特訓
次の日目を覚ますと、昨日と同じようにダンジョンがある。
やはり昨日のは夢ではなかった。
俺にも成長の可能性があることに昂りを感じている。
軽快に立ち上がり一階のリビングに向かった。
するとみんなもう起きており、両親はおはようと、妹は体は大丈夫かと、聞かれたので答えてから、昨日風呂に入って無かったのを思い出して風呂に向かった。
風呂から出てリビングに戻ると、昼食の準備ができており、みんなが座って待っていたので、急いで席に座り手を合わせて食べ始めた。
「そういえば、ダンジョンは個人所有することに決まったからな」
「えっ」
話を聞くと俺が寝ている間に手続きを行い、個人所有する許可を得たらしい。
「でもいいのか、ダンジョンコアを破壊してもらった方が安全だし、お金を入って来て楽に暮らしていけるだろ」
「それは気にしなくていい、父さんは全員死ぬまで働かなくても暮らしていけるだけの金は持っているし、あのダンジョンぐらいなら数時間あれば破壊できる」
そういば父さんは探索者の第一期生として活躍していたらしく、結構なお金を稼いでおり、のんびり暮らしたくてこの龍神村に引っ越したいたんだ。
でもこれで強くなるための訓練ができる。
「よかったね、これでお兄ちゃんの特訓し放題だよ」
「そうだな」
「でも気をつけなさいよ、1日12時間で1階層ごとに休憩することと、怪我をしたらすぐに帰ってくる、これを守りなさい」
「わかったよ母さん」
「武器は父さんの小太刀をあげるからそのまま使いなさい」
「いいの!」
「ああ、百合から聞いた翔斗の能力には、あの武器が最適だろうからな」
小太刀は貸してくれているだけと思っていたけど、俺にくれるらしく喜んだ。
この小太刀、天佑神助はドロップ率を強化する能力と、アイテムドロップを自分で決めることができる能力を持ち、武運長久は戦闘時に自己強化と幸運が起こる能力がある。
どちらの武器も星6ランクの武器で、俺が普通に手に入れるのは難しい武器だ。
「ありがとう、俺頑張るから」
「応援してるぞ」
と僕は急いで少し冷めた昼食を食べた。
そして探索の準備をし始めた。
探索者高校の制服(特殊な素材でできており丈夫で軽い)を着て、大きめのドロップアイテムを入れる鞄を背負い、鞄にある程度の探索グッズを入れ、小太刀を2本腰に付け、最後に昨日のドロップしたカードを胸ポケットに入れた。
そして二度目のダンジョン探索を開始した。
入ると直ぐにゴブリンを部屋に到着し、入口から中を覗くと昨日と同じように100体のゴブリンが部屋にいた。
俺はゴブリンのカードを手に取り地面に叩きつけた。
すると昨日のように魔法陣が現れ、ゴブリンが浮かび上がってくる。
そのゴブリンと共にゴブリンを倒しに向かった。
昨日と違い楽に全滅させることができた。
ステータスが上がっていることもあるが、ゴブリンのおかげで囲まれることはなく、冷静に戦えるようになった。
ドロップを拾い次の階層に降りた。
ダンジョンについての報告書によると、次の階層はスライム部屋になっているらしい。
スライムは核に攻撃すれば倒せるが、周りの膜が消化液になっており、手を突っ込めば手が爛れるし、武器も消耗する厄介者で、慣れれば一瞬で核を砕ける。
俺はゴブリンと共に進んでいった。