作戦
「作戦はすでに考えてある。実はその男の事を知ってる人がすでに居たらしくてな、行きつけの店があるそうなんだ。」
「え!じゃあ俺たちでそこいこうよ!!」
「ああ、俺もそう思って店の場所と営業時間を聞いてきた。普段そいつは閉店前くらいに店を出るそうだからそれを見越して…そうだな、あと2時間くらいしたらそこ向かうか。」
「やったー!!じゃあ俺もう少し注文しちゃお!!おばちゃーん!!!」
元気よく店のおばさんを呼びさらに食べる予定なのか2食分の定食を注文する翔。この切り替えの早さといい、いつもと変わらない明るさに秋自身も救われていた。
「えー!じゃあ私もデザート食べるー!!!」
「ほっほっほ。愛ちゃんお腹壊すと行けないからアイスは1個までじゃぞ。」
「もー!おじいちゃん心配しすぎだって!大丈夫だよ!!」
そう言うと愛も翔の後におばさん定員にデザートを数種類頼んでいた。
「秋さん。先程は愛ちゃんのことで動転してしまったがわしのクローンはわしの為には要らんよ。どうせ老い先短いからのぅ。だから命が危ないと思うても無理な時はそれでええ。しかしのぅ、もし愛ちゃんが危険だと思ったらそれこそわしの心臓でもなんでもくれてやる。愛ちゃんだけは守ってくれんかのぅ。それがお前さんの仕事を手伝うわしからのお願いじゃ。」
老人は穏やかに、しかし芯の籠った声でそう言うと
「もちろん俺は全員助ける。嬢ちゃんだけじゃなくて翔、そしてじーさんあんたもな。万が一って言うならじーさんのクローンじゃなくて俺のクローン作ってでも無事に返すと誓うよ。」
「…あんたみたいな若もんにそう言って貰えるならわしはもう心残りはないのう。ほっほっほっ。」
「おいおい。今から仕事だってのに縁起悪いこと言うなよ。」
2人は和やかな雰囲気で翔と愛を見ていた。