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48話 闘魔祭9

「さぁ!今年は魔物との戦いだぁ!

 ステージから魔物が逃げないようにステージに結界が張られます!

 ルールはなにをしてもいい!

 その魔物をブチ殺すだけ!」


 と今日は解説のキャリーは興奮しているのか魔導器マイクを持たずに地声で話しながら解説をしている。


 審判も今回ばかりは危険なのかステージに立たずに観客席の1番前に座って見ている。


 すると審判は立ち上がり試合開始の合図をしたらすぐに座る。


 それと同時にヨルムンガンドは檻から出されこちらに向けて攻撃しようとしてくる。


「おい!どうする!?

 とりあえずあいつは毒を放ってくると思うから全力で避けろよ!」


「わかった。」「わかったよ!」


 とミルとクレナは返事をする。


 そしてヨルムンガンドは俺たちに向かって突進をしてくる。


 だがそれをただの突進と舐めちゃいけない。

 全長10メートル越え、ヨルムンガンドの体の太さは1メートルを優に超えている。


 そんな巨体の突進なんて食らったらひとたまりもない。


 俺はヨルムンガンドが突進してきたところを横に避け剣で横腹を斬ろうとするが硬い鱗に邪魔されて斬ることができない。

 せいぜい鱗に傷をつけた程度だ。


「ミル!クレナ!魔法だ!魔法を使え!」


 俺はミル達にそういうとミル達は魔法を使っていく。


「天雷!」「ブラスト!」「氷刃!」


 だがミルの放った天雷とクレナの放ったブラストは避けられる。


 俺の打った氷刃だけが当たったようだった。


 反撃としてヨルムンガンドは毒の霧を口から噴出してくる。


 俺はそれを氷で包み込み凍らせる。


(なんでさっき俺の氷魔法だけ食らったんだ?他の魔法とほぼ速度は変わらなかったはずだ………まさか……)


「ミル!クレナ!もう1回魔法を打ってくれ!」


 ミルとクレナはその声が聞こえたのかまた同じ魔法をヨルムンガンドに放つが避けられる。

 ミルとクレナと同時に放った俺の氷魔法は避けられなかった。


(やっぱり…避けられないんじゃなくて分からないんだな。

 たしか地球の蛇って目があんまり見えなくて熱感知で索敵してるんじゃなかったかな?

 てことは熱を持ってない氷魔法なら避けられることはない!)


「今からヨルムンガンドを動けなくする!

 その瞬間魔法を叩き込んでくれ!」


 俺は詠唱を始める。


「原始の氷、終焉よりきたる、

 神の力を借り、全てを凍てつかせる。


 アブソリュートゼロ」


 魔法を発動した瞬間、昨日の時とは違いステージ全体ではなくヨルムンガンドやその周りだけに魔法を集中させる。


 その瞬間だけヨルムンガンドの動きが止まる。


 その瞬間を突いてミルとクレナは自分達が使える最強魔法を使う。


「神鳴り」


「我が母フレイアスより受け継ぐ、

 原始の焔、全てを焼き尽くす、

 永遠なる焔に焼き尽くされろ。


 ヘルフレイム。」


 ミルが放った魔法は今まで使っていた天雷の何倍もの雷を落とす魔法。


 クレナが放った魔法は焔の波が渦巻いて押し寄せてくる魔法。


 それが凍りついて身動きが取れないヨルムンガンドに直撃する。


「ギィシャャャャャャャャャ!!」


 ヨルムンガンドの鱗は雷によって剥がれ落ち剥がれた鱗から見える肉に獄炎の焔で焼かれていく。


 だがヨルムンガンドは最後の足掻きとして俺に向かって突撃してくる。


 魔力が少なくなっていてあまり動けなかった俺は逃げることが出来ない。


「くそ、やべぇな」


 ヨルムンガンドは口を大きく開け俺に喰らい付こうとしてくるがミルが雷を纏って俺を救出してくれる。


「ありがとう。助かった。

 危うくマミるところだった……」


「しっかりする。」


 とミルに怒られると突撃してきたヨルムンガンドは力尽きたのかその巨体を地面に落とし倒れる。


「「「「「うおおおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!」」」」」


「すげぇ!勝ち上がった!」


「封印されてた魔物が殺されたぞ!」


 と見ていた観客だけでなくこの闘魔祭の開催者も騒いでいた。



 その声を聞きながら俺は思い出した。

 いや思い出してしまった。


「あぁぁぉぁ!!しまった………お約束のアレをやるの忘れた………」


 昨日の夜起きた時にやらないといけない事が……

 異世界にきたときにやりたい10選に入ってたやつが……

ちなみに最後のアレとは天井のやつです。


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― 新着の感想 ―
[一言] うん、頭食われたらホラーになるから気をつけろ…(←とある姉のせいでマミったシーンを見て軽くトラウマになった人)
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