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混沌世界の構築

『有』

そこには有が一人あった。

有はすべてを知っていて、どんなこともできた。

ゆえに有はすべてを知らないで何もできないことにあこがれた。

何もできないこと、何も知らないことを望んだ有は、自分を分けることにした。

しかし有は無限だった。

無限はいくら分けても無限だった。

有はいくらすべてを知っていようと、すべてできようと、一人ならば何もできないことを知った。

それから長い、長い年月が過ぎた・・・・・


『有と無とはじまり』

ある時有は自分が一人ではないことに気づいた。

無いように見えていただけで、無がそこにはいた。

有はそのことに希望を見出した。

一人ならできなくても、二人ならば何かできるのではないか。

そう考えた有はもう一度、何もできないこと、何も知らないことを望んだ。

ある時有は、自分を分けるのではなく、無に自分を分け与えることを思いついた。

その計画はうまくいった。

無はあらゆるものを無に変えた。

だが、有はその無が無に変えた分だけ有を生み出した。

有と無はやがて一つになっていき、宇宙になった。

それが、我々の知るビッグバンである。


『生命の誕生』

できた宇宙は、有と無の融合したものは、どんどん膨張をつづけた。

有は強欲だった。

有はやがて、できた宇宙すらも退屈に感じた。

ある時有は自分の劣化コピーを作ることにした。

有はすべてを知っている。

だからこそ、予想もしないものを求めた。

無はその有の気持ちを尊重し、協力をした。

そしてこの膨大な宇宙の中でやがて、一つの星に生命が誕生した。

有はこの生命の生まれた星を「地球」と名付けた。

有は自分の劣化コピーである生命をたいそう楽しそうにずっと無とともに眺めていた。


『我々の誕生』

生命の中にある時、ほかの生命と比べて異常なほど賢い生命が生まれた。

ほかの生命はたいていがほかの生命を襲い、喰らい、生きていた。

しかしその生命、ホモ属、我々人類はほかの生命ではなく、人類間、同種族で争い始めた。

有は新しいもの、不思議なものが大好きだった。

ある時有は、人類のうち二人を自分たちのもとへと案内した。

人類は有が自分よりはるかに上位の存在であることを悟ると、平伏しどんなことでもいうことを聞き出した。

すると人類はすべてが有の言いなりになってしまった。

有は、わかりきっていること、知っていることが嫌いだった。

新しい不思議なものであった人類が自分のもとに下り言いなりになり、つまらなくなってしまった。

有は人類の記憶を消すことを考えた。

しかし、有は作ることは得意でもなくすことは得意としなかった。

有は無に人類の記憶を消すことを頼んだ。

しかし人類は無にとってもお気に入りの存在であり、有と違って無はすべて知っていることが嫌いではなかった。

無は有の頼みを断った。

有はいっそう退屈になった。


『神々の誕生』

有はあるとき人類の記憶をなくすのではなく、作り変えることを考えた。

有はなくすこと以外はすべてできたので、人類の記憶を作り変えることはたやすかった。

しかし、人類は記録ができた。

有がどんなに人類の記憶を消そうと、人類は記録を見て再び有のもとへたどり着いてしまった。

有は困った。

有は、自分のもとへたどり着かなくするために自分と同等の存在を作ることにした。

そのことを無に相談すると、無も協力するといった。

有は、体を持たない自分たちではなく、より人間に理解しやすいように人間とよく似た上位存在を作り出した。

有はそれを神と名付けた。

これにより人類は有のもとにはたどり着かなくなり、再び有は人類の観測者へと戻った。


『全面戦争  神 対 人類』

神々には人類同様に多種多様なものがいた。

もちろんその中には人類に敵対する者もいた。

有は神も人間同様自分にはよくわからないものなので、好きだった。

なので、いったいこの後どうなるのだろうと思い、神を咎めたり、神に罰を与えはせずにただ観測のみをした。

無は、有と同意見だったので同じようにした。

敵対する神々はついに大きな行動に出た。

本来地球に存在しない生命を作り出し、人類を襲わせた。

その生命は、悪魔や妖怪、幽霊、魔物など多種多様なものであった。

人類は瞬く間に数を減らしていった。

神の中にはもちろん人類のことが好きなものもいた。

なので人類を絶滅させないため、悪魔や幽霊、魔物などに対する対抗手段を人類に与えた。

それは、科学や妖術や忍術、魔法や超能力などこれもまた、多種多様だった。

人類は絶滅しないためにももらった対抗手段をどんどん良いものへと変えていった。


『そして、今』

人類の数ももとに戻り始めたころ、一部の人類は考えた。

もしも、平和な世界があればどんなに良いことだろうと。

しかしそれを実現することは不可能に近かった。

ある時人類の偉い人は、人類を分けることにした。

ある世代を境に、新しく生まれてくる人には神が生まれてからにいたの生命や力に一切触れない、本来の地球と人類だけの世界を作り、一生をその世界で住まわせることにした。

その計画はうまくいき、人類は協力して恐ろしいものがない世界を作り上げた。

それでも人類に対して敵対的な神や、生命が消えたわけではなく、それらと戦う人が必要だった。

そこで人類は新しく生まれてきた人たちの中で、死刑囚や、神や敵対的生命などの異常存在のことに気づいてしまった人達で組織を作り、神々と戦うことにした。

その組織はだんだんと大きくなり、たくさんに別れたり、新しく生まれたりして、うまく楽園に住んでいる人類に真実を知らせないようにしていた。

そして今もなおそれは続いている。


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