早く決心つけねぇと奪うぞ?
今回は山川sideで進めます
昨日の帰り、仲野から大和についての相談を受けた。
「ああ、まあ。......だって大和に気づかせたの俺だし。自分で友達敵にするとかバカだよな、俺」
って仲野の前で言ったけど、聞こえてはいなかったみたいだ。
これは大和とさっさと決着つけないと大和動かないかもな。
教室に入って大和を見つけた。
「大和〜、話あるんだけど良いか?」
「いいけど」
朝に限らず大和の言葉は素っ気なく聞こえる。ほんとはそんなことないのにな。
大和と一緒にひとけのない非常階段のところに行った。
「話って?」
「大和、まだ決心ついてないのか?」
「は?なんでそれを......って仲野か」
すぐわかるあたり仲野の事よく見てるよな。
「俺はお前が仲野の事を好きって自分で気づく前から気づいてたのは知ってるよな?」
「ああ。それがどうしたの」
「気づいた理由は俺も仲野をあの頃から好きだから。何事にも一生懸命な仲野が好きだったんだ。だからよく見てた」
「まじかよ......じゃあ何で? 何で俺にあいつ好きだって気づかせた!? 俺が気づかなければ多少は!」
「それはそうだけど、お前とは正々堂々と渡り歩きたかった。隠してたから正々堂々ではなかったかもしれないけど......隠してたのは事情があったから」
「事情!? なんだよその事情って。人におせっかい焼いといて自分は不利になるようなことばっかして」
「それは言えない!仲野を傷つけるかもしれないから!! でもこれだけは言う。一度は大和の為に身をひこうと思った。けど、お前が決心つけらんねぇなら俺は奪いに行く」
「勝手にしろよ!! お前が奪う前に俺が仲野の気持ち奪うからな!」
「俺は教室に戻るから」
大和は最後にそう言って教室に戻った。
結果的にケンカになったけれど、大和に火をつけることは出来た気がする。
勝手かもしれないけど大和と放課後までには仲直りしたいな......
杉下と山川の衝突でした。
次回は仲野sideになります