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  作者: 師走
12/15

目を開けるとお花畑だ。

私とレタスは狂った様に踊った。

花は赤みがかった紫色。

このままずっとこうしていたいと思った。

しかし突然雷鳴轟一瞬で真っ暗になった。

土砂降りだ。

風も強い。

土ごと花畑は全て剥がされて竜巻に飲み込まれた。

勿論私とレタスも一緒だ。

私は土がえぐれてぽっかりと空いた穴をしっかり見届けた。

もうその次には風が切りつけてきた。

レタスが私をかばうように立ち上がる。

レタスの服はチリチリに破れ鮮血が飛び散る。

死んでしまう。

私はしかしどうすることもできずにいた。

竜巻の中心ほどではよく知られているように都市があるものだ。

私は崩れ落ちそうなレタスを捕まえて飛び降りた。

着地するとーなんと情けないことか!

足をくじいて悲鳴を上げた。

レタスの顔は血でもう見えない。

私はおもわず目を背けた。

なんの言葉も出ない。

髪はべっとりと赤く額に張り付き目は半分白目をむいてびくびく動き体も激しく痙攣している。

血だまりが私の足元まで来た。うわあとかすれた声で言って思わずはねのく。

しかしこのままではいけないと思い切って近づいて額を触るがーとても冷たい。

手はすぐに真っ赤に染まりもう鼻の方の血なぞはどす黒く変色し、まだ腹からは血が溢れ首からはだらだらいっているという有様だ。

私は立つ元気さえなくして気を失いかけたがなにぶん先ほど嫌という程気絶したのでそれもできずただ俯きかっと見開いた目からは冷たい涙が雨水とともにしたたり落ちた。

空はすでに晴れまばゆい温かさに抱かれているまま。

私の目の中にはもう光もないように思われた。

真っ暗だ。

私のせいでレタスは死んだ。

私のせいでレタスは死んだ。

付いて来なければよかった。

私なんていなければよかった。

その目を開けて、見よ!レタスよ。

お前のおかげで私は無事だぞ。

肩が少し切れた程度だぞ…

しかしもうレタスの目には微塵の黒さえ残っていないのだ。

私の目は黒、レタスの目は白。

……

はっとした。

レタスがゆっくり立ち上がる。

レタスは生きている!

目が合った。

私はへたり込み、レタスは立ったまま。

全く動かずに。

私の黒い目が、戻っていく。

レタスの目も、戻っていく。

助かったのだ。

私は嬉し泣きに泣いた。

レタスが勝った。レタスが勝った。

レタスは眩しいぐらいに笑った。

血だまりも消え、何があったのか忘れてしまいそうなほどだ。

ぎんぎらぎんのおひさまのちかくで。

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