依頼内容
一通り話し終えた秋は次にすべき話題に移った。
「じゃあ今回の依頼内容を説明するな。今回は人探しだ。」
「人探し?」
「そう。見た目は2、30代。多分アラサーくらい。中肉中背で普通の容姿。よく言えば爽やか。悪くいえば特徴のない顔。身長170前後くらい。」
「ほう。見事に普通、ですな。」
「ああ。だからこそ難しい。特徴があればいいんだが普通過ぎるのが1番面倒臭い。翔くらいわかりやすければな。」
「ちょっと!ただの悪口だからそれ!!」
頬を膨らませ反論してきた翔を見て心が穏やかになる秋。
「今回なぜ依頼されたかというと、みんな最近ここいらで人攫いが頻発してるのは知っているか??」
「ああ、なんか最近ちょろちょろ聞くよね。…えっ、もしかしてその犯人!?」
「いや、あくまで可能性の話だ。人攫いが発生する度に聴き込も調査の過程でよく周辺で目撃されるらしく本人が人攫いなのか、それとも手助けしているやつなのか。それを調べるために見つけて欲しいとの事だ。」
「ひぇ~そういう依頼もあるんだ…。さすが何でも屋さん。」
口をポカンと開けながら目を見開いてる愛は本当に年相応の女の子だ。
話しながらも巻き込むべき案件じゃなかったか、頭にそんなこともよぎりながら続ける。
「いいか。これはあくまで人探しだ。決して出来るからと言って無理に捕まえようとか考えるな。こっちから動けば動くほど仲間が傷付く確率が上がる。それを忘れないでくれ。」
3人とも気合いを入れ直したように深く頷く。