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第四百九十三話『いろいろな使い道』

「魔道具と言っても戦闘目的に使うものだけが全てではなくてな。探索の補助から日常生活の助けになるものまでその文化は様々だ。……まあ、日用品として魔道具を使うのは中々に上流階級の暮らしになってしまうだろうけどな」


 ゆっくりとテーブルを回りながら、魔道具の一つ一つに対してミズネが解説を入れていく。良く通る声質なこともあってか、周りからもその魔道具講座には注目が集まっているようだった。


「魔道具って意外と一般にも広まってるのね……。王都だから広まり方にも違いがあるのかしら」


「そうかもしれないな。カガネではなかなか聞く話ではないし、そこは文化の違いと言ってもいいだろう」


 魔道具の普及についての解釈を述べるミズネの視線の先には、教室に置かれている加湿器のようなサイズのものだ。空気清浄機なんかはこの世界で見たことないし、どんな使い方をするんだろうな……?


「こういう方向性にも研究が進められるのは平和の証っていうしね。ボクにもあの魔道具がどんな使い道があるのかは分からないけど、面白い使い方が出来そうなのは確かだしさ」


 俺が首をひねっているのを見たアリシアが、フォローとも何ともつかないようなリアクションを浮かべる。知識量豊富なアリシアでも分かんないならとうとう誰にも分かんないな、これ……。


「術式を見れば何となく理解はできるだろうが、そこまでしたなら買うのがマナーというものだからな……。これにつぎ込む資金は流石にない、というのが本音だろう」


「そうね。これを買うお金があったら魔剣の品質を少しくらい上げた方がよっぽど有意義だわ」


 それは否定できない、と俺たちは揃って頷く。日用品に魔道具があれば便利だとは言えど、あまり長く家で過ごすのも最近は稀なんだよな……正直クエストでいろんなところ行く方が日常だし。


「流石にこの買い物までを経費として落とすわけにはいかないからな。買うからにはもっと丁寧に選ばなければいけない……の、だが」


 そう言葉を濁すミズネの視線の先には、明らかに雰囲気が変わっている一角がある。先ほどミズネが挙げた例外ではなく、もっと正統派な魔道具。俺たちがパッと思い浮かべるような、カッコよさと実用性を重視した魔道具の王道たち――


「……アレを前にした私がその衝動を抑えられるか、少しばかり怪しいところではあるな」


 ――種々様々な戦闘用の魔道具が並ぶ机にたどり着いたミズネの眼は、まるで財宝を見つけた子供のようにキラキラと輝いていた。

かなり短めでごめんなさい! まだまだ四人のお買い物は続きますが、果たしてミズネは自分の欲を制御することが出来るのか、引き続きお楽しみいただけると幸いです!

――では、また明日の午後六時にお会いしましょう!

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