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第六章:王宮の茶会
王宮で茶会が開かれる事となる。
「エリアーデ様、あなたも出席なさい」
それは国王の命令だった。
私は、ハーブティーのセットを持って参加する。
「これは?」
「カモミールとレモングラスのブレンドです。リラックス効果があります」
「貴族の令嬢が、自作のお茶を?」
「はい。村の病を治したのも、このハーブたちのおかげです」
場が静まったが、オルガだけは微笑んだ。
「私も、エリアーデさんのハーブ園で、心が癒されました。あの香りは、怒りを溶かすみたい」
ロドリゴも次いで言う。
「母の思い出も、少しずつ抱きしめられるようになった。カモミールのせいかもしれない」
国王は深くうなずいた。
「……エリアーデ・ノクティア・アルトフォール。お前は、悪役などではない。この国に、癒しをもたらした者だ」
私は目を潤ませた。
「……ありがとうございます」