表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

死にたかったあの頃の僕

作者: 夢飾
掲載日:2026/05/05

覚え書き。


 死にたかった。理由は、特定できない。

 理由がないわけではない。けど、一つじゃない。

 そのどれをとっても理由としてはしっくりこない。そのどれも、除いたらしっくりこない。


 道端に小石があるから死にたくなった。

 毎晩、肺に空気を送るのさえ億劫だった。


 孤独だった。

 日々、友人に囲まれて孤独だった。

 誰もが僕の敵だった。

 どんな言葉にも裏があった。

 それでいて、僕の一番の敵は僕だった。


 憂鬱だった。

 雨が好きだった。悲しくて。


 悲しみが好きだった。

 幸福が嫌いだった。

 楽しみは儚かった。


 悲しみの中は安全だった。寒かったけど。

 暑くはなかった。


 全てが灰色だった。

 日常が単調だった。

 日々が無意味に溢れていた。


 どこにも敵はいなかった。さっきは便宜上、敵なんて言っただけ。

 本当は、僕の首を、心を締め付ける真綿だった。

 真綿に溢れていた。

 柔らかい残酷だった。


 未来はなかった。

 あったのは過去という影。


 熱中するのが嫌いだった。

 好きになることを忌避した。

 どれも愚行だった。

 どんなことも愚行だった。

 ただ、生きていた。

 愚行だった。


 心をペンで搾ることに熱中した。

 灰色の原液がノートにぶち撒かれていた。

 人は、これを黒歴史と言うらしいが。

 黒くはない。灰色なので。


 微笑を浮かべた。

 それが僕の鎧だった。

 着れば着るほど真綿がはっきりと見えた。


 残酷な世界で踊り狂った。

 灰色の青い炎が揺れていた。

 迷いながら何かを手繰り寄せていた。



〜後日譚〜

 死にたかったあの頃の僕は、今では普通に生きている。厚かましくも幸せだと感じながら。

 理由は特定できない。

 私の生きてきた道のりそのものがその答えだ。

 これは自殺を肯定する作品ではない。単なる覚え書きだ。

 あの頃の感情を忘れないようにするためのものだ。


 だが、私はあの頃の僕を肯定する。

 あの日々が、あの軌跡が今の私を作っている。


 死にたがりの君たちへ

 もしかしたら、この覚え書きは夜の電灯かもしれないから書いておく。群がる場所になれば、道標にもなりうる。

 話そう。対話しよう。自分のベールを剥がせ。他人はどうでもいいし、どうでもよくない。

 理解不能で世界が溢れていることを理解しよう。

 大概、世界は矛盾でできている。

 可能性と不可能性は常にコミュニケーションにつきまとう。

 無理なものは無理。だから無理じゃないと信じる。

 あほらし。

 肩の重みを下せ。

 世界を笑い飛ばせ。真剣にな。

 希望を信じろ、絶望を信じろ。

 理想を信じろ、現実を信じろ。

 善性を信じろ、悪性を信じろ。

 世界が二重に見えるはずだ。

 自分が、現実が、認められるようになるはずだ。

 世界は認識で変えられる。

 哲学を学べ。

 作品に触れろ。良作に触れろ。

 ラノベでも、文学でも、アニメでも、ボカロでも、JPOPでも、映画でも、絵画でも。

 なんでも喰え。

 日常に意味を見出せ。

 現在を未来の一部にしろ。

 あたらしい世界ができるはずだ。

 それは、希望でもあり絶望でもある。

 そういう風にできている。

 多分。

 人様に言える義理ではないが。


 私には、私の人生を全て書くことはできないから、でまかせに違いない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ