表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/21

第二章 接触 4

「そうと決まればまず作戦会議だ。幸い昼休みはあと十分くらいあるし、綿密に練って放課後、校長室に特攻しよう。まず俺の意見」

村瀬は司会進行を勝手にやりつつ、右手を二人しかいないのに惜しげもなく天へと伸ばす。こちらがハイ、村瀬君と言う前意見を言う。


「何かいい事をして、校長室に招待されるってのはどうでしょう?」


フン、といかにもしてやったりな顔で意見を述べてくれたところ申し訳ないが、突っ込むとことは突っ込ませていただく。それも異種の優しさってもんだ。


「ばーか、いい事ってのは時間もかかるぞ。賞状もらって表彰してもらって終わりだろ。おまけに具体的に何やるんだ?」

「そ、それは、ボランティアをしたり、花に水やりしたり、トイレ掃除頑張ったり・・・」

「そんなことで賞状貰えたならだれも苦労しねーよ。ボランティア?プライベートの事までかまってられるか。花に水やり?園芸部に任せとけ。トイレ掃除?俺達のクラスにトイレの割り当てはねぇ」

「なら、拓海はどうするべきだと思うんだよ。どこかの部活に入って賞状貰うのとかは駄目だからな。」

「そのアイデアは今までのお前の意見の中では一番マシだよ。たしかに、特殊な訓練を受けてる俺らならやれるだろうさ。だけど、時間がかかりすぎる。今日中に、校長室に行きたいんだろ、お前は。なら簡単だよ。砲丸投げてガラスを割ればいい。」

「つまり悪いことするってのか。」

「そうそう、キャッチボールしてて取り損ねました~。アハハ。でいけば間違いなく校長室行きだ。」

「・・・でも生活指導の教師もつくんじゃねえの。一緒に」

「・・・・・だね」


あーだこーだ、そーだちがーう、ギャーウー、ボコボコ。

十分あった時間が残り少なくなる。そこへ光を差し込ませたのは意外な人物。


『普通に失礼しまーすで入ればいいんじゃないのか』


通信士の声がこのときだけうそくさいほどの大音量で聞こえた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ