#18 ビリーブ・イン・覚悟 i
-倒しても、倒しても、原因を対処しない限り幾度でも姿を現す ”悪夢”。
だが、ナギらはもしかしたらと鬼才を活用した案を実行する。
そうして気がついてしまったんだ。
ナギにはとある素質があることを-
黒い勇者の幻影は勇者セトウチの動き、いや、僕のイメージ通りに操作されている。そして、Dに刃向かって行くのだが、
『馬鹿の一つ覚えみたいにぃい、タレンター使ってんじゃねぇよぉお!努力して成り上がった訳でもねぇってのにぃい!』
Dは勇者の幻影を手刀でストンと切り刻む。
だが僕のαマジックの幻影、まあ言うならば-
僕のαマジック眷属だって、そこまで劣っていないと言うこと。
「確かに僕は転生してきて間もなく、前世でもお前が思うような努力はしていないかもしれない。だけどな、お前は一つ勘違いしている。全員が全員、お前が理想とする努力をしてきた訳じゃない。それぞれ、努力の形が異なるんだ。知ってるか?”十人十色”って言葉。みんな違ってみんな最高なんだ。だから僕は、そんな人たちを侮辱する、傷つけるお前を許さない。逃がさない。地獄に叩き落とす。」
僕は幻影を操りながらそう言ってやったんだ。だけどDは更に気に食わない様子で-
『十人十色だぁあ??屁理屈ばっか抜かしてんじゃねぇえ!!そもそもぉお、そんな概念誰が決めたァ?てめぇらの残念な理想妄想から生まれたゴミじゃねぇかよぉお!』
そしてDは更に勢いが増し、正直幻影だけでは辛くなってきた。
勇者、必殺って出せるか?
刹那、幻影は緊張のある構えをした。すごい、ここまでの鬼才だったとは。
そして幻影は、大きく腕を上げ振りかざすのだが-
シュンン………
………
………
まずい、……ダサすぎる。
使い慣れて無いからなのか、ほんの少しの波動が広がる、…いや広がりもしない。
手で叩いた方がよっぽど強いぞ……
『ほらなぁあ???ロクな屁理屈ばっかりでぇえ、結局何も出来ねぇじゃねぇかぁあ!何が”努力”だぇえ?』
「一つの努力が、必ずしも決まった結果を招くと思うなよ?」
《ナギくん、幻影に私のタレンターって付与出来る?》
「それってどんな?」
《魔法を跳ね返す…んだけどね、絶対それだけじゃ無いと思うの……私。》
って言っても、今僕らの周りにこの世界の知識がある人は一人もいない。
「たとえ魔法を跳ね返したところで、Dを跡形もなく切り刻んだ所で、原因が分からない限り対処のしようが無いんだ。澪も気づいただろ?取り敢えずその場しのぎで幻影に戦わせているけど……今戦闘を止めたらどうなるか、分かりきってる。」
《それは分かっているわよ。私だってナギ君みたいに馬鹿じゃない。》
Dを目の前に、やるせない空気が走る。
……
……
……
《……ナギ君、ごめんね。私、ナギ君をつらい目ばっかり合わせてる…ナギ君が最初死んじゃったのだって……私を思ってのことでしょ……?ナギ君、…協力は大切だって言うけど、君も私を頼ってみてよ。…そんなに誰かを頼るのが怖い…?》
…………ドンピシャなんだよ。
◇ ◇ ◇
僕は…人を頼ること、そもそも人を信じることが苦手だったんだ。
元々僕は、一人で何か考えること、ましてやそれを実行するって言う行為自体がこの上なく苦手だった。
だから僕は ”人に聞くこと” 、教えてもらうことを大切にしていた。だけど僕が人に聞くことは、本当にこんなことも分からないのか?ってレベルのもので。
そんな僕のことを周りは、
「それくらい、自分で考えたらどう?」
「その程度も分からないのか。」
「期待はずれ。」
「誰でも分かるようなこと聞くな。」
「冷やかしてんのか?」
……
……
……
…………皆そう言うから、今度は自分でよーーく考えてみることを意識してみた。
すると今度は出来ないことが増えてしまって、
「出来ないことは人に聞けよ。」
「何で頼ろうとしないの?」
「本当に何も出来ないんだな。」
◇
◇
『………結局何も出来ねぇじゃねぇかぁあ!』
◇
◇
「………そんなに誰かを頼るのが怖い…?」
-そう、人を頼り信じるのは怖い。だって、それはこの上なく ”理不尽” なものだから。
◇ ◇ ◇
《…っ!ナギくん!!》
「あ、あぁ、ごめん。」
《私を頼って。君が思うより少しは出来ると思うから。》
でも……澪からは不思議と、絶対的信頼が伺えるんだ。だから僕は取り敢えず、澪だけを信じてみようと、人を信頼するきっかけになればいいと思ったんだ。
僕って、こんなに弱かったんだな。
「強がっててごめん。ありがとう、澪。」
◆ ◆ ◆
そして身体がの主導権は交代する。
《澪>ナギ》
◆ ◆ ◆
「ここからは、私が何とかするからね。ナギ君。」
《澪……しゃま!》
僕はあまりの感動に噛んでしまったんだ。
すると澪は微笑み、って言うか微笑んでいるのは僕でもあるけど、
「ナギ君、見直しちゃった!」
そうあざとく言ったんだ!
『何独り言ォ呟いてんだぁあ?やはりぃ低知能はイマジナリーフレンドとかぁいるってのァ本当みてぇだなぁあ!』
「あなた、……本当に幸せ者ね。」
『幸せ者ぉお??なぁ知ってるかぁ?人に幸せそうって言うんはぁあ一番の皮肉なんだぜぇ?』
「えぇ、そのつもりで言ったもの。」
『α nightmare prison』
私の話を聞く間でもなくDは魔法を打ってきた。
恐らく彼奴史上一番のがくる。
「さて、どう対処するか……?」
《対処法については、まずは僕の話を聞いてくれ。》
【*T/M眷属】同時近況〜
「ねぇルカ、Dの逃げた足跡追跡してもさぁここで終わりだよ…?」
ノアは一生懸命になって探している。
因みに僕の亡骸はと言うと……
◇ ◇ ◇
「待ってくれよ…な、消失していってる……」
ニハルは動揺してそう言うが、まぁ無理もない。
僕の体は溶けて消失していたんだ。
話に応じての重要登場人物に『』を付けます。
素直に ”良い” ”悪い” と思ったら是非、この作品に評価をお願いします!
それではまた次回。 【* T/M眷属】




