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『フォロワー0の僕が、学園一の配信者とバズった日』  作者: 優貴(Yukky)


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3/8

第3話『バレたら終わりの秘密』

翌朝。

春の朝の空気はまだ少し冷たく、校庭の芝生には夜の露が残っていた。

校門の横に並ぶ桜の木は満開で、風が吹くたびに淡い花びらがふわりと舞い落ちる。

登校してくる生徒たちは、スマホを見ながら騒いでいた。

「見た!?ミアちゃんの新動画!」

「昨日のやつ?」

「もう30万再生いってる!」

「マジで!?」

その声を聞いて――

春宮ユウトは足を止めた。

「……30万?」

ポケットからスマホを取り出す。

動画アプリを開く。

ミアのチャンネル。

昨夜投稿した動画。

再生数。

327,000再生。

「うそ……」

ユウトは思わずつぶやいた。

一晩で30万。

今までの自分の動画の合計再生数より、はるかに多い。

そのとき後ろから声がした。

「おはよ」

振り返る。

そこにいたのは――

白崎ミア。

今日も相変わらず目立つ存在だった。

銀色の髪が朝の光に輝き、通り過ぎる生徒たちが思わず振り返る。

ユウトは小声で言う。

「おはよう」

ミアはスマホを見せてきた。

「見た?」

画面には例の動画。

再生数。

34万。

ミアはニヤッと笑う。

「すごくない?」

ユウトは驚いたままだ。

「…こんなに伸びるんだ」

「私もびっくり」

「コメントもすごいね」

二人は歩きながらコメント欄を見る。

『今回神回』

『編集うますぎ』

『ミアちゃんの動画進化してる』

ミアは肩をすくめる。

「ほら」

「何?」

「編集バレそう」

ユウトは固まった。

「え」

ミアは小さく笑う。

「大丈夫大丈夫」

「そんなすぐバレないよ」

そのとき。

校門前でクラスメイトの声が聞こえた。

「ミアちゃん!!」

「おはよー!」

数人の女子が駆け寄る。

ミアはすぐにいつもの笑顔に戻った。

「おはよ!」

女子の一人が言う。

「昨日の動画やばかった!」

「ほんと?」

「めちゃ面白かった!」

「編集神だった!」

ミアは少しだけユウトをチラッと見る。

そして言う。

「でしょ?」

ユウトは静かに顔をそらした。

教室。

朝のホームルーム前。

クラスはすでにミアの動画の話題で盛り上がっていた。

「昨日の動画見た?」

「テンポ良すぎ」

「今までと違うよな」

そのとき。

一人の男子が言った。

「なあ」

「何?」

「編集者変わったんじゃね?」

ユウトの心臓が跳ねた。

ミアは笑いながら答える。

「えー?」

「どうだろ」

男子はスマホを見せる。

「コメントもそう言ってる」

ミアは軽く肩をすくめた。

「秘密」

「えー!」

「教えてよ!」

「企業案件とか?」

「違う違う」

クラスはさらに騒ぎ出す。

ユウトは机に座りながら小さくつぶやいた。

(怖いな……)

人気が出るほど。

秘密は目立つ。

そのとき。

ガラッ。

教室の扉が開いた。

「おはよー」

入ってきたのは――

黒瀬カイト。

この学校の有名人の一人。

イケメンで、スポーツ万能。

しかも――

動画配信者。

フォロワー数。

20万人。

カイトはミアの机へ歩いてきた。

「ミア」

「ん?」

「昨日の動画見た」

ミアは笑う。

「ありがと」

カイトは真剣な顔で言った。

「編集変えた?」

教室が静かになる。

ミアは一瞬だけ考えた。

そして言う。

「気のせいじゃない?」

カイトはじっと見つめる。

「……そうか」

でもまだ疑っている目だった。

ユウトは目を伏せた。

昼休み。

屋上。

青い空と春の風。

校庭ではサッカー部が練習している。

ミアはフェンスにもたれながら言った。

「カイト気づいたね」

ユウトはため息をつく。

「鋭いね」

「まあ配信者だし」

ミアは空を見る。

「でもさ」

「うん」

「昨日の動画」

「うん」

ミアは笑った。

「もう50万再生。」

ユウトは驚く。

「え!?」

「見て」

スマホ画面。

502,000再生。

ユウトは言葉を失った。

「半日で……」

ミアは笑う。

「ね?」

「すごいでしょ」

ユウトは言う。

「ミアの人気だよ」

ミアは首を振る。

「違う」

「え?」

「編集」

ユウトを指さす。

「君の力」

ユウトは困った顔をする。

「そんなことないよ」

ミアは真剣だった。

「あるよ」

「昨日までの動画」

「10万再生くらい」

「でも今回」

「50万」

ミアはニヤッと笑う。

「つまり」

「最強コンビ」

ユウトも笑った。

「かもね」

そのとき。

屋上の扉が開いた。

ガチャ。

二人は振り返る。

そこに立っていたのは――

黒瀬カイト。

ミアが言う。

「カイト?」

カイトはゆっくり近づいてくる。

そして言った。

「なあミア」

「何?」

「やっぱり変だ」

ミアは笑う。

「何が?」

カイトはスマホを見せた。

「この編集」

「プロレベル」

そして――

ユウトを見た。

「こいつか?」

空気が凍った。

ミアが言う。

「え?」

カイトは続ける。

「図書室」

「昨日」

「見たんだよ」

ユウトの心臓が止まりそうになる。

カイトはゆっくり言った。

「ミアの動画」

「編集してるの」

「お前だろ。」

春の風が屋上を吹き抜けた。

桜の花びらが舞う。

そして――

ミアが静かに言った。

「……どうする?」

秘密が。

今。

バレようとしていた。

(第4話へ続く)

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