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DEAD  作者: 鼻セレブ
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6.脱出


 その少し前

隆「あったあった。」

 先程婦人警官を助けに行く時に置きっぱなしだった拳銃を拾い上げた。二人は押収物、保管庫に入り隆は鍵を閉め、棚を倒しドアの前に置いてバリケードを作った。

隆「よしとりあえずこれでいいな。そうだ自己紹介してなかったね、俺、板垣 いたがきたかし年は23才君は?」

 棚にあるダンボールを物色しながら聞いた。

婦人警官「...多古 梨乃たこりの24才です。」

隆「梨乃さんか、一つ年上ならお姉さんだね。ん?今年24才?」

梨乃「今日誕生日です。」

隆「じゃぁ同い年だね俺も今年24才。ってか今日誕生日なの?」

梨乃「最悪な誕生日...」

 梨乃はまた泣きだしてしまった。隆はどうしたらいいのか分からずとりあえず話し始めた。

隆「え〜っとねさっき梨乃が撃った奴覚えてるかな?そいつも今日同じ誕生日なんだ。」

 隆は昨日一樹の誕生日を一日間違えた事、ケーキを一樹の顔に押し付けた事等を話し今までの事を面白く話した。

隆「んで人がボケてもシカトしたりする奴なんだよあいつは。」

 梨乃は隆の話しを聞いているうちに少しづつ笑い始めた。

梨乃「一樹さんって方が本当に好きなんですね、友達のことをそんなに楽しく話す人初めて見ましたよ。」

 急に顔を近づけて隆が言った。

隆「やっと笑ったね、やっぱ可愛いじゃん。俺の目に狂いはなかったな!」

梨乃「やだ化粧ボロボロだし可愛くないから見ないでください。」

 恥ずかしかったのか耳まで真っ赤にして横を向いた。

隆「あいつとはね中学からずっと一緒にいるんだけど、あいつの事は一番信用してるし、あいつがいなかったら今の俺はいないだろうしね。だから裏切ったり約束破りたくないんだよね今もこれからも。」

梨乃「いいなぁそうゆうのって。」

隆「そぉいや梨乃は何でここに?一人?」

 少し黙った後話し始めた。

梨乃「今日は朝いつも通りに出勤してきて普段と変わらなかったんです。八時くらいから色々な所から暴漢が出たとか異常者がいるとかでみんな出動していました。」

それがその異常者を連れて帰ってきた人達も所々怪我をしてしまっていて、異常者は言う事を聞かず暴れるのをやめなかったので留置場に入れました。中には他の方も入っていたんですか収容したらその人達に襲い掛かり噛み殺してしまったんですよ。それで致し方なく発砲許可を取りたかったんですが、署長室にいるはずの署長に連絡が取れなくて...いや署長だけじゃなく部長等管理職の方々が見当たらなく、一人の警官が致し方なく発砲しなんとかその場を収めたんですが、外にその異常者と同じ症状の人達が警察署に集まって来たんです。私達は必死にバリケードを作り何とかなったんですが、他に出動した人達と連絡が取れなくなっていたんです。それで午後一時頃からまた異変が起こり始めたんです。怪我をして帰ってきた警官達が外の異常者と同じ症状になってたんです!

発砲するんですが中には一般の方もいらしたので中々撃てなかったりでみんな混乱してしまってもう何がなんだか分からなくなってきて仲間の警官が私の手を取り地下のあの部屋に逃げ込んだんです。私の他に二人いたんですが武器庫の鍵を取りに行くと言って出て行ったまま戻ってきませんでした。それでずっと一人で隠れていたら隆さん達がきてもパニックになっちゃったんです。」

隆「そぉだったんだ...良く一人でがんばったね。」

梨乃「でも私のせいでこんな事になってしまってすいません!私になんて構わなければ隆さん助かったのに...」

隆「ちょっと待ってよ、それじゃ俺達助からないみたいじゃん!」

梨乃「えっ?」

 驚いた顔で隆を見る。どこからかダンボールを持ってきた。

隆「ジャジャ〜ン!」

梨乃「何?これ?」

隆「爆弾じゃな?ダイナマイトってて奴かな。」

 ダンボールから一つ細長い片側からは導火線が出ているものを見て言った。

隆「さっきこの部屋に来た時目に入ったんだよねぇ。威力は分からないけどこれでなんとか切り抜けてみせるよ。だから終わりだなんて言わないで俺を信じて。」

梨乃「隆さんが来なかったら助からなかったんだから隆さんに全て託します。」

 その時ドアを叩く音が響いた。

隆「待っててくれたみたいなタイミングできやがったな!」

 爆発や爆風等から大丈夫のように部屋の奥に棚とダンボールを積んで壁を作った。

隆「梨乃、ここで待ってて。俺が合図したら頭を低くして隠れてて。あと万が一があるからこれ渡しておくよ。」

 隆はコルト・ガバメントを梨乃に手渡し、ダンボールからダイナマイトを二本取り出した。

梨乃「隆さんは何を?」

隆「俺はお客さんが来たみたいだから、挨拶してくるよ。」

梨乃「気をつけて...」

隆「ありがと。」

 隆は激しく叩かれるドアの前に立ち棚などバリケードを少しずらし、少しだけドアが開くようにして鍵をあけた。

隆「頼むぞ、上手くいってくれよ。」

 ドアを開けると隙間から長い廊下を埋め尽くす程のゾンビが目に入った。隆はポケットからタバコを取り出し火をつけた。ドアの隙間からはゾンビ共の腕が飛び出していて近くにいる隆を掴もうとしているが届かない。隆はタバコの火を二本のダイナマイトの導火線に火をつけ廊下の奥に投げつけた!

隆「梨乃!伏せろ〜!」

 とその時一体のゾンビの腕が隆の腕を掴んだ!

隆「くそ!離せ!」

 隆は掴む腕を殴り引き離そうとするが一向に離す気配はなく諦めかけたその時一つの銃声が響くと隆を掴んでいた腕に当たり隆は開放された。

梨乃「隆さん急いで!」

 隆は梨乃に向かって走り出し爆発音と共に作った壁に飛び込んだ。


 その少し前一樹と正志は車の近くの壁を背に外にゾンビから身を隠していた。

正志「一樹さんそろそろ17:30ですね、やっぱり隆さんはもぉ...」

一樹「大丈夫だ!あいつは後からすぐに行くって言ったんだ、あいつはいつもはふざけているけど約束は破ったことないんだ。」

 一樹は全ての銃に装弾を終わらせて携帯を見ていた。

兄貴『わかった病院に行くなら止めはしないが気をつけろよ。家の回りにゾンビ共は少ないからこっちは大丈夫だ。またなにかあったら連絡する。』

『兄貴へ。こっちは今警察署で銃を探しに来て収穫はあった。これから病院へ向かう。』

一樹「直美と信からメールがない、信はどこにいるかわからないからどうしようもないが直美は...くそ!」

正志「一樹さんこのままじゃ真っ暗になっちゃいますよ急がないと。」

 一樹は携帯を握り締め空を見上げていた。

一樹「わかった正志の家族にも時間がないしな、車に乗れ行くぞ!」

 二人が車に乗り込むと警察署の中からものすごい爆発音と共に建物の窓ガラスは割れ破片を跳び散らかせた!

正志「なっ何だ今の!?ガスに引火でもしたのか?」

一樹「隆だ!あいつしかいない正志!行くぞ!」

 一樹は正面右側の入り口に走った。

正志「えっ?ちょっと待ってくださいよ。」

 入り口に着くと一樹はコルト・ガバメントのマガジン部分でガラスを割り鍵を開け中のバリケードを崩していった。

正志「一樹さんその先は危険ですよ!」

 正志の言う事も聞かずバリケードを越した。ゾンビはほぼ全体が地下に下りていたがそれでも20〜30体は少なくてもいる。だが一樹はゾンビに発砲しつつ接近して近くに寄るゾンビを片っ端から殴りけり、コルト・ガバメントが火を噴いた!自分の回りにゾンビがいなくなると地下に下りる階段に走り寄ったがその時またもや爆音が響き爆風で一樹とゾンビは一斉に吹き飛ばされた。

正志「何が起きてるんだ?」

 一樹は爆風で吹き飛ばされ壁に背中を激しく打ち付けていてすぐに起き上がれなく近くにいたゾンビが数体が一樹に近寄る。

正志「一樹さん!逃げて!」

 正志はゾンビに向かってコルト・ガバメントを発砲するが扱いに慣れていないせいか全く当たらなかった。

一樹「邪魔するなぁ〜!」

 一樹は近寄るゾンビに倒れたまま発砲し弾を撃ちつくすとコルト・ガバメントからマガジンを抜き予備のマガジンを出し装填させズボンからもう一丁コルト・ガバメントを出し瞬時に飛び起き周囲にいるゾンビ共の眉間を的確に捉えた。また一樹は階段に駆け寄り目下にいるゾンビ目掛けて発砲した!正志もやっと一樹に追いつくと一樹のコルト・ガバメントが弾切れになり二つ共マガジンを入れ替えると一丁はまたズボンに差し、正志の腰から木刀を引き抜き目下に飛び降りゾンビの頭部を叩きつけ、着地と同時にコルト・ガバメントを違うゾンビの頭を打ち抜いていた。

 狭い階段に飛び降りた一樹に大勢のゾンビが逃げ場がないほど取り囲む。正志も上から援護をするが扱いが慣れていないため一樹に近いゾンビを狙えない。一樹は近くにいる奴から片っ端から撃ち続けていき少し間合いが出来ると目の前にいるゾンビ三体を同時に居合いで頭を叩き切った!

 周りにいるゾンビを全て殲滅させると地下に向かって駆け下りた!と同時に何かが下から上がってきて一樹と衝突しそうになるが一樹は横に跳び、それに木刀を切りつける!が木刀はそれの鼻先で止まり一樹の眉間には銃口が向けられていた。

隆「お待たせダーリン。待たせちゃったかな?」

 隆は銃口を下ろし笑いながら言い、一樹は隆を睨み。

一樹「遅ぇんだよ!暇だったからこいつらと遊んでたよ。」

 そう言うと二人は笑った。

梨乃「あの...急いで逃げないと一階にいるのが...」

隆「そうだ急げ!」

 二人は一階に上がり銃を構えるとそこには微かに動いている奴はいるが20〜30体いたゾンビは全滅していた。

隆「どうなってんだ?」

 隆が唖然と立ち尽くすていると正志が近寄り言った。

正志「全部一樹さんがやっつけちゃいましたよ。」

 隆が一樹に振り向こうとした時横を一樹が走り抜けた。

一樹「急げよ、外もこの調子だと結構集まってるぞ!」

 一樹に続き正志が走り出し隆と梨乃もそれに続いた。右側玄関を出ると見えたのは車に数え切れないほどのゾンビが集まっていた。

一樹「あれじゃ走り出せねぇ!」

隆「いいもんあるぞ。」

 隆がバックからダイナマイトを出した。

一樹「こんなもんどこで?」

隆「押収室に落ちてた。」

 隆は導火線に火をつけ振りかぶった。

隆「どいてろ!隆アターック!」

 隆は思い切りダイナマイトを放り投げ道路の真ん中に投げつけた。

一樹「お前バッ...!」

正志「マジ!?」

梨乃「キャッ!」

 四人は後ろに飛び退くと同時にダイナマイトは大爆発を起こし周囲一体を跡形もなく吹き飛ばした。

一樹「バッカ野郎!何考えてんだ!車まで吹っ飛んだらどうすんだよ!」

隆「まぁまぁほら見てみろよ。」

 車は無事にそこにあった。車の周りにいたゾンビ共は爆発の衝撃で息絶えたものや爆風で遥か先まで吹き飛ばされていた。

隆「ほら結果オーライってやつでしょ。」

 一樹は呆れた顔をしていたが隆を見て手を差し出した。それを隆が握り返した。

一樹「全くこのバカは死んでも治らねぇな。一遍死んでこい。」

隆「いやぁ中々死ねないもんだね、神様がまだ俺を死なせてくれなくてさぁ。やっぱ世の中が俺を必要としてるって事かな。」

一樹「バ〜カ言ってろ。」

正志「でも本当に無事でよかった。」

梨乃「あの...折角の所申し訳ないんですけど急ぎませんか?」

隆「そおだった、早く行かねぇと真っ暗になっちまうぞ。」

 四人は車に乗り込み警察署を脱出し正志の家に急いだ。


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