キャンプと俺の友人
初投稿です。
クリオティ低めですが、どうか温かい目で見てくださいな。
「わっ、わぁあぁっ!! 悠前ごめんーっ、崖が崩れたーっ」
「…………ふふ、ふふふふっ。イイよ……これ、凄くイイっ」
「……………」 「あぁあーっ、瀬尾ーっ」
「次は何!?」
「テントが潰れたー!」
「うわーっ」 「……………豪雨ってさ……………イイよね」
「「それはお前だけだよ、悠前!!」」
「誰しもお前みたいだと思うんじゃねえよ!!」
「普通に痛いよこの雨!」
「わかってないなぁ、そこがいいんじゃん」
「「もうちょっとだまってて!?」」 「………うわーっ!!」
「どうした桜井!!」
「テントが飛ぶーっ」 7月末日。集中豪雨に襲われるなか、俺たちは山の中にいた。降りつける雨が痛い。目の中に雨がときどき入って凄く痛い。
どうしてこんな日にキャンプなんてしようとしてるんだろう……。それに………… 「瀬尾ー」
「…………何?」
「あそこ、桜井が川に流されてる」
「え!? さ、桜井!?」
「…………あれ、気持ち良さそうだよねー。行ってくる」
「やめんか、このくそMが!!」 どうしてこのメンツで来ちゃったんだろう……。このメンツで頼りになるのは、どう考えても己だけだ!
『キャンプにいこう!』 ここで疑問に思うべきだった。 『いいね悠前。僕キャンプ初めてだよ。楽しみだなぁ』 ここで不安になるべきだった。 キャンプ経験者いるの?
不幸体質な桜井も行くわけだけど、大丈夫?
…………とか。 だからほら、考えなかったからほら、こうなった。面倒だなぁほんと。どうして俺こんな二人といっしょにいるんだろう。
ふと、そんな風に思った。そうだよ、 マイナスにしかならない友人なのに。
…………いや、違うか。 『瀬尾、楽しみだねっ』 『向こうで美味しい料理作ってやるよ』 『え、何それ。楽しさ四倍じゃん』 『……うん?』 『だってさほら、友達と行けるし美味しいもの食べれるし』 『確かに』
俺がいると楽しくて、俺にとってはそのマイナスすらもプラスなんだ。 小さく笑う。…………今さら気がついた。 「瀬尾ー。悠前が!!」
「…………ふふ、これもこれで、あり」
「何言ってんの!? いいから川から出てきて…………うわぁあっ」
「…………あ、桜井も落ちた」
「たっ、瀬尾助けてー!!」 騒がしいなぁ、でも…… 「ハイハイ、どっかにしがみついてろよー」
楽しいな。
落ち迷子です。
つ、次は落ちを見失わないようにしなきゃなーと思いました。