死にたかったあの頃の僕
覚え書き。
死にたかった。理由は、特定できない。
理由がないわけではない。けど、一つじゃない。
そのどれをとっても理由としてはしっくりこない。そのどれも、除いたらしっくりこない。
道端に小石があるから死にたくなった。
毎晩、肺に空気を送るのさえ億劫だった。
孤独だった。
日々、友人に囲まれて孤独だった。
誰もが僕の敵だった。
どんな言葉にも裏があった。
それでいて、僕の一番の敵は僕だった。
憂鬱だった。
雨が好きだった。悲しくて。
悲しみが好きだった。
幸福が嫌いだった。
楽しみは儚かった。
悲しみの中は安全だった。寒かったけど。
暑くはなかった。
全てが灰色だった。
日常が単調だった。
日々が無意味に溢れていた。
どこにも敵はいなかった。さっきは便宜上、敵なんて言っただけ。
本当は、僕の首を、心を締め付ける真綿だった。
真綿に溢れていた。
柔らかい残酷だった。
未来はなかった。
あったのは過去という影。
熱中するのが嫌いだった。
好きになることを忌避した。
どれも愚行だった。
どんなことも愚行だった。
ただ、生きていた。
愚行だった。
心をペンで搾ることに熱中した。
灰色の原液がノートにぶち撒かれていた。
人は、これを黒歴史と言うらしいが。
黒くはない。灰色なので。
微笑を浮かべた。
それが僕の鎧だった。
着れば着るほど真綿がはっきりと見えた。
残酷な世界で踊り狂った。
灰色の青い炎が揺れていた。
迷いながら何かを手繰り寄せていた。
〜後日譚〜
死にたかったあの頃の僕は、今では普通に生きている。厚かましくも幸せだと感じながら。
理由は特定できない。
私の生きてきた道のりそのものがその答えだ。
これは自殺を肯定する作品ではない。単なる覚え書きだ。
あの頃の感情を忘れないようにするためのものだ。
だが、私はあの頃の僕を肯定する。
あの日々が、あの軌跡が今の私を作っている。
死にたがりの君たちへ
もしかしたら、この覚え書きは夜の電灯かもしれないから書いておく。群がる場所になれば、道標にもなりうる。
話そう。対話しよう。自分のベールを剥がせ。他人はどうでもいいし、どうでもよくない。
理解不能で世界が溢れていることを理解しよう。
大概、世界は矛盾でできている。
可能性と不可能性は常にコミュニケーションにつきまとう。
無理なものは無理。だから無理じゃないと信じる。
あほらし。
肩の重みを下せ。
世界を笑い飛ばせ。真剣にな。
希望を信じろ、絶望を信じろ。
理想を信じろ、現実を信じろ。
善性を信じろ、悪性を信じろ。
世界が二重に見えるはずだ。
自分が、現実が、認められるようになるはずだ。
世界は認識で変えられる。
哲学を学べ。
作品に触れろ。良作に触れろ。
ラノベでも、文学でも、アニメでも、ボカロでも、JPOPでも、映画でも、絵画でも。
なんでも喰え。
日常に意味を見出せ。
現在を未来の一部にしろ。
あたらしい世界ができるはずだ。
それは、希望でもあり絶望でもある。
そういう風にできている。
多分。
人様に言える義理ではないが。
私には、私の人生を全て書くことはできないから、でまかせに違いない。




