第1章ー④
「《見えざる手よ、我に仇なす者を捕らえよ》」
その呪文が唱えられると同時に、体が宙に浮かび上がった。
魔術ー神の言葉を借り、この世に変化をもたらす神秘の技だ
今の魔術を行使した人物ーロイが、こちらへと近づいてきた
「はいはい、喧嘩はおしまい。二人とも仲がいいのはわかったから」
「「良くないっ!!」」
否定するが二人の息はピッタリだ
これには残りの三人も呆れるしかない
仕方なくといったふうに魔術を解除するロイ
「ふんっ、今回は見逃してあげるわ」
「はあっ?そっちが先にしかけてきたんだろ」
さも勝ったかのふうに振る舞うミンディアに睨みを利かす
「終わりって言われただろ。こっちを手伝え」
ガランに首根っこを掴まれて荷物運びをさせられた
くそ、余計なことを
そう思いながらも渋々荷物を下ろし始める
すると喧嘩の間ずっと黙々と作業を続けていたユーラと目が合った
「二人とも...うるさかった」
小声でボソボソと言われる
そう言われてもなー。とりあえず謝っておく
するとその様子を見たミンディアに詰め寄られる
「ほら、あんたが悪いんじゃないのよ」
「今のはそういうことじゃないんだよ」
そして再び始まる睨み合い。ほかの3人はもう止める気も無いようだ
「おーいボウズたち、コッチも時間がないんだ。早くしてくれねーか」
「「「すいません」」」