リアルで会うのは初めてな話と、黒幕と利用された死者の話
「何を考えている?」
リリスが助けたことになっている、剣聖紋持ちの青年。
王子様とはまた別の美丈夫である。
その彼を、リンは無理を言って守護騎士にしてもらったのだ。
今日は彼の初出勤日である。
リンが住まわせてもらっている屋敷。
守護騎士の青年――タクトは、そこで住み込みで詰めることとなる。
「さて、なんだろうね?
当ててみたら、薔薇ジャム、じゃなかった。
リリス様の担当に戻してあげてもいいよ」
リンの上からの物言いに、タクトは剣の柄へ触れる。
「……っ貴様、なんの権限があって」
タクトは憎々しそうに言ってくるが、リンはポーション作りの手を一旦休める。
それから、百合の紋章をタクトへ見せつける。
「はい、この紋章が目に入らぬかー」
「ニセモノだろ」
「それを判断するのは、お前じゃない。
この紋章は本物と判断された。
だから、俺はここにいる。
それだけだ」
そこまで言って、リンはじーっとタクトを見た。
「なんだよ?」
タクトが、どこか気圧されたかのように居心地悪そうな表情で聞いてくる。
リンは、なにかを試すようにこう訊ねた。
「俺に、なにか言うことない?」
「はあ??」
「お礼とか」
「俺が?
お前に??」
「……王子様からなにも聞いてない?
腹の傷のこと、蘇生のこと、なんでもいいんだけど」
実は、王子からタクトへ、誰が彼を救ったのかは説明がされていた。
しかし、タクトはそれを認めようとすらしないのだ。
王子に対しては、表向きリンが助けたということに納得した振りをしているだけだ。
「リリス様に助けられた。
あの方こそ聖女だ。
お前みたいな、穢らわしい存在とは違う」
「まぁ、そだね。
あの人の出してくれたクッキーと薔薇ジャムは絶品だったし。
うん、こんな育ちの悪いガキンチョにも優しかったから、いい人だと思うよ、あの人は」
「わかっているなら……」
「そういえば、薔薇ジャムだけじゃなくて、あの人常に薔薇に囲まれてるんだよね。
まるであの人自身が、薔薇みたいに、バラの香りを纏ってる。
これについて、思うところは?」
「は?」
「リリスさんの匂い、いい匂いだよね、って話。
でも、なんて言うんだろう。
薔薇の香りと化粧の匂いが混ざりあって、けっこうきつかったなって。
あんたはどう思う??」
タクトは一瞬きょとんとした。
しかし、すぐに嘲笑する。
「女性の纏う匂いが気になるとは、その年でとんだ変態だな」
嘲笑を無視して。
向けられる悪意を無視して。
リンは訊いた。
「……あんたは、どう思う??」
真っ直ぐ、なにかを見透かそうとするかのように、リンはタクトを見つめた。
「……ッチ」
舌打ちが返ってきた。
「穢らわしい偽物に、あの方の話をするのもおぞましい!!」
そんな怒鳴りつけなくてもいいのになー、とリンは思ったが、口には出さなかった。
その日の夜。
私室にて、リンは口を開いた。
「さて、どうだった??
鑑定士さん、考察厨さん、スネークさん??」
その言葉を受けて、隠密スキルにて姿を隠していた三人が姿を現した。
鑑定士、考察厨、そして考察厨が連れてきたスネークと自称他称されている者たちだ。
こうして、リアルで顔を合わせるのは初めてだ。
さて、何故この3人がこの場に居るのかというと、
※※※
10:リン
そんなわけで
いろいろ調べるには好条件かと思って
剣聖紋持ちを守護騎士にしてもらったぜ
王子様とか王女様には反対されたけど
頑張って交渉したんだぜ
( *˙ω˙*)و グッ!
11:名無しの異種族
そ、そうか(´・ω・`)
12:名無しの異種族
どんな交渉したのか気になる
13:リン
そんなわけで、剣聖紋持ちを調べてくれる人大募集
出来れば、隠密スキル持ちと鑑定スキル持ちがいいな
14:考察厨
あ、じゃあ、俺、隠密スキル持ちのスネークと知り合いだから
二人でスレ主ん家いく
15:リン
>>14
おkおk
16:リン
あとは、行きたい鑑定士いるかー??
17:鑑定士
じゃ、俺立候補するー
ヾ(*´∀`*)ノ
18:鑑定士
こう見えて、自営業の鑑定士だからな
国から認められた、誰でも鑑定していい資格もちよ!
19:名無しの異種族
あ、鑑定士って基本、枷はめられてるもんな
誰かれ構わず鑑定できないように
20:リン
よし、じゃあこの三人で俺ん家来てくれ
剣聖紋持ちの初出勤日が、三日後
住み込みだ
俺は朝からポーション作りしてるから、そうだな
裏口の鍵を開けとく、そこから勝手に入ってくれ
あとは、姿隠して適当に調べてくれればいい
※※※
というやり取りがあったからだった。
鑑定士が、今日一日、剣聖紋持ちを鑑定し続けてわかったことを報告する。
「【隷属魔法】かけられてたな。
それとは別の魔法も使われてた。
その魔法で、こっちのこともタクトの目を通して見てたよ。
さすがに、こっちから見返すとバレそうだからしなかったけど。
後は、認知もろもろ歪ませる魔法もかけられてた。
とにかく、黒幕さんは、お前のことが気になって仕方ないみたいだぜ、スレ主」
鑑定士が楽しそうに報告する。
鑑定士の報告内容に、考察厨がドン引く。
「うぇ、まじか?!
【隷属魔法】って、別名【奴隷魔法】って呼ばれてる胸糞魔法じゃねーか!!
犯罪だぞ、犯罪!!」
【隷属魔法】とは、現代では使用はおろか研究すら禁じられている魔法だ。
かつて、終身刑などの犯罪者に使われていた、対象者を意のままに操れる魔法である。
戦場での捨て駒として、犯罪者や捕虜をこの魔法を使って操り、たくさん殺してきた歴史がある。
「なかなか面白い気配、いや、臭いがまとわりついてたけど」
そう前置きをして、スネークはリンを見る。
合点がいった、いう風にスネークは言葉を続けた。
「なるほど、だから薔薇の匂いについて確認してたのか」
スネークの言葉に、リンはニヤリとする。
「よかった、俺だけじゃなかった」
「あれは、あの剣聖紋持ちの人の臭い??」
「違うかな」
リンとスネークのやりとりに、考察厨は首を傾げる。
情報が少ないので、二人がなんの事を話しているのか判断がつかないのだ。
それは鑑定士も同じだった。
「何の話だ?」
鑑定士が訊ねる。
スネークが答えた。
「あの剣聖紋持ちの人に、死臭がまとわりついてたんだよ」
「はい??
え、でも、鑑定した限りだとあの人生きてるけど」
これについて答えたのは、リンだった。
言いにくそうに、リンは口を開く。
「死んでるのはタクトじゃないよ。
たぶん、薔薇ジャムさんの方だと思う」
「は?」
「え、どゆこと??」
「薔薇ジャムさんにお茶に誘われて、行ったことがある、ってことは。
前にどっかのスレで書き込んだんだけど、覚えてる?」
三人は頷いた。
ちなみに、このスネークはリンの立てる掲示板を、時々覗いていたので、だいたいのことは知っている。
「あの時は詳しく書き込まなかったんだけど。
薔薇ジャムさんの実家の領地って、薔薇も名産品なんだよ。
だからか、彼女が今住んでる後宮内の家も薔薇だらけ。
たかれてたお香も薔薇の匂いだった。
それこそ薔薇の匂いでむせ返りそうだった。
加えて、その薔薇で作った香水に女性だからか化粧の匂いもすごかった。
でも、その中に死臭が混じってた。
最初は、生き物でも死んでるのかなともおもった。
鳥とかネズミとか。
でも、違った。
彼女自身が、死臭を纏っていたんだ」
傍目には生者となんら変わらない。
だから、リンは勘違いだと思うことにした。
そもそも他者へ臭い、等とさすがに言えるわけもなかった。
けれど、聖女活動で彼女と一緒になる度に、リリス嬢はその臭いをまとわらせていることに気づいた。
「確信しているわけじゃない。
できれば、違うと思いたいけど」
と、ここで考察厨が待ったをかける。
「ちょいまち、死者って浄化をつかえるのか??
ポーション作りは???
こんな事例は聞いたことがなくてさ」
そう言われても、リンも魔法のことはよく知らない。
「どうなんだろ?
俺も生まれてずっと地元出たことないからさ。
……ほかの聖女活動の時がどうなのかは、その場にいないからなんとも言えないけど。
でも、俺と一緒の時。
少なくとも、薔薇ジャムさんは浄化をしていなかった。
浄化の能力をつかうところを、俺は見たことがない」
「マジかー。
あぁ、いいや、これについてはあとで自分で調べるから。
鑑定士、それで黒幕ってわかったのか?
仮に、薔薇ジャムさんが死んでて死臭を纏わせてるなら、死体ごと操ってるって事だ。
ネクロマンサーか、それに似たスキル持ちだろう」
考察厨が鑑定士に、黒幕の正体を聞いた。
自営業の鑑定士というのは、【魔眼】あるいは【神眼】という特殊な上位スキル持ちでもある。
その中でも特に優秀と認められた者たちが多い。
【魔眼】あるいは【神眼】のスキル持ちは、他者の記憶を読み、その記憶越しに鑑定できるという話だ。
そのため、難解な事件が起きると捜査機関から依頼要請が来て協力することもよくある話だった。
「魔族」
簡潔に鑑定士は言った。
リン以外、考察厨とスネークが目を丸くする。
「魔族??」
リンだけ、首をこてんと傾げて聞き返した。
「いわゆる伝説の種族ってやつだ」
鑑定士がそう補足する。
「おとぎ話に出てくる、あの魔族?」
「そう」
鑑定士は再度うなずくと、続けた。
「その魔族は薔薇ジャムさんのお付きの人、執事っぽい服着てたから、たぶん執事だろ。
そいつに化けてる。
常に薔薇ジャムさんの横に控えてたけど、スレ主、覚えてないか?」
もちろん、覚えている。
貴族令嬢に仕える、本物の従者、執事などそうそう観れるものではない。
そのため、リンは薔薇ジャムことリリス嬢からお茶に誘われた、お邪魔した時にその執事のことも物珍しげに見たことを覚えている。
「魔族、魔族……か。
やっぱり存在したな」
リンが鑑定士へむかって首肯する横で、楽しげな考察厨の声が届く。
見れば、考察厨だけではなくスネークもニヤニヤとしている。
「都市伝説はホントだったな」
スネークが考察厨へむかって言葉を投げた。
「だな」
なんのことかわからないので、リンは訊いた。
「都市伝説??」
考察厨が説明する。
「一部の考察厨、特定班、そしてスネーク界隈だと、有名なんだよ。
魔王の眷属だった種族である、魔族。
千年前に魔王と共に滅びたとされている。
でも、今でもどこかで隠れて生きてるとか、隠れ里がある、とかな。
それと、魔王も肉体こそ滅ぼされたけど、魂までは勇者でも倒しきれず、この世界のどこかに封印されている、なんて伝説もある」
「はあ」
「で、俺含めた一部のコテハン勢はそれを見つけようとしてるってわけ」
「まさか本気で信じてる、とか?」
「まぁなー、だって、色々調べてみると結構いろんなところで魔族が生き延びてるっぽい証拠が見つかってるし。
魔王討伐、というより魂の封印に関しても、いろいろ調べてると信ぴょう性があるな、と思わされることが多いんだ」
「都市伝説ってより、陰謀論じゃないかな」
「否定はしない。
まぁ、こっちとしても宝物探しみたいな感覚だった。
でも、ここにきて、魔族が出てきた。
だよな?
鑑定士??」
「そう、魔族だ」
「状況から考えるに、この一連の騒動――王女様への呪殺未遂、スレ主への妨害工作。
そして、今わかった薔薇ジャムさんの状況は、その魔族が関わってることだけは確実だ」
考察厨の声が弾んでいる。
本当に楽しそうだ。
「……そっか。
ちなみに、魔族って実体がちゃんとあるんだよな?」
リンはなにか考えつつ、そう確認する。
考察厨はおもしろいことを聞くな、と思いながら返した。
「あぁ、体のつくりは俺たちや他種族と変わらない」
つまり、普通にぶん殴れるということだ。
「了解、教えてくれてありがとう」
「いや、それは別にいいんだけど。
それでこれからどうするの??」
なにせ、相手は魔族だ。
それも国を支える柱となるべき、聖女紋持ちの死体を操っている。
ヤベェことを企んでいるのは火を見るより明らかである。
「俺、いま、これでも怒っててー」
と、リンはニコニコ顔で言う。
「とりあえず、その魔族の尊厳破壊と顔の形は変えてやりたいな、と考えてるかな」
これに悪ノリするのが、スレ民という存在なのであった。
※※※
【黒幕】とりあえず黒幕の顔の形変えようと思う【判明】
1:リン
ついでに尊厳破壊もしてくるぜ!
( *˙ω˙*)و グッ!
2:名無しの異種族
スレタイからして殺意高くて草
3:名無しの異種族
黒幕?
4:名無しの異種族
ラスボスは、薔薇ジャムさんじゃないの?
5:リン
違う違う(ヾノ・∀・` )
魔族だって
6:名無しの異種族
はい?
7:名無しの異種族
え?
8:名無しの異種族
( ゜д゜)
9:名無しの異種族
( ゜д゜)
10:名無しの異種族
( ゜д゜)
11:名無しの異種族
Σ(・ω・ノ)ノ
12:名無しの異種族
((((;゜Д゜))))
13:名無しの異種族
はい?
魔族って、あの伝説の??
14:名無しの異種族
待って待って待ってwww
なにがどうしてそうなってるの?!
15:名無しの異種族
経緯だ経緯!
16:名無しの異種族
まずは経緯を話せ!
バンバンバンバンバンバンバン
バン バンバンバン
バン (∩`・ω・) バンバン
_/_ミつ/ ̄ ̄ ̄/
\/___/ ̄
17:名無しの異種族
とりあえず、剣を突きつけてきた剣聖紋持ちを無茶言って守護騎士にしてもらっただろ?
で、色々剣聖紋持ちから手がかりを得ようと、考察厨や鑑定士が名乗りを上げた
そのあと、なにがあったん??
18:考察厨
はーい (・ω・)ノ*。.・°*
その辺ことは、俺から説明する
――――――――
――――
――……
53:考察厨
と、まぁ、こんなことがあってだな
54:名無しの異種族
説明サンクス
55:名無しの異種族
黒幕殴りたいってスレ主の気持ちはわかるんだけど
今まで無関心っぽそうだったのに、急になんでスレ主はバチギレしてんの?
どんなことされても、流してたじゃん
56:リン
(。´・ω・)ん?
あー、いや、ムカついたのが
魔族達が自分たちの都合で、飯に下剤盛ったのを知ったから
配下まで探すのはさすがに難しいから、指示役だろう魔族に責任とってもらいたいなっていう
まぁ、俺の勝手な自己満というか、そんな感じ
57:リン
あと、どんな事情があれ
死者を操ってる時点で、外道すぎるからさ
58:名無しの異種族
でもさー、向こうは後宮にいるんだろ?
お茶の招待受けるか、王族から特別な許可をもらわんと入れないだろ
どうやって接触するんだ?
59:名無しの異種族
そりゃ、王子様か王女様に頼むんじゃないか?
60:考察厨
無理だろうな
現時点で、スレ主は自分に剣を突きつけた剣聖紋持ちを守護騎士にするのに、だいぶ苦労したみたいだ
王族としても、スレ主には恩がある上、そっち方面の危険なことには首を突っ込ませないようにさせてる節がある
61:名無しの異種族
じゃあ、どうするんだ??
62:リン
答え:剣聖紋持ちを通して、喧嘩を売る
63:名無しの異種族
はい??
64:リン
まず、王都の外でそこそこ王都から距離があって
開けた場所に移動するだろ?
65:考察厨
その時に、意識のない剣聖紋持ちを連れ出しておく
66:鑑定士
それから、剣聖紋持ちを介して、魔族に喧嘩を売る
魔族もなにげにプライド高いから、その辺はネット上でのレスバの応用でイけると踏んだ
67:配信者
そんなあからさまな特大釣具で釣られたのが
つ【執事服の青年の画像】
コイツだ
68:名無しの異種族
うわぁ( ̄▽ ̄;)
69:名無しの異種族
魔族って、ほんとにいたのかよ、ってツッコミが吹っ飛んだ
釣られたのか、そうか(´・ω・`)
70:名無しの異種族
釣れちゃったかぁ
71:リン
いま、考察厨が魔族から色々聞き出してる
72:名無しの異種族
なんで、配信者が現場におるの??
73:配信者
特定班介して連絡が来て
証拠の記録係やってくれって
74:リン
プロに任せた方がいいかなって
特別に、採算度外視、趣味で作った特級ポーション五本タダであげるからって、ことで来てもらった
75:名無しの異種族
買収されとるwww
76:名無しの異種族
それで、この一連の騒動のこと
魔族はゲロったんか?
77:リン
ゲロってる最中
でも、考察厨に九割方言い当てられてて草
78:リン
王女様の呪殺未遂は今後紋章が発現しないとも限らないから、念の為実行
魔族の中でもいろいろ研究が進んでて聖女でも対処できない呪術だったらしい
成功したかに思えたら、俺がいて阻止
その後、俺を危険視するけど下手に動くと魔族のことがバレる
だから、不自然ではない程度の妨害工作もろもろを行って、俺を折ろうとした
でも、俺が気にしてなかったので失敗
で、今に至るってことらしい
79:リン
薔薇ジャムさんは、魔族が操るために接触したその日に瘴気で殺害
今は、魔族の操り人形ってことらしい
80:名無しの異種族
うわぁ
81:名無しの異種族
ドン引きだわ
82:リン
さすがに、ここには連れて来なかったみたいだけどな
83:リン
まぁ、聞きたい話は聞けたし
もういっかな
じゃ、配信者とスネークはその記録映像持って王子のとこへ
さすがに国から認められた鑑定士の言葉なら、聞くだろ
ダメ押しで俺の名前出すの忘れずにな(`・ω・)b
84:考察厨
んじゃ、俺は剣聖紋持ち連れて逃げるか
85:リン
俺が魔族押し倒すのが見えたら、合図だ
86:考察厨
(*`・ω・)ゞ
87:配信者
(*`・ω・)ゞ
88:スネーク
(*`・ω・)ゞ
89:配信者
って、うお
はやっΣ(゜д゜;)
90:スネーク
ほれ、走れ!!
しかし、伝説から察するに魔族の方が身体能力上だろうに
その魔族でも驚くほどの速さって、どんだけだよスレ主
91:配信者
わかってる!!
92:考察厨
スレ主、魔族の口になに突っ込んだ??
って、火柱と爆風?!
大丈夫か?スレ主!!
93:リン
平気平気
ドラゴンのブレスに比べたら、火力弱すぎ
94:リン
さて、あとは効果が現れる前まで遊んでやるか
95:名無しの異種族
効果?
96:名無しの異種族
なんの効果?
97:リン
天然の下剤
98:名無しの異種族
はい?
99:リン
さっき、魔族の口に無理やり押し込んだの
ファルビティスの種なんだよ
生薬だと【牽牛子】とかいわれてんだったか
100:名無しの異種族
え、それって
モーニング・グローリー、アサガオの種か?
昔は下剤として使われてた、とは聞いたが
101:リン
目には目を歯には歯を
下剤には下剤を、だ
俺、さすがに食い物をそんな扱い方されたの知って
イラつかないほど人間出来ちゃいないんでね
それと、精製された下剤や毒物だと勝手に無効化するみたいでさ
花の種だとそのルールから外れるんだ
だから、姉ちゃんに少し送ってもらった
102:考察厨
おい!!
ほんとに大丈夫か、スレ主!?
爆炎上がってんじゃん!
103:リン
ドラゴンだらけのスタンピードをワンオペで対処した時よりは
全然、ラク
はは、魔族の人焦ってら
いや、ドン引きかな??
人をバケモノ呼ばわりとか、酷いなー
104:リン
それでも、聖女かって言われたwww
105:名無しの異種族
どっちが魔族かわからん暴れ方してるのはわかった
106:リン
おっとーwww
下剤の効果、出てきたみたいだな
腹痛でのたうち回り始めた
これを動画で撮影して、と
そうそうその顔、その顔が見たかった
大丈夫、動けない程度にあとで回復してやるからさ
いまはその醜態、晒し続けろー
107:名無しの異種族
なるほど、尊厳破壊、理解した
――――――――
――――
――……
【数日後】
641:リン
捕まえた魔族が脱走したらしい
642:リン
あと、ようやく、自由に動けるようになったから
報告に来た
643:名無しの異種族
ニュースで大怪我したって聞いたけど
大丈夫なんか??
644:リン
>>643
あぁ、それ嘘
独断専行が過ぎたから、大人しくしてろってことで
王族の避暑地だか別荘地に強制送還されて軟禁状態だっただけ
645:名無しの異種族
まぁ、さすがに今回のことは
事が事だったからなあ
646:考察厨
俺たちはスレ主への協力者ってことで
礼金が出たぞ!
( *˙ω˙*)و グッ!
647:名無しの異種族
薔薇ジャムさんはどうなったんだ??
648:リン
忍び込んでた魔族に殺され操られてたってことで
王宮内は大騒ぎ
で、大神官や大聖女、ほかの聖女紋持ち総出で蘇生させようとしたけど失敗
で、俺が出ていって万事解決の流れとなった
王女様の時とほぼおなじ流れって気づいて、ちょっと笑いそうになった
649:名無しの異種族
腐ってたんじゃないの?
650:リン
薔薇ジャムさん?
うん、腐ってたけど蘇生させた時に、それも元に戻った
いまは、部屋は別だけどこの別荘で一緒に暮らしてる
たくさん話をしてる、やっぱりいい人だな、この人
651:名無しの異種族
一緒にって、なんでまた??
652:リン
さぁ?
王子様の采配らしいけど
とりあえず、一緒にしとこうと考えたっぽい
653:考察厨
なんかあっても、スレ主いれば治癒できるからだろ
654:名無しの異種族
剣聖紋持ちの人はどうなった??
655:リン
あぁ、あのあと、魔法で操られてたこととか
正気に戻ったら全部説明されて顔面蒼白になってた
で、土下座された
元々、真面目な人なんだろうなぁ
敵意は欠片もなかった
あとあと、操られてる間の自分の言動も記憶には残ってたみたいで、責任感じて首吊ろうとしたのを頑張って止めた
死なれて蘇生するのもめんどいからさ
で、いろいろ話して、改めて償いたいからってことで俺の守護騎士になるって言ってくれたから
これを了承した
いまは、ほかの警備員と一緒に別荘の警備したり、市街地へ行く時は護衛してくれたりしてる
656:名無しの異種族
なるほど
657:名無しの異種族
まぁ、ハッピーエンドってことでいい、のか??
658:名無しの異種族
魔族逃げてるけどなwww
659:考察厨
魔族の目的については書かないのか?
660:リン
あぁ、忘れてた
今回の黒幕だった魔族は、魔王復活を目論んでる一派の一人らしい
今回の騒動は、その計画の一部だったって話だ
いざ、復活した時に邪魔な勇者の子孫を、最終的には排除する計画だったんだと
661:名無しの異種族
うわぁ、おとぎ話みてぇ
662:名無しの異種族
じゃあ、魔王復活するの??
663:考察厨
少なくとも、今回の黒幕は本気でそれを目指してるみたいではあったけどな
664:名無しの異種族
アサガオの種にやられたけどな、魔族
665:名無しの異種族
魔族にも下剤が効くんだとわかったのはいいことじゃないか?
(*´艸`)
666:リン
掲示板のこと、王子様たちに話すの忘れてた
ま、いっか
667:名無しの異種族
別にいいだろ、話さなくても
668:名無しの異種族
ドブ川に宝石投げ捨てるようなことすんじゃないよ
669:リン
いや、また、こんなことに巻き込まれた時の連絡手段としてちょうどいいかなって思ってさ
ま、これは機会があれば、かな
それじゃ、今日はここまで
またなんかあったらスレ立てする
そん時はよろしく(・ω・)ノシ
大丈夫だとはおもいますが、一応注意書き。
間違っても、アサガオの種を食べたりしないで下さい。
ガチで危険なので。