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1章はじまります。
ソウカはコロセウルの街中を歩く。
武の街コロセウル。十二英雄の1人であるリオ・パドラックスが経営する闘技場が存在する。そこでは冒険者として名を馳せたものだけではなく、腕っぷしに自信を持つ者達が集って自らの腕前を披露する場所だ。
そしてちょうどこの時期は、闘技場を使った全世界武闘大会が開催されると言う。
これには各分野で頂点を極めたとされる者が参加すると言われている。
リオ・パドラックスが表舞台に上がる数少ない行事だ。
「そこで…殺してやる…」
そう思いながら、街の賑わいに目を向ける。中央の大きな通りにはこの祭りにあやかる商人達が所狭しと自らの商品を売り出す。
大きな街は初めてな上に、ここまで多い人混みに驚きながらも、栄えている街中を歩く。
(何処を見ても花は見つからないな…)
アクセサリー屋や果物屋の並べられた商品を見てみるが、花をあしらったアクセサリーは見当たらないし、果物は俺が知っている果物じゃない物が並ぶ。
果物をまじまじを見ている俺の事が気になったのか、店主が
「いらっしゃい兄ちゃん。なんか探しているのかい?」
景気の良さそうな声で話しかけてくるので
「…いや。珍しい食材が並んでいたので…」
俺の言葉に店主は笑いながら、
「がははぁっ!兄ちゃんは田舎者か?こいつらは最近王都で栽培された、花を必要としない果物達だぜ!花が無くなって果物もかなり少なくなっちまったが、稀代の天才で彼の十二英雄のスコーピオ様が研究の末に作り出したとされる代物だ!」
(スコーピオか…。くだらないな)
手に取ろうとしたが、手に取ることなく店主に礼をいって去る。
更に色々な店を回り、香ばしい匂いを漂わせる肉を買って、街の中央にある闘技場に向かう。
肉を買った店の店主に道を聞いて闘技場に着いたが、かなりの長蛇ができていた。
少し時間がかかってもいいと思い肉を頬張りながら順番を待つ。
あっという間に食べてしまいかなりの時間を要したが、やっと順番が回ってきた。
事務的な挨拶をする受付嬢
「こちらでは、明後日に開催される武闘大会の受付になります。大会への参加者でしょうか?」
「あぁそれで構わない。」
そう答えるが、受付嬢は少し怪しむ様に俺を見る。きっと先程からも色々な者から見られていたが、俺の様な華奢な人間が参加するのを怪しんでいるのだろう。
「畏まりました…。確認となりますが、この大会での怪我は自己負担になります。更に治療に関しても自己責任です。まぁ…高額になりますが、こちらでも治療スペースを設けています。」
事務的な最終確認をしてくる。きっと治療スペースを設けることで怪我人からも金を回収する手段なんだな…。
主催者側の守銭奴な感じを感じながらも了承の旨を伝える。
「では、こちらに記入をお願いします。」
渡された紙を受け取り、名前と登録武器を記入する。さっと記入して受付嬢に手渡す。
「ソウカ様ですね。武器は…長剣ですね。」
記入内容を確認し、問題無いことがわかると、受付嬢は小さな水晶をだす。
「ではこちらの水晶に手をこの水晶でソウカ様のブロック振り分けを行います。」
危険なものではないと説明した上で、受付嬢は水晶を近づける。
構わないのでそっと手を添えると水晶は淡い輝きを放つと
「はい。ではソウカ様はFブロックになります。当日はFブロックの案内をかけた際に舞台に上がれる様にしておいてください。」
最後まで事務的な態度で淡々と話しを終えてFと書かれた紙を渡してくる。
これで受付は完了した様なので、俺は会場を後にする。
「さて、次は宿を探すとしよう」
来た道を戻って俺は大通りに戻って宿屋を探すことにする。
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