15.救助
かなり長い間休んでいましたが少しずつでも更新していきたいと思いますのでどうか宜しくお願いいたします。
暗闇の中静かに佇む建物の回りに悲痛の叫びともとれない呻き声を上げ彷徨う者、建物の壁を幾度も力強く引っかく指は爪は剥がれ落ち肉さえも削がれ骨が露出しても止めない者の頭上では配管に引っかかり垂れ下がったシーツの少し上に一人の男が配管をつたって上へと上っていた。
三階を通り過ぎ四階に必死の思い出辿り着いた一樹はすぐ左側の窓が開いているのに気づき窓に手を伸ばした瞬間骨が軋むぐらいの強さでその腕を掴まれた!
開いた窓から変貌を遂げた人間が身を乗り出して一樹に襲い掛かってきた!
だが一樹は掴まれている腕で掴み返しそのまま窓の外へと引っ張り出すとゾンビは重力に逆らえず一樹の左腕に爪を食い込ませ傷を残して落下して下に群がるゾンビの上にグチャッ!!とゆう音と共に数体のゾンビを道連れに活動を停止した。
開いた窓の中を身を乗り出し警戒しながら見るがロッカー等が邪魔をして中が見渡せないが腕に少しずつ力が入らなくなってきてるのもあって意を決して中に入り込む事に決め、音を立てずに照明のついていない部屋に入り込んだ一樹はズボンに差していたコルト・ガバメント二丁を取り出し前方に構えながら月明かりを頼りに部屋の安全を確認したがそこにはゾンビの姿はなかった。
この部屋はさっきの部屋とは違い少し狭く扉もアルミ製で手前に引いて開けるいたって普通のドアだった。
「ここは更衣室か...?」
一樹はボソリと呟くとコルト・ガバメントを一丁ホルダーに収めドアに鍵がかかってるのを確認した。
ロッカーに寄りかかりタバコを取り出し火をつけ深く吸い込むと少しばかり肩で息をするとズボンから携帯を取り出し直美にメールを送った。
『無事なら返事くれ、俺は今病院の四階にいる。』
するとどこからか異音が聞こえ耳を済ませると寄りかかっているロッカーから聞こえた。
ロッカーを見つめネームプレートを見るとそこには田木と書かれていた。
ロッカーに手をかけると鍵はかかってなくカチャッと小さな音をたてて開いた。中にはナース服がかかっていて下には見慣れたバックが置いてありそこから異音が聞こえてきていた。
その場にしゃがみ込みバックを手に取り開くと中に異音の正体があった。直美の携帯だった。メールを開くと一樹からのメールが着ていたが読まずに閉じて携帯が壊れそうなぐらい力強く握り締めた。
小刻みに震え憤りのない気持ちを抱いていると目下にあるバッグの中の手帳からはみ出ていた写真に気づきそれを取り出すと学生服の一樹と直美だけが写っている写真だった。
そのまま立ち上がると写真をズボンの後ろポケットに入れ窓に向かって歩きだし窓に辿り着くと息を深く吸うと大声で叫んだ!
「直美〜助けにきたぞ〜!いるなら返事しろぉ!!」
一樹は叫び終わると窓から体を乗り出し他の窓をキョロキョロと見回していると同じ階の一室の窓から何かが外を覗き込んでいて一樹に気づくとすぐさま顔を引っ込めてしまった。
一樹は急いでドアに近づくとドアの外に何かがいるのがはっきりと分かっていたが今の一樹の思考回路に回り道とゆうのはなかった。
ホルダーからもう一丁コルト・ガバメントを取り出すと一呼吸置いて鍵を開けドアノブを回し勢いよくドアを開くとそこには先程一樹が叫んだのもあってナースや医者のゾンビが群がっていたが一樹の目の前にいるゾンビは一樹を黙認するやいなや後ろに脳漿をぶちまけその場に崩れ落ちたが次々と迫ってきた。
一樹は怯む事なく的確に頭部を打ち抜いていくが二丁共全弾打ちつくしてしまうが目の前のゾンビに体当たりを放ちながら通路へと出ると同時に一丁を口に咥えてポケットからマガジンを一つ出し素早くマガジンを入れ替えると銃身をスライドさせるとすぐ目の前に顎が外れるぐらいに口を開いたゾンビが襲ってきていたが下からコルト・ガバメントの銃口を向け発砲すると顎から脳天に銃弾が突き抜けていった。
一樹は先程人影を見た部屋の方にゾンビを跳ね除けながら走ると二階の病棟に比べこの階は更衣室等病院関係者以外立ち入らない階とゆうのが幸いしてゾンビの数も多くはなかった。
走りながら口に咥えたコルト・ガバメントにも装填を済ませると振り向きながらゾンビめがけて発砲するが走りながらとゆうのもあり当たらなかったが、やっと人影を見た部屋のドアの前まで来て一樹はドアを叩いた。
「おい!開けてくれ!中にいるんだろ!」
一樹の叫び空しく返事はなかった。
「コラ!返事くらいしやがれ!」
徐々に追い詰められる一樹はゾンビに向かって発砲するが数が多くないと言っても少ない訳ではない。
「くそが!」
ドアを力一杯殴りつけると一つ奥にあるドアが目に入りそこに駆け寄りドアに手をかけると鍵はかかっていなく開くとすぐさま脇目もふらず窓に向かっていきコルト・ガバメントをズボンに差し窓を開けると右側の物陰から一体の白衣を着たゾンビが飛び掛ってきたが一樹は一歩横に避けると同時に後頭部に回し蹴りを放つと勢いで壁に顔面を打ちつけズルッと血の跡を壁に残して動かなくなった。
それを確認するとまた窓に向かい体を外に乗り出し隣の窓ガラスをコルト・ガバメントの尻で叩き割りそのまま隣の窓に飛びついた。
外にぶら下がった一樹は割れたガラスで手や指が痛々しく切れて血が腕を伝い垂れてくるが渾身の力を振り絞って体を引き上げ何とか部屋に入ることができた。
その瞬間一樹の頭部に想像もつかない衝撃が走り一樹は気を失ってしまった。
現在20:40