#15 カタストロフィ i
澪は二度目の死を迎える前、何があったのかを話してくれた。
恐らく何らかしらのタレンターの付与に…
ナギと同じく Dと名乗る謎のα眷属…
そして、…βアナイアレイションと言う組織の一人に、あっさり倒されてしまった。ナギの時とは相反に。
しかし、その救世主も流石に気づくんだ。
”α相手にこんなあっさり終わる訳は無い” と。
「こ、…殺した……の…?」
私は本当に殺してしまって良かったのかという心配と、急に出来事が起こりすぎて動揺していた。
「あぁ、…殺したはず、だが…何かおかしい。もう少し下がっていてくれ。」
βの人はまだ肩の荷が降りずにいる。私は心配で心配で仕方が無かったので、周りの人に少し話を聞く事にした。
「あぁ、ええと、…澪様……。せっかくこの地に舞い降りて下さったのに、こんな酷い目に遭わせてしまって、誠に申し訳…」
「だから違うんだって!!!!」
私は、私を神として見ている民衆に対する理解の浅さや、それを信じたりする純粋な人達に苛立ちを感じ、それが限界を迎え大声を出してしまった。
私が大声を出したら、…まぁ周りの視線は私に集中する。
「…あ、えっと、話しかけておいてごめんなさい……でも、私は本当に神様なんかでは無いんです。信じてくれますか…?」
私がそう訴えかけると、一人の男が出てきて
「信じるも何も、空から降ってきた件に関してはどう弁解を…」
私は言っていいのか迷う。言ったらこれからもっと大変な事が起きそうな気がする。
…でも私は、覚悟を決めて話す。
…
……
………っ!
「………私は、転生者なんです!転生先が、偶然空ってだけの話なんです!!」
よし、言えた。言えたよ。これで、もう面倒な出来事に遭遇するのは御免だ!
と、安心したのも束の間。私にとっては最悪の、予想外な言葉が返ってきた。
「じゃあ、神様じゃないか!!」
「転生者様は神様なんですよ!」
「生きている内に転生者に会えるなんて!!」
「これもやはり神様の巡り合わせなのかな。」
「僕にもその着地のやつ教えてー!」
「ちょ、駄目よ!転生者様に失礼よ!」
何で、こんなにも私は幸運とはかけ離されているの…呆れたよ。この世の中に。
「……………もういいわ、宿に案内して。」
きっと、あのβの人も苦労しているんだろうな。
「βアナイ…だっけ、その人も休ませてあげて。」
『お任せ下さいなぁ!澪様の為にぃい!!あっでもぉ、βの者はもう大丈夫ですよぉ??』
なんだ、もう彼は大丈夫だったのか、心配しすぎた……………ッッ?!?!
『何ですかぁ?俺が復活しているのにぃ、そんな驚く必要ないでしょうぅ?あぁ、それとも心配しているのは彼の事ですかなぁあ?』
そうして復活したDは、バラバラにちぎれたβアナイの人を吐き出す。
「ヒィッッッ!!!ぇ、え、……あっ、………」
私は恐怖で上手く声が出せなかったんだ。そして、再びDは最悪の事態を招こうとしている
-民衆をも皆殺しにしようと。
『何故怖がるのですかぁ?俺はぁ……食物連鎖というものをてめぇら方に教えてあげようとぉ……してたんですがぁあ?なのにぃ、教育してやってんのにぃ……そんな態度を取られてはぁやり甲斐を感じないんだけどなぁあ。』
「あ、あなた…が教えることじゃ、無いでしょ。」
私は恐怖を押し殺しながらDに反論する。言っても、意味あるのかは分からない……
『何だぁあ?てめぇ、さっきの事と言えぇ、振る舞いに虫唾が走るんだよぉあ。何っだよそのタレンタァア、気持ち悪いんだよなぁあ。此奴みてぇになりてぇかぁあ?』
Dはそう言って私の救世主の亡骸を指す。
「……勝手に話を進めないで。そこまで言って、…無いわよね。」
『話が通じねぇ奴はなぁあ、………死ねや。』
とてつもなく恐怖を感じさせる声でそう言うと、Dは指で自分の腕を撃つ振りをする。
『バァン。』
私は、こいつの行動に困惑していた刹那―
―私の腕が吹き飛んだんだ。
…
……
………
『ぁあ……ぃあアたぃ……………あぁあ………』
直後アドレナリンが大量に放出され痛くはなかったが、時間経過と共にジワジワと鋭い痛みが私を襲う。
『食べられてしまう動物もぉ、そんな気持ちなんですぅう!!!分かりましたかぁ?いいねぇえ勉強になりましたねぇえ!!!』
痛みに耐えながら私は此奴を生きて返す訳にはいかないと、切に思った。
許せない。
命の恩人を殺した。
呪いたい。
自分の手で葬りたい。
―此奴を、殺したい。
そう強く思った刹那、私は目から大量に出血したんだ。
【*T/M眷属】小話
澪は空からこの地に舞い降りたとされていますが、何故落下しても死ななかったのでしょうか。
それは、転生してきてから少しの間、転生者には ”バフ” がかかるからなのです。まぁ言ってみれば、澪はあの間は無敵だった訳です。
でも、現実ではそう都合のいいことは起きません。絶対に、高所から飛び降りないように!
話に応じての重要登場人物に『』を付けます。
素直に ”良い” ”悪い” と思ったら是非、この作品に評価をお願いします!
それではまた次回。 【* T/M眷属】




