58話 吸血鬼
取った依頼はここから歩いて1時間のところにある山の鉱山に魔物が住み着いたから倒して欲しいという依頼で住み着いた魔物はBランクの魔物バジリスクの群れが坑道に巣食っている。
バジリスクのせいでしばらく金属が取れずにこの街に出回っている鉱石はすべてほかの鉱山から買っているらしい。
「じゃあ行くか。でもバジリスクってたしか地球だと邪眼で見た相手を石に変えるんじゃなかったっけ?
大丈夫かなー?」
俺は歩いて説明された鉱山まで向かう。
普通に歩いたら30分くらいで着けてしまった。
「受付嬢さん1時間って言ってたよな?まぁいいか早い分には」
坑道の中に入ろうとするとその横に立っていた衛兵が持っていた槍を俺に突きつけて睨みつけてくる。
「貴様は何者だ。ここは現在帝国軍が管理している。なにをしにきた。」
「中に巣食っているバジリスクの討伐に来たんですけど。」
「貴様のような軟弱な身体の小僧が倒せる相手ではないわ!!」
衛兵は槍を俺に向けて突いてくる。
俺はそれを人差し指と親指で掴む。
「な、放せ!」
「やだよ、放したらまた攻撃してくるじゃん」
俺たちが言い合っていると近くにあったテントから同じ装備をした人が出てきて
「なにをしているんだ!!」
「は!すいません!このガキが坑道に侵入しようとしたので取り押さえておりました。」
「だから違うって言ってんじゃん!依頼で来たの!」
最初のやつを衛兵1、今テントから出てきたやつを衛兵2としよう。
俺と衛兵1の言い分を聞いた衛兵2は
「冒険者カードを見せてくれ。確か依頼を受けたらそこに書いてあったはずだ。」
俺は冒険者カードを衛兵2に渡し確認してもらう。
「………書いてあるな。ってことはお前の勘違いだ。」
衛兵2は衛兵1を睨みつけている。
「ちなみにAランクだぞ。」
と衛兵2が言うと衛兵1は顔を真っ青にさせテントの中に逃げていった。
「上司を代表して謝る。申し訳無かった。
あいつにはしっかりと教育をしておく。謝らずに逃げたこともな。では、バジリスクの討伐頑張ってくれ」
と衛兵2はテントの中に戻っていった。
そのあとテントからは悲鳴が聞こえてきたとかなんとか……
坑道に入ると、中は人の手で掘ってあり崩れてこないように木で固定されていた。
だが固定されている木は腐ってきておりボロボロになっていた。
なぜこんなにボロボロになっているのは多分この湿気のせいだろう。
坑道に入ったあたりからジメジメしている。
「あついー!日本の梅雨より酷い!」
実際湿気は90%ほど行ってそうだ。
しばらく進んでいると分かれ道がたくさん出てくる。
十字路になっているところや上や下に行く道が沢山あって一度迷ったら出られないんじゃないかと言うような迷路になっている。
「ここも行き止まりか………あとこの道か。」
坑道に入って3時間が経過しようとした時最後の道になる。
最後の道を進んでいくとだんだんと道が広くなっていき広場のような広さになっている。
「ここにいるのか?」
俺は光魔法であたり一面にライトをつける。
そこには地面に干からびた大量のバジリスクがいる。
血だけ抜き取られているようだ。皮や骨はそのままになっている。
そのまま奥まで照らすとそこには玉座が置いてあり何かが座っていた。
そこにはバジリスクを手に持ち血を啜っている男の吸血鬼がいた。
それはいきなり襲いかかってくる。
「くそ!いきなりか!」
剣を取り出し吸血鬼が爪で引っ掻いてこようとするのを防ぐ。
「あれ爪じゃなくて短剣が5本腕に付いてると思った方がいいな。」
俺は刀を取り出して刀を右手、剣を左手に持って二刀流で吸血鬼の相手をする。
「これで武器は互角だ。」
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