実家の部屋がダンジョンに!
僕、花間翔斗は大阪私立西成探索者高校一年生として入学し、僕が持つ固有スキルで大活躍すると思っていた。
だが固有スキルの使い方が半年経ってもわからないままで、ステータスも最低値なので高校では最弱の冒険者と言われ、いじめにもあっている。
ダンジョン探索実習も戦闘させてもらえず、すれ違えればぶつかられる、物は置いて帰れば壊され、模擬戦では必要以上に攻撃され傷だらけに、教師は気付いても無視し。
そして今、いじめに耐えられなくなり、親に高校を辞めると言う為に、夏休みを間に実家に新幹線に乗り帰っている。
自身の能力が低い事は入学前からわかっていた、常人初期のステータス平均は10で、高ステータスだと平均50ありトップクラスだと一部が100を超える能力値がある場合もある。
僕の場合はステータスオール1という、常人以下の能力しかなくモンスターを倒すのもギリギリだ。
電車を乗り継ぎ実家まで帰ってきた。
周囲は夕暮れでもう少しで夜になる時間帯。
うちの家族は山の近くで暮らしている為、ここには父親迎えに来てくれる予定だ。
家族は父と母と妹の四人家族だが妹は義理の妹で、血は繋がっていないが本当の家族以上に仲が良く、遠く離れた高校に通うと言った時も、「お兄ちゃんいかないで!」と泣きながら引き留められたのもいい思い出だ。
昔のことを思い出していると、見覚えのある車が来た。
その車は僕の前に止まり窓が開いて中から。
「翔斗迎えに来たぞ」
「ありがとう父さん」
そう言い僕は車の助手席に乗った。
車が走り出したが二人とも何も話さない、父さんは何かを感じたから黙っているかとも思ったが、息子と父親が久しぶりに会えばこんなもんかと思い、懐かしい外の景色も見ながら家まで向かって行った。
1時間ほどで家が前とかまで来たが、家の玄関前に妹の姿が見え車を降りると。
「お兄ちゃんおかえり!」
「ただいま百合」
抱きついて来た妹を優しく抱き返し、頭を撫でながら言った。
妹の後ろの玄関が開き母親も出てき、微笑みながらおかえりと言ってくれて僕は少し涙が出そうになった。
高校ではほとんど誰にも必要とされなかったから、ここまで帰って来たことを喜んでくれる家族に嬉しい。
家に入り居間で座ると妹はくっついきたがそれも嬉しいく感じそのままくつろぐ。
妹は元気にしていたかや、大阪はどんなところだったかなど質問を答えていき、そんな妹様子を両親も微笑みながら見ていた。
しかし妹の高校はどう?という質問に僕は少し暗い顔をしてどう答えるか悩んでいると。
母さんが晩御飯を運んできて有耶無耶になった。
晩御飯の後は妹にこっちはどうだったかと逆に質問していき、数十分話した後父さんの風呂の準備できたと言う声を聞き風呂に入り、寝る準備した後に家族に話があると言い、集まってもらった。
家族がキッチンの机に座り、僕は高校での事を話してた、スキルが使えないこと、ステータスが低いこと、そしていじめられている事を話して、高校を辞めたいと言った。
「そうか」
「私は翔斗が決めた事なら良いと思うわ、でも転校でもいいのよ」
「僕には才能がないから」
父さんは何かを噛み締めるように、母さんは少し悲しそうに微笑み言った。
僕はもう探索者を諦めようと思っていたので転校もせず、普通の高校もいじめられるかもと思うと行きたいと思えなかった。
妹は下を向いており、こんな情けない兄に失望したのかと思ったけど、妹がばっと顔を上げる涙目で。
「お兄ちゃんをいじめたのは誰!」
「言ってもわからないだろ」
「名前だけ教えて、全員潰すから!」
物騒な事を言う妹をどうにか宥めて今日は疲れたから眠ると言い自身の寝室に向かった。
そして思いの外すぐに寝付けた。
次の日目が覚めるとベットを起き上がると、ありえない光景に二度見した後、夢だと思い二度寝する為にベットに戻り。
「なんで俺の部屋にダンジョンがあるだよ!」
と叫び声を上げて起き上がった。
百合side
お兄ちゃんをいじめた奴らは潰すは決定事項だが、お兄ちゃんも舐められないように力の使い方を知ってもらうため、私はお兄ちゃんの部屋に忍びこみ部屋の壁に能力を発動する。
そうすると壁が形を変え、洞窟のような見た目に変わっていく。
「これでダンジョンの完成、後はお兄ちゃん専用にカスタマイズしてと」
私はお兄ちゃんだけが成長できるように作り替える。
「お兄ちゃんは私が最強にしてあげる」
とお兄ちゃんの額に口付けをして部屋を出た。
「お兄ちゃんをいじめたクソどもどうしてやろうか」
と自身の部屋で考えながら眠りについた。