番外編*広瀬達哉という男2
時・平日午後
場・公園→カフェ
◆
(公園・ベンチ)
広瀬「なあラッキー、僕は君が人間になったらとてもキュートなレディになると思うんだ。どうだい?」
黒猫「人間?興味あるわ!王子様の力でなれるのならぜひ。二足歩行してみたいわ!」
広「力ではなく薬なんだが…まあ決まりだ。君は涼真君のカフェの前で待っていてくれ。僕は君に似合いそうな服を買ってくるよ」
(公園・砂場)
ナナミ「ママぁ、あのイケメンの人ニャンコとお話してる。スゴいね!いいなあ」
なっちゃんママ「しーーっ!見ちゃダメっ!知らんぷりよ!?」
*
(カフェ内)
涼真「それでそのお披露目にウチへ来たんですか?」
広「公園でレディを裸にしては哀れだろう?」
涼「間違いなく犯罪です」
清水「ラッキーさんの準備はどうですかね?奥から出てきてくれませんが」
広「薬は効いてるはずなんだが」
黒猫「いやあああっ!王子様の意地悪っ!」
涼「どうしたんだろ、あ、出てき……ん?」
犬「ぱう!?ぱっぱっ、ぱぱっ、ぱぱぱぱ、ぱうぅぅ」(混乱中)
清「おや黒髪の綺麗な女性ですね。全裸なのは涼真君とゴジラさんには刺激が強すぎましたかね?」
広「え?誰?ラッキー?」
黒猫「酷いわ王子様!こんな小さなヒラヒラ衣装なんて入らないわ!」
広「だって君は3歳というから子供用のお姫様ドレスをと」
清「猫の3歳は人間に換算すると28歳。立派な成人ですよ」
広「そうなの?すまないラッキー。僕はてっきり君は子供だとばかり」
黒猫「酷いわ、酷いわ。せっかく人間になれたのに。お洋服も着たかったのに」
清「とりあえず私のエプロンをどうぞ。涼真君が目のやり場に困ってます」
涼「裸にエプロン……いつからここはいかがわしい店になったんですか?補導レベルです」
黒猫「きゃあ!可愛い!涼真とお揃いのエプロン!みんな見て見て!」
清「さすが猫ですね。気まぐれでコロコロ感情が変化する」
涼「わっ、ラッキー寄るな!はみ出てる。見えてる見えてる!店長助けて下さい!」
清「ラッキーさんは涼真君になついてましたからね。初めて会話もできて嬉しいのでしょう」
涼「会話なら離れててもできるはずです!こらラッキー、もう少し離れて!」
広「楽しそうで何より。涼真君お似合いだよ」
涼「本当に楽しそうに見えますか!?それに好きな人は自分で決めます」
広「いいアイデアがひらめいた。涼真君の好物のイチゴを今回のように人間に」
涼「広瀬さん!ボクの話聞いてましたか!?店長助けて下さい!」
清「そうですね。それにしてもイチゴに性別ありますかね。オシベとメシベが」
涼「店長!一緒になって話を掘り下げないで下さい!」
黒猫「涼真頑張って!」
涼「ありがとラッキー。あ、ボクの作るごはん美味しい?」
黒猫「うん、ユキヒロ(飼い主)のより美味しい。だから雨の日だと来れなくて残念なの」
涼「また何か食材選んで作る……ん?広瀬さん、どうしてラッキーの服は買えるのにウチは食い逃げばかりなんですか?」
広「涼真君、君は実に鋭い少年だ。そう、それには深い事情があって(静かに起立)つまり今日は妻との空中デートなんだ。(静かに歩行)ということで涼真君、清水店長、失礼するよ!?」
♪カランコロン(ドアを開ける音)
涼「え?あっ!やられた!広瀬さん嘘は卑怯です!」
広「涼真君は正義感ある素敵な少年だな。ああラッキー、薬はあと一時間もすれば効き目が切れるから気を付けて!では失礼!」
♪カランコロン(ドアの閉まる音)
涼「店長!6回目のスイーツ食い逃げです!」
清「ぐんぐん嘘が上達してますね。困りましたね」
涼「店長、もう出禁しかありません。もしくは奥さんを呼んで説教してもらいましょう!」
清「涼真君はどんどん厳しくなってますね?」
(窓の外)
鴉「涼真、頑張るス!」
えんど。




