えてるんなら、ナギ君じゃないの??君が意識しているからそう見えているだけだよね?あと君、本格的に頭が悪いの??外見てみて、あそこにいる人達は誰?ナギ君って子の仲間じゃないの??』


まるで当然かのように話してくる。


『あぁそれとも、君が言いたいのはこいつら(ドゥリマー)のこと?だったら最初からそう言ってくれない?…こいつらは俺の眷属(・・)だよ。まぁ、操り人形って言った方が通りが良いかもね。』


そしてナギの姿をした男は万遍の笑みを浮かべて───


『どうだい?俺の悪夢、存分に楽しんでくれたかなぁあ?』

【*T/M眷属】小話

ナギのように見えたこの男。彼には実は見た目が無く、その人各々の見たい姿で捉えられるというのが見た目の特徴らしい。そのせいで、躊躇して殺されてしまった人もいるとか。そして彼の最大の特徴。それは───



D(ドゥリマー)を操るということ。




話に応じての重要登場人物に『』を付けます。


素直に ”良い” ”悪い” と思ったら是非、この作品に評価をお願いします!


それではまた次回。 【* T/M眷属】

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ