7/8
第七章:ハーブの学校
一年後。
私は、城の一角に「癒しの園学校」を設立した。
ハーブの育て方、アロマの使い方、自然との付き合い方を教える学校。
村の娘たち、城のメイド、貴族の令嬢まで、誰でも学べる。
エミリアは講師になり、アーロンは園芸指導を担当。
オルガも時々遊びに来るようになっていた。
「エリアーデ、このカレンデュラ、きれいに咲いたわね」
「うん。傷の治癒に使うんだよ。君の切り傷、もう大丈夫?」
「ええ。あなたのハーブのおかげで、痛くないの」
ロドリゴも、時々訪れる。
「……俺も、庭でタイムを育て始めた。料理に使えるらしいな?」
「王太子殿下が料理? びっくり」
「お前が教えてくれたんだ。小さなことから、変われるって」