#14 正義と悪の真中 r
夢牢獄の中で、またしても襲撃されたナギ達。
その中でも特にナギは 深い傷を負い、夢の中とは言え二度目の”死”を経験することになった。
「夢の中で死んだら、もう起きることはない。」
そう言われていたが、ナギは何かが聞こえて、何故か夢から醒めてもの復帰を果たす。
-仲間たちを助けるべく起こった 予想外すぎる出来事とは―。
◑ ◑ ◑
「だから、信じてくれ!!この華奢な人物は僕だ!……そして、それは君でもあるんだ!!」
ナギは訴えかけるように澪にそう話す。流石に信じられないのも無理は無いけどな。
「…っだ、だとしたら!…………転生先が被ったって……こと?」
澪はかなり動揺している様子だった。自分と肉体が同じだから、具体的にどう、とかまでは分からない。
「お、…落ち着け、一旦。取り敢えず、澪にも事情があるのだろう。そして僕にも同じく、事情がある。まずはそれをお互いに話そうか。」
僕と澪はその場に座り込んで、それぞれ肉体の主導権を交代しながら話す。
ていうか、凄い事に気づいた。僕がこの体の主導権を持つと、肉体はナギよりに…つまり若干男らしくなる。そして澪が主導権を持つと、肉体は澪よりに…さらに華奢な姿になる。
「凪君聞いてる?」
「えっと、…その、やめないか?」
「何を?」
「これだよ。自分が話す度に主導権を変えるの。疲れるんだよね。」
「そうね。気をつける。」
《じゃあ、凪君から聞かせて。》
◆ ◆ ◆
「……って訳。」
《波乱過ぎたね……この二日間きりなのに…。》
「まぁでも、理解者が増えて僕は嬉しいよ。ありがとね。」
《君は死を二回経験している。そして、それは私も同じこと。お互いに理解し合えないと流石に苦しいからね。》
「澪……お兄さん感激だなぁ。」
《あまり調子に乗らないで。》
そして澪は、この転生してからの二日間にあった出来事を語り始めた。……過去の情景を共有出来るのはありがたいな。
◆ ◆ ◆
「っ…ここは。」
転生…には、成功したのだろう。微かに雲が浮かんでいる、青い空。右を見ても、左を見ても、下をみても。
あれ、これ……落ちてない?
心臓が浮く感覚がする。息がしずらいし目がすぐ乾燥してしまう。
まずい……街が見えてきた。このままだとまた死んでしまう。
叶わないとは分かっていても私は、僅かな希望を見出し、神に命乞いをする。
こんなことするよりもっと助かる方法があったかもしれないのに……でももう遅いね。地面は目の前に。
刹那、私は………………着地をした。
「え、えぇ……し、死なないの……?」
死ななかったことは良いが、私は絶対に死ぬと思ってたからかなり動揺している。
地面は私が着地した時の衝撃で、軽く地割れしていた。同時に私は、やってしまったとも思った。
すると、私の周りには人が次々と集まってくる。
「ご、…ごめんなさい!!!本当にごめんなさい!!!」
私は全身誠意を込めて謝罪をする。
すると、予想外すぎることが起きたんだ。
「かっ……神様が地上に降りてきたぞーー!!!」
その誰かの一言で、周りは大きな歓声をあげる。えっ…ちょ、困るって…。そんなつもりじゃ無いのに…。
「あ、あの!!誤解です!!」
「神様、貴方様の御名前…聞いてもよろしいでしょうか。」
あぁダメだ。この人たち話が通じない。もう…いっその事神として崇められるか……?
「琴音 澪……です。」
「っ!!御名前を二つもお持ちなのですか!!」
「このお方は只者では無い…」
―民衆は意味の分からない解釈をし、それを信じ始める者も増えていき―。
「だ、だから、何かの間違っ………!?」
突如私は口元を手で塞がれた。力が…っ強くて、振り向けない……っ
『おやおやぁ、なんの騒ぎかと思って来てみたらぁ、…貴方、ズバ抜けた鬼才をお持ちのようですねぇ!ねぇ、なんって名前のタレンターですかぁあ?』
「……!!………!!…………””!!」
私はあまりにも突然の出来事に狼狽えていると、上から 吊り目で眼球にはグルグルとした模様が特徴の男が覗いてきた。
『おぃ、なんてタレンターだぁ?』
私は恐怖心で心が満ちていた。何ひとつ抵抗すら出来ない。けどそんな時。
「口元を塞いでいるんだ。話せる訳が無いだろう。そんなの幼稚だって分かる事だ。嬢ちゃん、そいつは恐らくα眷属だ。目を見れば分かる。今助けるからじっとしてな。」
救世主が現れたんだ。でも…α眷属…って言うのはよく分からない…。
『まだ名乗ってもないのにそうやって今までの経験から物を言うのは馬鹿のする所業だぇえ。………よく見たらぁお前その制服、βアナイだろぁ?』
「あぁそうだ。でも今はどうでもいい。名乗れ。」
『名乗れなんて命令されて素直に応じる馬鹿がいるかぁ?まぁ俺は馬鹿だからなぁ。Dだ。覚えたかぁ?Dだぁ!頭に叩き込んでおけよぉ?てめぇが聞いたんだからよぉ。』
「…パージ・D」
刹那、Dの体が何かの圧力により捻り潰され血飛沫が雨のように降ってくる。
「もう、誰にも名前を覚えてもらう必要は無い。」
……
………
…………
α相手に、こんなにあっさり終わる訳は無いんだ―。
※メインキャラの「」は主導権を持っている方でで、《》は主導権を取られている方です。
【*T/M眷属】小話
βアナイ 正式名称 βアナイアレイションとは、α眷属に対抗すべく結成された殲滅部隊です。
話に応じての重要登場人物に『』を付けます。
素直に ”良い” ”悪い” と思ったら是非、この作品に評価をお願いします!
それではまた次回。 【* T/M眷属】




