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第一章 青い闇 13

修正しました。

「リーダー、なんでみんな寄ってたかってサブリミナル技術を欲しがるのですかね。」


聖馬は、叫び終え、デザートのカステラを食べおわり、紅茶をガブガブしてるリーダーに問う。


「ふむ、簡単な事なんだが、説明するのも難しい。サブリミナルは人の意識を意図的に動かせる事を知っているだろう?それを使えば全人類の意識を操り、自らを神として縋らせる事が出来るんだ。」


リーダーは目を細め、今度はゆっくりとカップを傾ける。


「だが、我々も誰に命令されて誰の為にその技術を追い求めているのか分からん。」

「つまり、どういうことですか?」


キッチンから洗い物をする音が聞こえる。


「聖馬、君はまだ私やあさみさん以外の「闇」の人間を見たことがないだろう。」


リーダーは聖馬が頷くのを待って言葉を続ける。


「私は唯一支部長の上にいる「部長」という人の顔は見たことがあるがそれ以上や同僚は見たことがない。下っ端は沢山見てきたがな。部長の上には管轄長、その上には副組織長が何人か、で、その上にいるのが組織長となる。一番底辺にいるのは俗に言われる下っ端って奴らだな。死体の後かたづけとか、証拠隠滅とか、戦闘の雑兵として駆り出される。本当にいろいろな人がいながら、我々は他の同志を見たことがないのだ。枝分かれしているのに木の根元が見えないのと同じ事だな。」


驚愕の真実だった。今まで一番偉いと思っていたリーダーの上には、まだまだ偉い人がいて、リーダー自身も顔を見たことがない人もいっぱいいるなんて。聖馬は沢山いると言われてる下っ端も見たことがない。それに、とそんな聖馬をおいてリーダーは話を進める。


「君はこの組織に来た時の事を覚えているか。」


ゆっくりと首を振る聖馬。そう、彼は昔の記憶がないのだ。いつからこの組織に身を置いているのかも分からない。


「私もそうだった。気付けばこの組織に身を置かれていた。というか、置き去りにされていたんだよ。小さいころからね。でも、不思議には思わなかった。フフ、不思議に思えなかったこと自体が不思議なんだけどね。」


そういって、リーダーは自嘲するみたいに笑った。








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