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*転生先が魔王城な眷属さん 【*T/M眷属】  作者: 白珠シロ
第弐章*夢ノ牢獄・転生²編
19/23

#19 眷属の片翼 s

D(ドゥリマー)との体力勝負になってきた今、少し押されつつもナギと澪は身体の主導権を入れ替えて何とか保っていた。


だが、Dが無限に復活するという事象の謎が解き明かされる時が来たんだ。



ナギ達はどう受け止めるのか-。

《スリープリズンは聞いた事あるけど、ナイトメアプリズンなんて聞いた事無いぞ?しかもαって……》


「ナギ君の過去二日の話を聞く限り、スリープリズンより重い呪いって推測出来るわね。ッそれってもしかして!!」


《……シークやワンドリが監禁されている場所か……?!》


澪らがそう言っている間にも、Dの呪いの術式は徐々に完成に近づいている。


『おぃおぃ、ずっとぉおそこに突っ立ってるだけじゃあぁ直ぐに食物連鎖の頂点に殺されちまうぜぇ?』


「ねぇ、なんであなたはわざわざ私達を殺そうとするの?何かあなたにとって得でもあるの?」


するとDは私のことを凝視して、


『何かァ姿変わったかぁあ?ストレスでぇえ耐えきれなくなったんかぁあ??あぁ得も何もぉ、眷属増やしてるだけだぜぇ?っていってもぉ俺の替え玉だけどなぁあ?』


《澪、α眷属は聞いての通りA()からZ()の二十六匹存在するはずなんだ。だからそう軽くは増やせない。生き物を殺して自分か死んだ時の替え玉を作っているんじゃないかな。》


「ナギ君、……この数分で凄く変わったわね……。」


《若干引いてないか、澪。》


「いや、そんなことは…っキャ!!!!!」


刹那完成した術式が澪に向かって放たれた。

もう手遅れの距離に真黒の呪い。


《……っ?!…ボディアビリティ・ライズ!!》


そして私達の身体は、音速の速さで()()を回避し、一気にDの背後まで上り詰めた。


「ナギ君今の何?!」


《身体能力を一時的に向上させてみたんだ!αマジックじゃなかったからあまり速さは出なかったんだけど……!》


「いや、今ので十分過ぎるわよ!!っナギ君また来るよ!!」


《分かってるから!!!》


そして私達の身体はもう一度音速で移動するのだが、


私の制御が甘く、Dの呪いにかすってしまった。

同時に、左腕がピクリとも動かなくなってしまった。


《まずい!全体に広がるぞ!!!》


僕は今、澪に身体の主導権を渡してるから感覚は澪しか無い。でもこのままだと恐らく澪だけ気絶して僕は意識があるのに身体が動かないままになってしまう。


《澪、ごめん今から物凄い鬼畜なことするよ!》


「え、…何…?!…呪いを回避出来るならお願い!あんまり痛くしないでね!!」


《ごめんそれは無理そうだっ!!》


「ッえっ?!?!」


《アイスファングッ!!》


そして僕はクリエマジックの方で”氷の牙”を現出させ、向きを変え左腕に刺した。


「ちょっ…ッ痛!!!!」


時間経過と共に出血量が多くなってきたが、今はそんなこと気にしている暇は無い。


《体内の細胞を凍らせて呪いの進行を遅らせる。そして澪!やっぱり身体の主導権僕に渡して!!》


「刺した本人が私の心配しないでよ!!それに私、ここからは任せてって言ったよね?もっと信じてもらっていいからっ!!」


っていっても、今のところ澪は呪いを回避しているだけで魔法の一つだって習得していないから正直心配。


《ごめん澪、やっぱり心配だからαマジック使わせてもらうよ!消費が激しいから注意してくれ!!》


『あぁあぁ!!!小賢しい動きをするなぁあ!!本当に虫唾が走る奴らだなぁあ食物連鎖の底辺のくせにぃい!!てめぇらなんぞ眷属にする価値もねぇってもんだぁあ!!』

『ナイトメアプリズンッぁ!!!』

『ファーリングナイトメアッぁああ!!!』

……!ッ…

………ッ!

…………ッ…

ッぁああ!!!


release(リリース) of(オブ) family(眷属)ァ”ァ”ア”!!』


Dはとち狂った様に叫んだ後、僕らを夢堕ちさせようとしてきて、


自身の眷属を全て放出した-。


それは気味が悪いものだ。血が飛び散り、生き物が黒い何かで繋がって、それが翼のように開くんだ。


「うぅあぁ……ナギ君あれぇ……………!!」


《キモイキモイ………!!澪後ろを向くな!!》


「そんなこと言われっ……ッて!!」


《ブレイブファントム・マジョリティ!!》


僕も澪に任せたとはいえ心配すぎるので、ほぼ全魔力を使ってDに対抗する。


そして目の前には、少なくとも千人はいるであろう勇者の幻影が並んでいる。迫力が凄過ぎて言葉が出てこない。


「ちょ、ナギ君出しすぎじゃあ…ってそもそも!何で瞬間的にその単語が出てくるの?!」


《小説だよっ!僕も読み漁っていたからねっ!!…っちょ澪動け!》


Dは勇者を掻い潜り僕らの元へ到達した。

だが僕らは、あいにく君より速くてねっ!!


幻影は、Dからボトボトと落ちてきた眷属と戦っていて、こちらの援助を出来る数は少ない。


『綺麗だったぁはずの城もぉ、今になっちゃァこんなに血で汚れてらぁあ。申し訳なく思わねぇのかぁあ???』


「こっちの台詞よ!あんただって、命をなんだと思ってるの??」


《澪、カッとなっている暇は無い。今、残りの魔力で澪の”とっておき”を出してみてくれ!!》


「え…それってどうゆう……。っあ!」


澪は自信満々の笑みを浮かべて魔法を唱える!


「《release of family…………アゲイン!!! 》」


刹那、Dの眷属は縮小した後、消滅した。


『能無しがぁああ!!頭にゴミしか詰まってねぇのかぁあ?!どいつもこいつも同じ魔法使いやがってぇええぁああ!!!』


Dは、いよいよ自分の無力さに気づいたのかその場でぐるぐるの眼を見開いて何も出来ずに嘆いていた。


澪がパチンと指を鳴らすとDの眷属だったはずの生き物たちが、彼の方へと飛びかかっていく。


『クソがぁあクソがぁああ!!所詮食物連鎖の底辺がぁあ!!口でしか物を表現出来ない愚かな生き物がぁあ眷属にしてやってもそれかよぉおぁああ!!!!』


《澪、少し入れ替わって。》


僕らは身体の主導権を入れ替える。

《ナギ>澪》


「食物連鎖の底辺はお前だよ、D。口でしか物を言えない?口でさえ言えない奴に言われたく無いね。お前はどうせまた復活するんだろうけど、もうお前は眷属がいないからα眷属を名乗れない。いいや、名乗るな。今回は僕らの絆の勝利だね。…………って、もう聞こえないか。」




その時、僕は見えてしまった。




Dが溶けて崩れていく最中、Dの身につけていたペンダント…?的な何かが落ちたんだけど、それを神速で回収する何か(・・)……身体能力増強をつけていなかったら見えなかった。…………だからか、あいつのデータはあのペンダントかよ……。しくじった。もう手遅れだ。




だけど、



ルカ、ノア、レヲン、ニハル……

彼女らが起きたんだ。



そして同様、彼女らも唖然としていた。

面倒くさい事だって起きた。ノアが、


「あそこにいる美女、っα眷属?!」


と指を指す。恐らく僕らの事だろう。何とか誤解を解かなければ……

と、考えている間に-


「おぉ、っと危ない!!ナギだよっ!!」


◇ ◇ ◇

【*T/M眷属】小話

魔法はどうやって放たれているか、ご存知ですか?実はこの異世界、地球とは空気の創りが違うもので、意志の籠る魔法を暗唱すると、単語の発音や響きを空気の中にある『クライス』という音を拾って変換する物質に乗せて発現しています。



話に応じての重要登場人物に『』を付けます。


素直に ”良い” ”悪い” と思ったら是非、この作品に評価をお願いします!


※2025年2月末までは投稿頻度が少なめです。


それではまた次回。 【* T/M眷属】

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