マーロン星人、地球にハマる
とある一人のマーロン星人の出来事。宇宙の色々な星から、珍しいものを集めて、宇宙ネットワークで高値で売り捌くことを生業にしていた。マーロン星人は背が近く、成人になっても身長は1メートルほど。二足歩行で、手足は短く、大きな白い頭と口を覆うマスクは大きな人間の赤ちゃんにしか見えない見た目だった。マーロン星人の腕には特殊なデバイスが装着されており、スキャンした物体をそのままデータとして保存でき、専用の複製機を使って物体を再現できるのだ。
さまざまな星の建造物やオブジェ、飛行船や武器など、これまでに1000万種類ものスキャンを繰り返してきた。
そして、マローン星人は文明レベル底辺の地球という星に目をつけた。最寄りのワームホールから宇宙船の亜高速移動で1カ月。地球の大気圏外に到着し、宇宙船と自身を透明化にする。大気圏内に突入したマローン星人は驚いた。緑一面の森、壮大な海、険しい寒さの雪原。そして都会のビル群。マローン星人は景色に飽きることはなかった。嘗めてた惑星は、自然の美しさに満ち溢れていた。宇宙船の左右に翼を広げて飛ぶ鳥たちは、集団の美を教えてくれる。マーロン星人は当たりの星だと確信し、早速鳥を一匹スキャンした。ピラミッド、十字架のイエスキリスト、自由の女神、エッフェル塔、サクラダファミリア、さっきのとは違う十字架のイエスキリスト。マーロンのスキャン数は一日で1万を超えていた。
そして何よりの驚きが、この地球の食文化が進んでいることであった。マーロンは盗んだハンバーガーを食べながら、スキャンしたドーナツや、フランスパン、ソーセージやネズミの姿焼きなど、満足のいく内容を見返していた。
気付けば地球に到着して一カ月。マーロンはハワイのビーチで友人のシロント星人そっくりのガーリックシュリンプを食べていた。地図をみたところ、あらかた行き尽くしたようである。大きな大陸は調べたので、次にマーロン星人は小さな島国に目をつけた。こういう島国には独自の文化が発展していることが多い。長年の捜索のかんが働く。
そして、マーロン星人は膝から崩れ落ちた。訪れた日本という場所は、まさに追い求めていた宝の山であった。神社仏閣、伝統品の数多、そして自動販売機。スキャンデータのメモリーが足りない。
マーロン星人は運命の出会いをした。
「アキハバラ、、、」
マーロン星人、日本にハマる。