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第五百九十五話『この先の決意』

御免なさい、投稿遅れました!予約忘れって恐ろしい……!

――結論から言うと、どれだけ頑張っても今日のうちに三発分耐える棍棒は作れなかった。


「くそう、こんなボロボロになっちまって……!」


「二回使って壊れなければそれで十分よ。少なくとも、今日相手した魔物くらいだったならね」


「そうそう。遠慮なしに魔力を注いで二回耐えることをまずは誇るべきだよ」


 ネリンやアリシアから渡された棍棒の残骸を見つめる俺に、二人がフォローを飛ばしてくる。確かに今日の事だけを考えるならそれは正論なのだが、それにしたって悔しさは残っていた。


「……次こそは、三発分耐える棍棒を作り上げてやるからな……」


「燃えているな、ヒロト。小さくても目標を作れるのはとてもいいことだと思うぞ?」


 もはや手のひらに収まるサイズになってしまった岩の欠片を握りしめて、俺は改めて次の目標を口に出す。それにミズネが表情をほころばせると、それに続くようにして二人も笑みを浮かべた。


「うん、やっぱり変わったわよね。自分の中での目標は達成できなかったみたいだけど、今までに比べてちゃんと前を向けてるって感じ」


「後ろを向いてても棍棒の耐久が上がるわけじゃないからな。もしそうなら、俺はこれでもかってくらいネガティブになってやるけどさ」


 ネリンの賞賛に冗談交じりにそう返すと、三人の間から笑みがこぼれる。確かに冗談なことは間違いないのだが、もしホントに強度が上がるんだとしたらネガティブになるのもいとわないくらいの覚悟はあった。


「……とにかく、今日の仕事も無事に終了だね。ヒロトも進化して戻ってきてくれたし、考えうる限り最高の形になったんじゃないかな?」


「そうね。……だからこそ、ここからが本番だって風に言うこともできるけど」


 ネリンが真剣な声色でそう口にすると同時、お疲れ様ムードだった俺たちの空気が少しばかり引き締まる。……ネリンのその言葉通り、クエストを無事に終わらせるのは今日の大前提とも言えた。


「ゼラとロアがちゃんとまっすぐ向き合えるようにするのが、俺たちのもう一つの目的だもんな……。そのためには、まずロアの中にある原点に気づいてもらわないとだ」


 ロアが何のためにここまで頑張って来たのか、何の為だったからここまで頑張れたのか。そのスタートラインに立ち返ることが出来れば、ゼラとまっすぐ向き合うことだってできるかもしれない。……いや、頼むからできてほしい。


「ロアは、今日もムルジさんのところで特訓してるってさ。……どうする、直行するか?」


「冒険を終えたままの服装で行くってのも少しばかりはばかられるわよね……。一回宿に戻って、楽な格好で行くのが一番いいんじゃないかしら」


「ボクもそれに賛成だね。温泉に行くほどじゃないけど、一回軽く体も流しておきたいしさ」


 ネリンの提言にアリシアが同調し、ミズネもそれに続くように首を縦に振る。……どうやら、三人の中での方針はほぼほぼ一致しているようだった。


「それじゃ、とりあえずは宿に戻るか。俺はそのついでにクエスト完了の報告もしてくつもりだけど、お前たちはどうする?」


 女性の準備には時間がかかるっていうしな。クエスト報告は一人いれば出来るし、わざわざ皆についてきてもらう必要もないだろう。そう思っていたのだが、意外にも三人は揃って首を横に振った。


「大丈夫、あたしたちも一緒に行くわよ。気遣ってくれるのは嬉しいけど、そういうことを一人に押し付けるべきじゃない気がするし」


「一度それを頼んでしまうと、後々癖になりそうで怖いからな。安心しろ、お前を必要以上に待たせはしないさ」


「二人の言う通りだね。せっかく久しぶりに四人でこなしたクエストなんだし、四人でしっかり報告するのがいいんじゃないかい?」


 口々にその理由を話し、穏やかな表情を三人は俺に向けてくる。その気遣いに心から感謝しつつ、俺は大きく笑みを浮かべた。


「……よし、それじゃあ皆でギルドまで行くか! ささっと報酬、受け取っちゃおうぜ!」


「ええ!」「ああ!」「うん!」


 景気良く叫んだ号令の後に続いて、三人の返事が少し日の傾いた草原にこだまする。……返事が絶妙に揃っていないその感じが、なんだか逆に心地よかった。

 と言うことで、ヒロトたちの新たな一日はここからが本番です! 果たして四人はどんな行動に打って出るのか、楽しみにしていただければ幸いです! 明日はちゃんと六時ぴったりに投稿します……!

――では、また明日の午後六時にお会いしましょう!

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