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婚約破棄により自由になった聖女と自滅した愚かな王子  作者: 神無月蓮晃
【第一章マリアとランス】
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王族と再会する聖女

今回は王族と再会する聖女の話です。

「国王陛下、王妃様、お久し振りでございます。ご壮健で何よりです」

神殿に転移後、直ちに王宮に赴いて、国王と王妃に謁見した。

「そなたも元気そうだな」

「貴女が戻るのを待っていましたよ」

二人共、機嫌が良さそうだった。

私は機嫌が悪いけどね。

「ランスが婚約破棄などという愚行を犯して、申し訳なかった。改めて第四王子スピアとの婚約をして欲しいのだが、承諾してくれぬか」

「お断りします。婚約の条件は契約から除外された筈です」

速攻で拒否した。

あの腹黒王子との婚約なんて、絶対にお断りよ。

「そこを曲げて、承諾してくれ」

本当にしつこいわね。

鬱陶しいから、少し脅しを掛けよう。

「これは明らかに契約違反です。直ちに帰国します」

「待ってくれ。今の発言は撤回する。無理を言って、悪かった」

国王は焦って、発言の撤回をした。

相変わらず優柔不断な国王だった。

「残念だわ」

王妃が小声で何かを呟いている。

どうやら落胆したみたいだ。

似た者夫婦だと思った。


「聖女マリア、お久し振りです」

「スピア殿下、お久し振りでございます。ご壮健で何よりです」

スピア殿下に謁見したのだが、本当は腹黒王子とは謁見したくなかった。

「ところで私との婚約を拒否されたと聞いたが、再考してもらえないか」

早速婚約についての話になった。

これだから謁見したくなかったのよ。

「お断りします。絶対に王族との婚約はしません」

絶対に婚約しないと宣言した。

「分かった」

流石の腹黒王子も落胆したようだ。

「話は変わるが、兄の処罰の事は聞いたのか」

「聞いていません」

「兄は王籍剥奪されて、ドンク子爵家に婿入りした」

ランス殿下が王籍剥奪されて、婿入りした。

初耳だった。

「私には関係ありません。興味も無いです」

私には関係無いので、適当に返答した。

スピア殿下が私を観察するかのように凝視している。

全身に悪寒が走った。

この腹黒王子は要注意だと、改めて思った。


「聖女マリアが再派遣されただと」

マリアが再派遣されたと聞いて、とても驚いた。

まさか戻って来るとは、思わなかった。

これはヨリを戻すチャンスかもしれない。

ランスが邪悪な笑みを浮かべた。


「よく戻ってくれた。聖女が二人居れば、結界の維持は問題無い」

「「「ありがとうございます」」」

「聖女が二人?二人って、どういう意味ですか」

神官長と神官達に再派遣を感謝されたが、看過出来ない発言があったので、神官長を問い詰めた。

「実は貴女が居ない間に結界を維持出来る者を探したら、アロー王女が膨大な魔力を有している事が判明したのです。そして聖女認定をして、結界の維持をしてもらっています」

どうやらアロー王女が聖女認定されたらしい。

「よく戻ってくれました。一緒に結界を維持しましょう」

アロー王女にも感謝されて、一緒に結界を維持しようと言われた。

私が戻る必要は無かった気がする。


「アロー王女、相談があります。聖女が二人に増えたのですから、休息日も二倍にしてもらいましょう」

「素晴らしい名案です」

アロー王女に休息日を増やす要求をしようと提案したら、彼女も同意してくれた。

神官長や国王に直談判して、十日に一日の休息日を五日に一日の休息日にする事を認めさせた。

代わりにアロー王女の隣室にされてしまった。

どうやら私達を仲良くさせる魂胆らしい。

だけど仲良くなり過ぎても、知らないわよ。

次回は大聖女御令嬢の婚約破棄の話の予定です。

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