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書く難しさを体感。
俺はハンター。
今日も獲物を求め、さ迷い続ける。
獲物を発見。だが、すぐには飛びかからない。
向こうだって生き物だ。気付かれたら抵抗だってされる。こちらの身の危険は極力避けたい。
近づくのがばれないようにゆっくり背後から回り込む。一定の距離まで近づけばあとは一気に飛び付く。
ここからはまた慎重に、だが、ゆっくりではなく素早く。獲物から血を奪っていく。
「うまいっ!」
過去味わった中でトップクラスだ。濃厚でいて、くどくなく、のど越しは爽やか。
満足すれば長居は無用。素早く立ち去る。
今回は美味かった。最近美味しい獲物が減ってきている。どろどろのスライムじゃないのかと思うようなものまであったりする。腹を満たす為には仕方ないが、美味しい物だけで過ごしたいものだ。
さて、次の獲物を探すかな。次のも美味しいといいのだが。
あれからしばらく経つが獲物がいない。いや、いるにはいるのだが、美味しそうなのがいない。前が美味しかっただけに次もと思ってしまうと食指が向かない。
かなり時間が経ってようやく見つけた。子供。間違いなく美味しいであろう。
素早く後ろから近づく。
近付きいざ飛びかかろうとした時鼻につく異臭。吐き気がする。最近噂で聞いた我等を近づけさせないバリアというやつか。
悔しいが退くしかないか。
新たな獲物を求めに行く。
「よう。調子はどうや?」
近くを通りかかった仲間に声をかけられた。
「おう。駄目だな。さっきも噂のバリアで撤退してきたとこさ」
「ああ、あれな。最近多いみたいやな。聞いた話やと、一部の空間が全部バリアとかもあるらしいで」
空間全部って俺達に飢えろとでもいうのか……。
「選り好みしてられないな」
「ほんまやで。そんな貴方にお得情報。穴場見つけたからこれから何人かで行こうって言うてんねんけど、一緒に行かんか?」
「是非とも。」
迷いなく即答。久しぶりのPTプレイが楽しみだ。
「よっしゃ! ほないくで!」
連れられ向かった先は一軒家。
「またせたな」
すでに他のメンバーは来ていた。1、2、3、4……うん。数えるのが面倒だ。かなりいる。例外なく皆やる気に満ちているようだ。
「ほな、みんなわいに付いてきてや。窓ない場所から入って獲物まで案内するさかいに」
ぞろぞろと集団でついていく。
「そろそろや。みんな静かに散開」
獲物は寝ているようだ。よくこんな獲物を見つけてきたもんだ。
「準備できたら一気に行くで!」
みんな頷きでかえし、思い思いの場所へ散っていく。
目線で各自配置完了の合図んをおくる。
「突撃!」
一斉に獲物へとびかかる。慎重など二の次。勢いよく行く。
皆が飛び付いた瞬間獲物が寝返りをうった。
「あぶない!」
思わず大声で注意を促したが、逃げ遅れたやつがいて獲物に下敷きにされた。俺も危なかった。もう少し飛び付いた場所がずれていら、一緒に下敷きになっていたかもしれない。
「まずい、獲物が起きたみたいやで!」
動き出した獲物から逃れるように皆逃げ惑う。
しかし、集団心理というやつか、誰もこの場から逃げ出そうとはしない。
「死角に回り込め! 隙をつくんや!」
獲物が立ち上がり、腕を振り回してくる。必死に掻い潜り死角に回り込もうとするがうまくいかない。
しばらく膠着状態が続き、体力勝負かと思っていると、何やら取り出して辺りに撒き散らしてきた。
それを喰らった仲間が達が次々に倒れていく。
「な! ブレスだと!? そんなことしてくるなんてきいてないぞ!」
焦るなと自分に言い聞かせるが、効果は望めない。打開策をすぐに見つけないと全滅も時間の問題だ。
「これはあかんで。皆逃げるで!」
最早それしかないだろう。だが、こちらを逃がす気は全くないようで、逃げ出そうとしたやつから順番にブレスが襲いかかり倒されていく。
もうこれしかないか。俺は覚悟をきめる。
「俺が突っ込んで、やつの注意をこっちにひきつける! そのうちに逃げろ!」
「わかった。うまくたのむで」
あれぇ……。もっとこう引き止めるとか、お前を残して行けるかとか、代わりに俺が的なのがあるかと思ったのに……。
これは本当に覚悟を決めるしかないようだ。
「ああ、まかせとけ!」
なりふりかまわず正面から突っ込む。が、気にする様子もなく、周りにブレスを吐き続け仲間がやられていく。
必死に注意を引こうとまとわりつくが、効果なく、気づけば自分だけになっていた。
向こうも疲れたのだろう。ブレスの威力がなくなっている。あれだけの威力がずっと続くわけがないが、次いつくるかわかない。早く逃げよう。
腕を振りあげ攻撃してくるようだ。避けようとして逆側からもせまってくる腕に気づく。
「あ、これはむりだ……」
バチッ!