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異世界でもぎりヤれるっちゃヤれる。(ギリとは言っていない)  作者: ひとよが
始まり

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19/19

ギリ旅立ち

【マルコ商会 応接室】


「……グリフォンと遭遇したんですか?」

「まぁ逃げられたんだけどな」


納品がてらお茶話に花を咲かせているところだったが、商会長の顔は驚愕の極みと言った顔つきだ。


「ゲイル・ラプターを持ち込まれた時はよく生きて帰られたと感心しましたが…よもやグリフォンと遭遇して生還されるとは…」


「そんな大袈裟な話なのか?」

「はい…滅多と聞かない話なので、よければ詳しくお伺いできますか?」


マルコはまるでヒーロー物語を聞く子供の様な顔つきでグリフォンとの遭遇時の状況を聞いていた。しばらくして話を聞き終えたマルコは今日2度目の驚愕顔を披露してくれた。



「……ヒビキ様、そのお話が間違い無ければ、それは普通のグリフォンでは無く、上位種の【カイザー・グリフォン(皇帝鷲獅子)】です」


「へぇ〜、カッコいい名前だな」

「『へぇ』って…カイザー・グリフォンはドラゴンの子供でも襲う程の脅威ですよ、この辺りの生態系ではドラゴンを除けば上から3番以内、空に限定すれば間違いなくNo1でしょうな。【天空の覇者、空の皇帝】その呼び名は伊達じゃありません」


中二病ど真ん中のネーミングだが、あの威風堂々とした佇まいは正に王者の風格だったのは間違いない。その後、カイザーグリフォンのスペックを聞けば聞くほど戦わなくて(引いてくれて)良かったと心から安堵した。無知とは恐ろしい…


ドラゴンは飛ぶことも出来る生物ではあるが、飛ぶこと自体は得意ではないらしい。話を聞いてるとドラゴンはインファイトボクサー、カイザーグリフォンはアウトボクサーって印象を受けた。因みにカイザーグリフォンは魔法も使うらしい…ほんとこの世界の生物ってのは…


取り敢えず無知では無くなったから、次回遭遇した時は(遭遇しない事を願うが)速やかに退避させて頂こう。


割とまとまった小銭を稼げたので食料などを仕入れてから再びフィールドへ出る。水影迷彩のお陰で、ソロでも通用する様になり、フィールドへの滞在時間が飛躍的に増えた。食料も現地調達出来るので、実質的に風呂にこそ入らないが匂いを消す為の


超音波洗浄ウルトラソニック・ウォッシュ】。


があるから別に入りたいとも思わない。テントも水影を使えば完全防水(撥水&冷暖房)の超高性能テントに早変わりで荷物が少なくて済む。


「あれ?コレもしかして完成じゃね?」


夕食の肉を水影鉄板(IH)で焼きながら気付いてしまう。思えばもう2週間以上は街に戻っていない。最初は暖かい寝所や飯や女とか色々欲しいものを思っていたけど、こうして自分磨き(レベリング)をしている今が1番楽しい。


気が付けば2週間が過ぎてるなんて事は生まれてこのかた初めて経験した。(夏休みを除く)


特に金が欲しいわけでも無い。とにかく自分を高める事が楽しい。あのカイザーグリフォンとの遭遇依頼、この世界をもっともっと見て周りたいと言う冒険心が抑えられない。


気が付けば翌日には商会から受けていたクエストの納品を済ませて旅に出ていた。勿論商会にはその旨を伝えてある。各国の付き合いのある商会にも顔が効く様に手配までしてくれ、マルコには本当に世話になった。


解毒薬の類は少し多めに仕入れて旅支度を整える。全身を黒で統一している異様な出立ちに、反りのある独特な片刃の剣、火炎魔法を打ち消し水を操るソロの魔法剣士はいつの間にかこの街で少し有名になりつつあった。


短い滞在だったが、ソロと言う厳しい条件でフィールドで生き抜くための知恵を絞りださせてもらったし、大きく成長させてくれたこの地には感謝しかない。



「さて、行くか。」



旅立ちには向かない空模様だが、行くと心に決めたからには進むしか無い。


次第に雨が降り出し、足元も悪くなる。しかし俺に雨は関係ない。


「やれやれ、よっと!」


フォン…


全ての雨が俺を避け、まるで旅立ちの門出を祝う様にあちらこちらで雨が踊っている。


ここから本当の冒険が始まる。



 — 完 —


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