6話
パチパチパチパチ――――
真後ろから拍手が聞こえて俺はすぐさま距離をとった
「おやおや、そう警戒しないでください。私は敵ではないですよ。どちらかというと味方に近いですよ。ここに現れたのは貴方にいろいろとボーナスあげに来たんですよ」
「ああ?味方?ボーナス?何が目的だ?今の現状を詳しく教えろ」
「そんなにいっぺんに聞かないでください。ちゃんと説明いたしますよ。まず、私はあなた方を強くしようと考えています。死ななければどんどん強くなっていきますよ。まあ、何人生き残るかなんて興味はありませんが。次に先ほど言ったボーナスですがあなたには『初モンスター討伐特典』『初レベルアップ特典』『初モンスターハウス攻略特典』『初ボス討伐特典』『初階層クリア特典』が与えられます。『取得経験値大上昇』『必要経験値大減少』『超自動回復』『無限貯蔵』『魅了の魔眼』ですね。目的は先ほど言ったことと同じですよ。今の現状とは?外のことが聞きたいのですか?それとも他のダンジョンのことが聞きたいのですか?」
「両方聞かせろ」
「わかりました。まず外ですが警察と自衛隊がダンジョンの周りを囲み無理やり入ろうとしたり、壊そうとしていますね。政治家たちもいろいろ悪だくみをしている人もいますが気にしないでいいでしょうね。次に他のダンジョンですがあなたを含めて10人が生き残っていますよ」
「めんどくせぇことになりそうだがまぁいいだろう…10人といったな、初めに人数を言った時は15人と言ってなかったか?」
「ええ、そうですね。だから5人死んだということですね。戦闘できなかったり罠にかかったりして死んでいきましたよ。でもあなたには関係ないので気にしないでいいですよ」
「そうか…そう…だな」
「そうでした!あなたに伝えることがあるんでした!あなたは今回のもろもろでレベル10を超えましたのでステータスが変化します。後で確認してくださいね。」
「わかった」
「ではこの後あなたにはこれから5階層をクリアしてもっらいます。そしてボス部屋の奥にある会談の先を目指してください。ではまたお会いしましょう。さようなら」
その言葉を残してダンジョングランドマスターは去っていった
「いろいろとステータスの確認をしなきゃいけねぇな」
神沖鳳仙
レベル19
HP19100/19100
MP19100/19100
攻撃力1910+230
力1910+130
速1910+100
魔攻力1910
知1910
魔1910
防御力1910+170
硬1910+170
耐1910
魔防力1910+100
精1910+100
運1910
SP19
スキル
【彼方の可能性を掴み取れ】【鑑定】【強欲】
【剛力Ⅲ】【強固Ⅱ】【俊足】【精力強化Ⅷ】
【繁殖Ⅴ】【物理攻撃半減Ⅴ】【魔法攻撃減衰Ⅱ】
【増殖】【熔解】【跳躍Ⅱ】【取得経験値大上昇】
【必要経験値大減少】【超自動回復】
【無限貯蔵】【魅了の魔眼】
装備
魔導銃 ボロナイフ アイテムボックス(指輪)
【剛力Ⅲ】:所持者の攻撃力(力)に130加算する。さらに腕力を130%上昇させる。
【強固Ⅱ】:所持者の防御力(硬)に120加算する。さらに肉体の強度を120%上昇させる。
【俊足】:所持者の攻撃力(速)に100加算する。さらに移動速度を100%上昇させる。
【精力強化Ⅷ】::所持者の魔防力(精)に80加算する。さらにナニの持続時間と大きさを80%上昇させる。
【繁殖Ⅴ】:的中率を50%上昇させる。
【物理攻撃半減Ⅴ】:所持者の防御力(硬)に50加算する。さらに物理攻撃を半減させる。
【魔法攻撃減衰Ⅱ】:所持者の魔防力(精)に20加算する。さらに魔法攻撃を減衰させる。
【増殖】:スライム系統種などのモンスター以外使用不可
【熔解】:触れたもの・取り込んだものを任意でなんでも溶かす。
【跳躍Ⅱ】:ジャンプするときの高さと速さが20%上昇する。
【取得経験値大上昇】:取得経験値を10倍にする。
【必要経験値大減少】:必要経験値を10分の1にする。
【超自動回復】:HPとMPの自動回復の速度が10倍になる。
【無限貯蔵】:上限を超過して回復したHPとMPを貯蔵しておくことができる。
【魅了の魔眼】:目に魔力を込めて見た相手を魅了する。成功率は自身の魔攻力と相手の魔防力の差に比例する。
「おいおい、いろいろと変わりすぎだろ、ステータスのはじめっからある4つは内容物の2つずつの平均で加算は合計値なのか…めんどくせえな、しかも俺は他人の100倍の速度で成長するのかよ、バケモンじゃねぇかよ…しかもSPなんて意味わかんねぇもんもあるし…ま、ほっとけばいいか」
俺は自分のステータスを見て自分に呆れてしまったが強くなることに文句はないので受け入れた
「しまった、あいつにこのステータスは外でも使えるのか聞いとけばよかった…ま、5階層で聞けるか!さっさと先に進もうか」
そこから俺はダンジョングランドマスター(DGM)に言われた通りにダンジョンを攻略していった
2層の砂漠、3層の草原、4層の森林、5層の墓地をクリアして大量のスキル獲得とレベルアップを経てDGMに言われた場所にたどり着いたがそこには誰もおらず俺が一番初めに着いたようだ
3日ほどかかったが俺以外いないのは予想がいであった
3日かかったのはすべての階層を隅々まで調べたからでもある。それが無かったら2日くらいで行けたと思う
「おい!グラダンマス!暇だからボスモンスターを出してくれ!暇つぶしに戦ってるわ!」
聞こえている想定で叫んでみたら部屋の真ん中の方に光が集まり始めてボスモンスターが現れた
「ははっ!最高じゃねぇか!サンキューな!!」
そこから俺はボスバトルを連戦でこなしていった
そこから待つ(戦う)こと数時間集中しながら戦っていたから周囲に5人の男女がいて6人目が30個ある扉のうちの1つから出てきた
「あ?こんなに人がいたのか気づかなかったぜ」
「かなりの集中力でしたからね、疲れてはいませんか?」
俺のつぶやきに黒髪ロングの見た目大和撫子の女が答えた
『皆様、ここまで攻略していただきありがとうございます。ダンジョングランドマスターでございます。ここに集まった7人で全員でございます。皆様には日本で15個しかない上級ダンジョンの攻略者同士でコミュニケーションをとってもらいます。私に質問がございましたらいくらでもお聞きください。あ、そういえば皆様、これからレベルアップをしたら今までの15倍の上昇をしますよ。ここの空間が全てのダンジョンにつながった判定になってしまったので私の想定外になってしまいました。では、後は皆さまで~』
DGMは言いたいことだけ言ってあとはこっちに全部投げていった
「あ~、まずは自己紹介でもするか?俺の名前は神沖鳳仙、レベルは…43だな」
「!?…すごく高いですね…いえ、先ほどまでの戦いを見たら当然でしょうか…あ!私は八雲 雫です。レベルは15です。」
先ほどの大和撫子が俺に続いた
「オレは金城 恭弥だ。レベルは14だな」
金髪グラサンの厳つい男だ
「儂は六門 十兵衛じゃ。レベルは16じゃな」
よぼよぼそうに見える杖を突いた爺さんだ
「わ、わ、わたしはき、き、吉良 光で、です。れ、レベルは13です。」
名前とは真反対な真っ黒で前髪で目を隠して、吃音賞のようなしゃべり方をした女だ
「はいはいはーい!あたしは今をきらめく大人気アイドル!帝 神楽だよ~!レベルは14!みんなよろしくねぇ~!」
テレビで最近よく見るアイドルがキラキラしながら名乗り上げた
「最後はワシか、ワシの名前は竜胆 一だ。レベルは16になった。よろしく頼む」
頑固者そうなおっさんが最後に名乗りを上げた。
「コミュニケーションったって何すればいいんだ?全員のステータスは~とかやりゃあ良いのか?興味ねぇんだけど?」
「いやいや、待たれい若いのよ。ここには面白い人が多くおるんじゃけい、少し話をしようじゃないかな。この老いぼれに時間をくれんかね?」
「あ?話したいことがあるんなら好きにすればいいじゃねぇか」
「ありがとのう、じゃあ、少し聞くが八雲と金城といったかの?お主等、あの財閥の娘と息子かのう?お主等の名前は儂まで届いておるからよくわかるんじゃよ」
じじいが八雲と金城に聞いた瞬間空間が少しピリついた。
「そうだったらなんだっていうんだ爺さん?それにあんたも六門家の先代当主だろう?こんなところにいていいのか?」
金城が警戒しながら答えているのが分かった。
「なに、少し気になったから聞いただけじゃよ。じゃからそんなに警戒しなさんな。本物かどうか気になったから聞いただけじゃよ。少しこっちに来なされ」
爺さんと金城が少し離れて話し始めたので俺は他の奴らにステータスを一応聞いてみた
「おい、お前らどんな感じのステータスとスキルになってるんだ?それと、SPの使い方わかるやつがいたら教えてくれや」
「え~、教えるのは別にいいけど~聞くんなら自分のを言ってからじゃな~い?」
俺が聞くと帝が俺に先に言えと言ってきた
「帝だったか?…まあ、いいか、俺はレベルアップごとにステータス全部100ずつ増えていってスキルで殺した相手のスキル奪えるからそれで奪って強くなる感じだな」
「うへぇ、野蛮じ~んw、あたしはねぇ、歌と踊りで見方を強化して敵を魅了と弱体化するんだよ~!すごいでしょ~!でもでもあたしはレベルアップごとに91ずつしか増えていかないんだけど~何で?」
「私は手に入れた薙刀と風の魔法で戦っております。レベルアップしたら99ずつ増加いたしますね」
「わ、わ、わたしは、え、え、え、えっと、あ、あ、あ、暗殺です。き、気づかれないの、で。れ、レベルアップしたら、あ、あの、93ずつ、ふ、増えます。」
「ワシは自分で作った武器で敵を倒しとるだけじゃ。作れるもんなら何でも使えるわい。ワシは95であったかな」
全員レベルアップの数字が違いこのことからレベルが上がるほど俺らの中で差が生まれてくることになる
「あ?そんなに差があんのかよ、俺なんて現段階で29510のステータスしてんだぜ?レベル15とかの時も1500とかしてたからな、1でも違えばレベル100になった時なんてステータスに1500いかない位の開きができんだぜ?何が基準なんだ?おいグラダンマス!」
『はいは~い、違いは初めての戦闘での評価の差ですよ。まあ、評価はそれぞれのダンジョンの管理人がやっているので詳しくは知りませんがね』
「なるほどな、俺はあれが悪さした可能性もあるな」
『そうですね、あと一つお願いがあっるんですが、今東京ダンジョンの扉に包丁で穴をあけそうな人がいるんですが、神沖様何とかなりませんか?』
「あ?東京って言ったら俺が入ったところで、包丁って…俺の姉貴しかいねぇだろ」
「「「え?」」」
俺の姉だと判明したとたん女3人がポカンとしていた
「俺の姉貴は一般的に言うとヤンデレ?っていうやつなんだよ。俺に関することになったら限界突破をしてなんでも解決するんだよ。適当に相手にしとけば便利だからいい女だぜ」
『そのあなたのお姉さんが思いっきり包丁でドアを開けようとしているので止めてくれません?壊されるのは勘弁してほしいんですが』
「…声聞こえるようにしてくれ」
『あ、あなたたちの声は聞こえているので外の声を聞こえるようにしますね』
DGMが言ったとたん空中に映像が出てきて外の音が聞こえ始めた
『ほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくんほうくん』
「おいゴミ、俺が気に入ったところを壊そうとしてんじゃねぇよ、俺がお前を殺すぞカス。」
『ほうくんほうく…はっ!ほうくん!!!大丈夫!?今お姉ちゃんが迎えに行くからね!待っててね!すぐ行くから!』
『いや~、この人たちが10階層までクリアするまで待ってもらえませんかねぇ、そしたらこの上級ダンジョン以外の中級や下級も一般開放する予定なので~』
「だそうだ、おとなしく家で待っとけ」
『はーい!』
姉貴は俺の言葉を聞くや否や走って家のある方向に走っていった
「よし、これで解決でいいか?」
『はい!ありがとうございます!それでは両方の映像と音声を消させてもらいますね。サービスタイムは5階層までです!この後は自分で調べてくださいね!』
空の映像が消えて音が全くなくなった
『では皆様、それでは探索頑張ってください!自分のダンジョンに戻ってもいいですし他の人と一緒に攻略してもどっちでもいいですよ。皆様全員が10階層クリアしたら一般開放になりますんで、ゆっくりと攻略してください!それでは~』
その声と共にDGMの気配が一切なくなった
「それで、誰かと一緒に行くか?個人でいくか?」
「オレは自分のところに戻らしてもらう」
「儂もここより自分のところのが楽そうじゃけん戻らせてもらおうかの」
「ワシもここよりも自分のところの方が鉱石が多く取れるからもどる」
「そうか、他の奴は?」
男どもは自分のところに戻ると言った
「私は神沖さんに付いて行こうと思います」
「あたしも~!」
「わ、わ、わたしも付いて行って、い、い、い、いいですか?」
女たちは俺についてくると言った
「…じゃあ、そういうことで…解散!」
それぞれが自分の言ったとおりの行動に移っていった